以前、若い頃すごく好きだった飲食店に
何年かぶりに入ってみたら、
思ったよりもおいしくなかった時があった。
ああ、何か変えちゃったんだな。
ニーズも原材料の価格も、なんでも変わるから仕方がないよなあ。
そんな風にちょっと寂しく思っていたけど、
ふと手にしたメニュー表には、
「ずっと変わらぬ味」と書いてあるじゃないか。(笑)
変わったのは自分の舌なのか、
それとも自分の記憶なのか?
人の記憶はどんどん変わって、
美化したり湾曲したりしてしまうから
生涯唯一無二だと思っているものも、
記憶の美化によって生み出されていることもあれば、
他のものにときめいてあっという間に唯一無二の代替えが起こることもあります。
それは恋愛や婚活の場でも一緒。
別れたあの人が一番だった、と昔は思っていても、
いざ別の人と付き合ったら「この人が最高」と思うことがありますよね。
そして関係がマンネリしたりケンカしたりすると、
「別れたあの人ならこんな時こうしてくれたのに…」と思って
また「別れたあの人」が簡単に1番の座についたりします。(笑)
逆に、誰と付き合ってもただ一人のことを忘れられないのは、
一途な人ともいえるし、記憶の住人になってしまっている可能性もあります。
だから、すでに去ってしまった人を、距離の離れてしまった相手を、
「あの人じゃないとダメなのに」「あの人しかいないのに」と今は悩んでいても、
少しずつ、それもまた変わっていきます。
あなたが生きる限り、あなたは変わらずにはいられない。
それはとても「いいこと」です。
「あの人しかいない」から「あの人も素敵だった」に変わる瞬間が必ず来て、
美しい記憶として流れていく。
一人で記憶を流せないなら、二人で行いましょう。
復縁や、断ってしまった相手を再度振り向かせること、
それでもいいですが、人は変わります。
「あの人しかいない、どうすればいい」という強い気持ちを、
「良い経験をさせてもらった」と流せるようになったら、
新しい出会いがあるかもしれません。
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