カウンセリングをしていると、たまに
「優しい人」
が話の中に登場します。
クライアントさんのお悩みを親身に聞いてくれる第三者。
あれこれ情報を集めたり手伝ってくれる友人。
クライアントさんの世話を焼いてくれる人。
そんな、心の支えになっている「誰か」は
よく「優しい人」と表現されます。
この「優しい人」が、カウンセリングのキーパーソンになることがあります。
イネイブラー、という言葉を聞いたことがありますか?
デジタル大辞泉から引用すると、
「他の人の行動に力を貸す人」
「依存症者などに必要以上の手助けをすることで、結果的に状況を悪化させる人」
という説明があります。
クライアントさんの言う「優しい人」が実はこのイネイブラー的な存在で、
結果的にクライアントさんを苦しめてしまうことがあります。
イネイブラーは悪気があるわけではないので、
「クライアントさんを苦しめよう」という気持ちがあるわけではありません。
むしろその逆で、
「助けてあげよう」とか、「私がいないとこの人はダメだ」とか、そういう責任感にも近い感情を持っていることが多いです。
なので、イネイブラーをする人も、される人も
「このままではまずい」ということに気が付くのが遅れてしまいます。
「私がいないとこの人はダメだ」と思う気持ちの裏には、
「この人が元気になったら必要とされなくなってしまう」
というイネイブラー側の寂しさが隠れていて、
表面的には必死に手助けをしているように見えても、
状況を悪化させてしまったり、
イネイブラーへ依存させてしまったりします。
(本当はイネイブラー側に依存があります)
なので、周囲に
「すごく良い人」や、
「世話好きな人」がいて、
なんでもたくさん助けてくれるけど、
それに対して自分はどんどんダメになっていく
もしくは
その人がいないと生きていけないと思う
という悩みがある人は、
イネイブラー的な人に依存をされてしまっている可能性も含めて
考えてみる必要があります。
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