「今まで自分の苦しみは誰にもわかってもらえなかった!」
とたまにおっしゃる方がいますが、
それは本当にその通りです。
どんな人も、「誰かのことを100%分かる」ということはありません。
同じ環境で育って、同じトラブルを抱えていたとしても、
「完全に相手のことが分かる」ということはあり得ません。
自分の苦しみを、その輪郭を一切壊さずに誰かに伝えることは不可能ですし、
誰かの苦しみを、全て分かってあげられるということも出来ません。
それはたとえカウンセラーでも同じことです。
数十年生きてきた人から、たかが数時間話を聞いただけで
その人のことがわかると思うのは少し傲慢。
「他人のことは自分には分からない」という前提で、
だからこそクライアントさんから悩みやその時の気持ちを教えてもらいながら、
なるべくクライアントさんのことを理解しようとしています。
そして必要に応じて知識や経験から思うことを話しながら、
クライアントさんと一緒にクライアントさんのことを
探していきます。
他人のことなんて誰にもわからない。
でもそれでいいんですよね。
むしろその方がいい。
今、
ストレスや悩みがあるけど
「他の人は悩んでいてもちゃんとやれている」
と思ってしまう方、
誰かと比較して
「どうして自分は出来ないんだろう」
と思ってしまう方。
気持ちはわかるけれど、それは勘違いです。
その人とあなたは全く違う人間で、構造が違う。
遺伝子も違う。
ホルモンバランスも違う。
体の大きさも違う。
脳の特徴も違う。
何を感じるかも、感じる度合いも違う。
そこに本来優劣はありません。
しかも、
「他の人は出来ている」ように見えているだけかもしれないし、
「他の人はあなたほど苦しんでない」かもしれない。
他人ことなんて何も分からない。
だから他人と比較することにほとんど意味はないんです。
なのに、つい自分の辛さを他人で測ろうとしてしまう人がとても多い。
自分と違う個体と比較して自分にダメ出しをしたり、
自分と違う個体に合わせて頑張ろうとしたり。
他人が自分より苦しそうに見えたとしても、
自分が苦しかったらそれで充分です。
自分から見た他人の様子を過信しないこと。
他人がどうか?ではなく自分がどうかを考えること。
いつも他人と比べて「つらい」が言えない人には、カウンセリングが向いています。
目の前の相手(カウンセラー)と自分を比べる必要がないからです。
自分のことだけを主観で話す経験が、きっと人生の役に立ちます。
*このブログは毎日19時に更新されます
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