カウンセリングをしていると、
『離れたいのに離れられない』
というお話によく出くわします。
分かりやすいのが恋愛のケースで、
「相手のことを好きか分からないのに離れると苦しい」とか
「自分が本命になれないのが分かっているのに一緒にいてしまう」とか。
これらは本人も「離れたい」という感覚を自覚しているので、
クライアントさんから、お悩みとしてお話してくれます。
でも、こういうパターンもあります。
『好きだから離れられない』
ん?と思いますよね。
好きだから離れられないって別に問題じゃないように見えますから。
でもこれが、案外カラクリがあったりして厄介なのです。
好き、という感覚自体が偽物だったりするからです。
こういうケースで結構多いのが、
「家族(特に母)が大好きで、大切」
というパターン。
家族が大好きで~、母親は頑張り屋で~、という身内の話をクライアントさんから聞くとき、
なんとなく焦っているような、他の話題とは表情がちょっと違うような違和感を感じることがあります。
それでなんとなく、家族の事について心理療法してみると、これがドンピシャに効いたりする。
こういう場合、家族のことを必要以上に「好き」だと思い込んでいる場合があります。
クライアントさんが「好きだと思わないと!」と強迫的に自分を縛っていることもあるし、
他の人によって「好きだと思わされている」ということもありえます。
人は「自分の意思決定で、自分の経験で生きてきた」と思いがちですが、
予想以上に周囲の影響を受けながら生活しています。
周囲の影響を受けて、「私はこの人が好きなんだ」と思ってしまうことは、案外よくあることなのです。
例えば、ある人から距離をおこうとした瞬間に、その人から連絡が来る。
やらないと決めた瞬間に、やりたくなる。
なんとなく嫌な予感がすると、現実になる。
そういう経験はありませんか?
バッドタイミング、といえばそれまでですが、
あなたにそう思わせておきたい誰かの影響を、しっかり受けてしまっている可能性もあります。
だから先の家族の例でも、
「心理療法をしてクライアントさんが親から離れようと思い始めた瞬間に、親からなにか重大な連絡があって結局離れられない」
という引き戻しのような現象が起こったりします。
これは逆に言うと、「そう思わされている」のちょっとした証拠でもあったりします。
引き戻しの現象を超えると、クライアントさんは一気に自由になります。
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