カウンセリングに来る方の多くは、
「何かしら心に引っかかっているものがあって、生きづらい感じ」
を抱えています。
(もちろん、何にも悩んでなくても歓迎です!)
その中に、「つらいのに、よくなりたいわけではない」
というケースがちらほらあるんですね。
ご本人は「良くなりたい」と言いながら、
実際はよくなることを拒否する方々です。
典型的なのは、やはり心理療法を拒否する傾向にある方や、
「効いてない」と言ってやめようとする方。
心理療法は受けないけど、つらい。
良くなりたいが、どうしたらいい?
というお話を繰り返ししてくれます。
もちろん、心理療法を受けるかどうかは自由ですし、
実際に効果がない場合もありますから、一概には言えません。
もしくははた目には効果が出ていても、
ご本人が気づいていないこともあります。
ただ、「つらくてどうしたらいいかわからない」
と言いながら(これは嘘ではなく、ご本人は本当に悩んでいます)、
良くなる方向へは頑なに動こうとしない方がどうしてもいらっしゃるのです。
なんとなく自覚がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは、ご本人のせいではなく、
「良くなってはいけない」という気持ちが
心のどこかで働いているから、という場合があります。
良くなると、何か不都合がある
良くなると、何かが露呈する
とご本人の中では無意識に思いおそれているケースです。
深く探るとご両親との関係性(幼少時の記憶)に要因があることもあります。
自分の中の「良くなってはいけない」と正面から向き合ったあるクライアントさんは、
(この方は「良くなってはいけない」に気づいた段階で心理療法を再開しました。)
「親の注意をひくために良くなってはいけない(そうじゃないと愛されない)」
という不都合があり、
「良くなると親から愛されない」ことが露呈する(のではないか)
それを恐れていた。
という結論を出しています。
この結論に納得したクライアントさんは、
以後心理療法を積極的に受けてくれ、着々と変化が見られます。
もちろんこれは一例です。
一口に「良くなりたくない」と言っても、解釈も思いも様々でしょう。
でも、もし「つらいのに、なぜか変わろうとしない私」に気づいたら、
それは素晴らしい気づきです。
一歩踏み出す大きなチャンスだとわたしは思っています。
*このブログは毎日19時に更新されます
当カウンセリングルームに所属する、女性カウンセラーの情報はこちら