また更新が遅れてしまいました(笑)
さて、昨日までは「いじめる人の心」を
世界の狭さと関連付けて考えました。
ではいじめられた人の世界はどうなるのでしょうか。
たまに学校のいじめが原因で自殺や未遂をしてしまう
悲しい事件を耳にします。
「そうなる前に周りに相談してほしい」
「学校をやすんでもいい」
そんな呼びかけもたくさん行われますね。
これらの呼びかけは、一言で言ってしまえば
「世界を広くしよう」ということだと思うんです。
学校だけが世界の全てじゃない
別な場所もある
だから無理して死ぬほど苦しむ必要はないんだ
ということを具体的にメッセージにしたものが
上記のような呼びかけになるのだと思います。
では、いじめられている人がなぜ、
そんなに苦しむ前に逃げることができないのか?
つまり、なぜ世界を広げることが難しいのか?
という点ですが、
この答えはさまざまな分野と事情から検討することができる上に、
万人に当てはまる答えは存在しないと思っています。
ですが今回のテーマに沿って一つ言える現象があります。
それは
「いじめられると、いじめる人の世界に閉じ込められる」
ということです。
これがどういうことかというと、まあ言葉そのままなのですが(笑)
クライアントさんの例があるのでご紹介しますね。
◆
クライアントのAさんは、ある日突然学校でいじめを受けました。
今までは、学校から帰宅すると、「明日は誰と何をしようか」と考えたり、
むしろ明日のことなんて何も考えていなかったそうです。
漫画家を目指していたAさんは、明日友だちに見せる場面を
想像しながら趣味の漫画を描いて過ごしていました。
ところが、そのいじめが始まってからは、
毎日帰宅すると「学校に行きたくない」「明日は何をされるんだろう」
「あの子に会いたくない」といじめといじめる人のことばかりを
考えるようになったと言います。
描いた漫画も笑われて破られたので、自信を無くし描くのもやめました。
外出先で鉢合わせするのも怖いので、
なるべく土日は家で過ごしました。
◆
いじめを受けたことのある方なら、心当たりがあるかもしれません。
前回のブログで、「いじめる人はターゲットのことをとても意識している」
というようなことを書きました。
いじめる側がターゲットを意識するのは世界が狭いからかもしれませんが、
実はいじめられた人も全く同じ状況に陥ります。
いじめを受けたことで、自分の意識が恐怖や不安から「いじめた人」に集中する。
いじめのことが気になると、趣味も、家族との会話も楽しめなくなって、
外出先でも出会うのが怖い…とどんどん世界は狭くなる。
世界が狭くなるということは、選択肢が減るということです。
考えられなくなるということです。
抜け出したいと思っても、
いじめる人の気分次第でその日の自分の命運が決まるのですから、
もはやそれは自分の世界ですらないようなものなのです。
その結果、いじめをする人の狭い世界に引きずり込まれてしまうのです。
*このブログは毎日19時に更新されます
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