いじめ③「いじめられると、いじめた人のせまい世界に閉じ込められる」 | 仙台駅前にあるカウンセリングルーム まきび

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また更新が遅れてしまいました()

 

さて、昨日までは「いじめる人の心」を

世界の狭さと関連付けて考えました。

 

ではいじめられた人の世界はどうなるのでしょうか。

 

 

たまに学校のいじめが原因で自殺や未遂をしてしまう

悲しい事件を耳にします。

 

「そうなる前に周りに相談してほしい」

「学校をやすんでもいい」

 

そんな呼びかけもたくさん行われますね。

 

 

これらの呼びかけは、一言で言ってしまえば

「世界を広くしよう」ということだと思うんです。

 

学校だけが世界の全てじゃない

別な場所もある

だから無理して死ぬほど苦しむ必要はないんだ

 

ということを具体的にメッセージにしたものが

上記のような呼びかけになるのだと思います。

 

 

では、いじめられている人がなぜ、

そんなに苦しむ前に逃げることができないのか?

つまり、なぜ世界を広げることが難しいのか?

という点ですが、

 

この答えはさまざまな分野と事情から検討することができる上に、

万人に当てはまる答えは存在しないと思っています。

 

ですが今回のテーマに沿って一つ言える現象があります。

 

それは

 

 

「いじめられると、いじめる人の世界に閉じ込められる」

 

 

ということです。

 

 

これがどういうことかというと、まあ言葉そのままなのですが()

 

クライアントさんの例があるのでご紹介しますね。

 

クライアントのAさんは、ある日突然学校でいじめを受けました。

今までは、学校から帰宅すると、「明日は誰と何をしようか」と考えたり、

むしろ明日のことなんて何も考えていなかったそうです。

 

漫画家を目指していたAさんは、明日友だちに見せる場面を

想像しながら趣味の漫画を描いて過ごしていました。

 

ところが、そのいじめが始まってからは、

毎日帰宅すると「学校に行きたくない」「明日は何をされるんだろう」

「あの子に会いたくない」といじめといじめる人のことばかりを

考えるようになったと言います。

 

描いた漫画も笑われて破られたので、自信を無くし描くのもやめました。

外出先で鉢合わせするのも怖いので、

なるべく土日は家で過ごしました。

 

 

いじめを受けたことのある方なら、心当たりがあるかもしれません。

 

 

前回のブログで、「いじめる人はターゲットのことをとても意識している」

というようなことを書きました。

いじめる側がターゲットを意識するのは世界が狭いからかもしれませんが、

実はいじめられた人も全く同じ状況に陥ります。

 

いじめを受けたことで、自分の意識が恐怖や不安から「いじめた人」に集中する。

 

いじめのことが気になると、趣味も、家族との会話も楽しめなくなって、

外出先でも出会うのが怖いとどんどん世界は狭くなる。

 

世界が狭くなるということは、選択肢が減るということです。

考えられなくなるということです。

 

抜け出したいと思っても、

いじめる人の気分次第でその日の自分の命運が決まるのですから、

もはやそれは自分の世界ですらないようなものなのです。

 

 

その結果、いじめをする人の狭い世界に引きずり込まれてしまうのです。

 

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