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イネイブラーは世話焼き行動(イネイブリング)について指摘されても認めることはあまりありません。まして自分がカウンセリングを受ける必要があるなどとは夢にも思っていません。
なので指摘した人に腹を立て、道徳や愛情を盾に、自分の世話焼き行動を肯定してくれる人を捜し求めます(肯定してくれる人は結構います・むしろ何でも肯定してくれるジャンルも世の中には多数あります)。
もちろんカウンセラー側も責めているわけではなく、一緒に依存者の問題行動を解決していきましょう、そのためにまずは周りの方からはじめましょう、と提案しているだけではあるのですが、イネイブラーは自分自身の問題にさわられるのを非常に嫌がります。
なぜならどんなに自信のありそうなイネイブラーでも、実は自己価値が低いからです。自分の自己価値が低いことを認めたくないですし、自分の存在価値が高まる世話焼き行動を否定されたら、余計に自分の存在価値が下がってしまう感覚があるので、イネイブラーは自分の問題をかたくなに認めたがりません。
もし自己価値が高ければ、人を助けて存在価値を見出さなくてもよいのです。むしろ一人で楽しく過ごせるし、人を助けないことで存在価値が下がることもないのです。
そして健全な感覚とは問題と自分の価値が分離していることであるともいえます。問題があるから、本人の自己価値が低い、というわけではまったくありません。しかしイネイブラーもしくは自己価値が低い方ほど、問題がある=だめな人間・価値の低い人間、と考えてしまう傾向はあるようです。
なのでイネイブラーは自己価値を下げられる感覚がするため、世話焼き行動を指摘される、過去の自分の積み重ねを指摘されることを極端に嫌います。
そこでカウンセリングの教科書ではイネイブラーとは十分なラポール形成や肯定をしてイネイブラーに安心感を持ってもらってから、本題に入っていくこと、と書いてある場合もありますが、たいていは問題を指摘した上での介入の仕方がメインの内容だったりします。
私としてはむしろイネイブラーとは(偽りの)ラポール形成がしやすいと感じています。肯定すると「先生にお任せします」と言われたりして、わりとすんなりうちとけた感じになりやすいのですが、結局本題に入ると態度が変わるといった感じで、非常にガードがかたいのを感じます。
ですから依存者の前にイネイブラーの方が難題だったりします。ご年配の先生なんかは力技で介入して成果を上げている人もいるようですが、その分もめごとも多かったりして一長一短だねとおっしゃっている方もいました。
認めていただいて一緒に悪循環から抜け出しましょう、となっていただければ、一番なのですが。
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