しぼんでいく私がついになくなってしまうと、
悲しみや胸の痛みはおさまっていた。
そして開けた草原にたどりついた。
遠くに小川が見えたので、そこまで行ってみることにした。
以前にもそこにいたことがあったような気はしたが、
はっきりと思い出すことはできなかった。
することもなかったので、とりあえずそこで、
昔見た聖者の真似をして静かに座ってみることにした。
私はもう一度自分の凡庸さを見、
望む状態が得られないことからくる、
あのしぼんだ意識を体験した。その間中また胸が痛くなり、
悲しみは増した。
最後に一人、私の中に美しい女性が思い描かれた。
瞳は大きく、腰まで伸びた黒髪は一筋の乱れもない。
ふくよかな体つきは私の性を刺激し、若さと光に満ち溢れていた。
彼女を抱きたいと思うと、胸がひどく痛み、
悲しみは深くなった。思えば思うほど、それは一層強くなった。
蛇が一匹、草原のあちら側から私を眺めているのに気づいた。
そのときふと、彼女が年老いていく姿が見えた。
彼女の美しさに疑問を抱くと、
少しずつそのイメージは私の中から消えていった。
気づけば胸の痛みも悲しみもなくなっており、
私ではないようなすがすがしさに取り囲まれていた。
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