MANGEKYO!
「日本の何か…って言われてもな~」
「そのボールペンとか」
「コレは、誕生日に友だちからもらったの。ダメ」
「じゃあ、その水筒とか」
「いやいや、ムリムリ」
「その扇子」
「まだまだ、暑いしね」
「う~ん・・・」
「う~ん・・・あっ!」
あった、あった、ありましたよ「日本の何か」。
超うってつけのを持ってきてましたって。
値切るのにはボールペンが便利なんて話を
さんざん事前調査で読んでいたものの
なんかそのために買って持っていくのもバカらしいなぁと
無視ブッチギって来たんだけど、
コレは使えるかもしれないと持ってきたアイテムがあったんだった。
私の奥の手…それは…
コレ!
えー・・・コレが何かといいますと、
伊藤園のペットボトル麦茶にオマケでついてた
「万華鏡」であります。
会社で隣の席の人が、麦茶を飲んでは私にパスする。
要らないって言っても、かまわずパスする。
溜まりに溜まったミニ万華鏡5個を念のため持ってきていたのだ。
まさか出番が来るとは思っていなかったけど、
これなら間違いなく「日本の何か」「日本らしい何か」だし、
使えるんじゃないの???
4ヶ月前の自分にツッコミ。
「あわわわわわわ・・・ごごごごめんなさい!」
「いいから、いいから、気にしないで」
ハイ、あっさり、無罪放免。
どこからともなく、モップをもったニイチャンが現れ、
テキパキと壊れたグラスとこぼれたお茶を片付けると、
代わりのペプシまで持ってきてくれた。
マジで、至れり尽くせり。
さて、これは困ったことになってきた。
何が困るって、ここまでされると、さすがに値切りづらい。
でも…値切らいでか!
「このランプのカタチの、いくらだっけ?」
「それは、25LEだよ」
「え…20LEじゃなかったっけ?」
値切るつもりで声かけて、素で間違ってる私たち。
「20LEにしてよー。20LEだと思ってたもん」
単なる勝手な勘違いだろ、理由になってない。
「いいじゃーん、お願~い」
わっ 可愛いこぶって拝んじゃった。
我ながら、いい年してムリがある。
「う~ん、困ったな~」
やっぱり?困るよね。
「じゃあ、代わりに日本の何かをくれたら、負けたげる」
「日本の何か」?
タダですか?マジで?!
ちょっとお高そうな敷居をまたいで、香水ビン屋の店内へ。
わー!これカワイイ!
こっちもステキ!
・・・と、見ていると、店のオッチャンが話しかけてきた。
「お茶でもどう?」
「は?」
「お茶とコーラどっちがいい?」
「いえいえ、いいですよ」
「いやいや、いいから」
「そんな、おかまいなく」
「ほんと、気にしなくていいから、どっちがいい?」
「えー・・・そんな・・・ホントにいいの?」
「いいから、いいから」
「じゃあ、お茶で・・・」
これは、すごい。
何がすごいって、エジプトにタダのものがある、それがすごい。
なんにでも対価を求めてくるエジプトで、
タダで茶が出てくるなんて、ちょっと信じられない。
のんびり茶をすすりながら商品を吟味して、
あーでもないこーでもないと値段交渉しながら、
やっぱりお茶をすするというのが、エジプト流の買い物らしいが、
タダでお茶がねぇ・・・。
そんなことを想いながら、ありがたくお茶をいただき、
お土産選びを続行。
・・・と、
ガチャーンッッ!
ひぃぃぃぃ!
よからぬ音がして振り返れば、
お茶のカップが粉々。
狭い店内はお茶びたし。
どうやら、U子ちゃんのバッグか足かなんかが、
カップにぶつかったらしい。
これは、やばいんじゃないの?
温厚なオッチャンも、激怒りじゃないの?
どうする? どうする?!
