ザ ワースト オブ エジプト人
エジプトで迎える初めての朝。
この日は、かの有名なギザの3大ピラミッドとスフィンクス、
そして、最古のピラミッドがあるサッカーラ、
昔エジプトの首都だったメンフィスを回る。
いきなりの大イベントに、胸が高鳴るところだが、
この胸の高鳴りは、一人の女によって台無しにされることとなった。
その女とは、旅行会社“カルナック”がよこした日本語ガイド。
あとにも先にも、この女より嫌なエジプト人はいなかった。
とはいえ、あまり、この女の話を引っ張ると
旅行記がうらみつらみモードになってしまうので、
いかにとんでもないヤツだったかを一気にぶちまけて、
あとはなるべく話に上らないようにしようと思う。
ガイドといえば、
旅行前に本やネットで調べていた情報によれば、
「買い物のときや、ラクダなどの観光用乗り物に乗るときは、
ガイドさんに代わりに交渉してもらうといいですよ~」
なんて話が大勢を占める旅行者の味方だったのに、
この女ときたら、ガイドのくせに、ふっかけてきた。
まず、私たちのエジプトでの初の買い物として
500mlの水を2本買おうとしたら、
「5LE」と言い捨てて、自分はさっさといなくなった。
それから店のオヤジと交渉しようとしたが、後の祭り。
ガイドが値段提示しちゃってるんだから、全然下がらない。
※本当は、5LEあえば1.5リットルが2本買えます!
「市内移動でタクシー乗ったらいくらくらい?」と聞けば、
「20~30LE」
※本当は5LEくらいです!
ラクダの相場を聞けば、
「10分で1人50$くらいね。写真撮ったら、プラス1~2$」
そんなのおかしい、高すぎると言うと、
「じゃあ、自分で交渉してください。私は知りません」
ダーッ 腹立つ!
さらには、紹介料が目当てなのか、
予定にない、パピルス博物館(実態はお土産屋)と香水屋に
連れて行こうとするし、断ったら目に見えて機嫌悪くなるし。
「写真撮りましょうか」とか「トイレ大丈夫ですか」といった
気遣いはゼロだは、
私用の電話は、かけまくるは、
急かすばかりで、ろくに説明はしないは、
とにかくガイドとは名ばかりのどうしようもないヤツだった。
確かに、エジプトという国には、
「富める者は、貧しいものに与えるべき」という考えがある。
彼らにとって、日本人である私たちは「富める者」であり、
「ケチケチしないで金ばら撒いて帰ってよ」と思うのかもしれない。
でも、それをガイドという職業の人間がやることが許せない。
あー…あんなガイドに当たってしまうなんて、
運が悪いのかなんなのか…。
んーーーーーーー……ハイ!
とりあえず、これにて、うらみつらみ、おしまい!
【プチ役立つ情報】
・ミネラルウォーターの相場は、
1.5リットルのペットボトルが1本、2~2.5LEと思います。
もちろん、買う場所や相手や状況で、ピンキリなわけですが。
・ちなみに、ペットボトルのサイズは、
500mlと1.5リットルの2種類が主流です。
エジプト入国!いきなりの試練
エジプトの入国にはビザが必要だ。
といっても、出発前に日本で大使館に行って…
というようなかしこまったモノではなく、
エジプト入国時に、空港で購入し、
自分でパスポートに貼り付けるという手軽さだ。
しかも今回は、空港に迎えに来る旅行会社の人が、
ビザ手続きを代行してくれるんだから
まったく心配はない。
到着ゲートに入ると、たくさんの旅行会社の人々が、
自分の客を今か今かと待ち構えていた。
「●●ツアーの方~!」
「○○さーん、××さーん!」
と、手に紙を持ち、手を振り、背伸びし、
自分の客を探し当てた各社のスタッフは
テキパキと手続きを終えると、
溢れかえらんばかりにいた観光客たちと供に
あっという間に入国審査カウンターの向こうへと
消えていった。
ポツン…。
それでも、私たち2人は、そこに立っていた。
なぜ?
なんで?
どうしてー?!
理由もわからなければ、どうしていいのかもわからないけど、
私たちを迎えに来るはずの、
現地旅行会社“カルナック”のスタッフは、
そこに来ていなかった。
いきなりの衝撃の出来事に対する困惑と怒り、
そして、これからの6日間に起こるに違いない
各種トラブルに対する不安と期待が入り混じった
不思議な感覚に襲われた。
さすが、エジプト。
何が起こるかわからない。
一方で、そんな妙に感心した冷静な気持ちもあった。
とりあえず、自分でビザを購入して、入国審査しよう。
それからのことは、それからのこと。
実際問題、ビザ手続きも入国審査もめちゃくちゃ簡単で、
旅行会社に手伝ってもらうほどのことではなかった。
そして、
ん…? あれはもしや…
あーーーーーっっっ!
いた!いやがった!
入国審査を終えたバッゲージクレームの前に、
私たちの名前が書かれた紙をもった男。
待ち合わせ場所、そこと違うでしょ!
ビザ申請、代行することになってたでしょ!
そんなところで待ってる人、他にいないでしょ!
不安だったんだからねー!
それでも悪びれるようすもない、そいつの態度に
旅行会社“カルナック”に対して、チラとよぎった不信感。
この後、この不信感が、ふえーるワカメちゃんのごとく
増殖していくとは知らぬまま、
エジプト最初の夜は更けていった。
【プチ役立つ情報】
・カイロ空港のビザは、
到着ゲートに入って右奥の両替所風なところで買えます。
・代金は15$。
旅行会社に代行してもらうと、手数料取られて25$となります。
・買ったら、あとはツバでもつけて、
パスポートのハンコ押してもらいたいページに貼るだけです。
・ここで両替もできますが、レートが非常に悪かったです。(1LE=24円)
※同時期に旅行していた人は、1LE=21円で両替してました。
エジプト人、ハイテンションの予感
エジプトはイスラム教の国。
アルコールはご法度である。
そんなわけで、エジプト航空の機内でも、
アルコール類は一切出ない。
なのに、なのに…
なんなんすか、あなたはー!?
通路を挟んで左側に座ったエジプト人のオッチャン、
とにかく、うるさい。
テンション、めちゃ高い。
その、しらふとは思えないうるささときたら、
離陸時には、向かいに座ったスチュワーデスと延々と話し続け、
一人になったらなったで、口笛は吹く、鼻歌は歌う、
おとなしく映画を観始めたと思ったら、
イヤホンから大音量の音漏れ…。
「寝たら寝たで、イビキうるさかったりね」
なんて冗談交じりで、
今回の旅の友、U子ちゃんと話していたら、
“グガゴゴゴー…ッ”
予想的中かよっ!
ついに成田からカイロまでの13時間、
機内に静寂が訪れることはなかった。
うーむ…どうやらエジプト人は、
長い歴史の中で、アルコールに頼らずとも、
自分のテンションを極限まで高める術を身につけたようだ。
この先、何人ものハイテンション・エジプト人と
対峙することになろうとは、いざ知らず、
飛行機は、深夜のカイロ空港に着陸したのだった。