3年までは、楽しいことしかしなかった。ただただ先輩が好きで、一緒に自主練したり飯食ったりウエイトしたり、それで技術は伸びていたし、十分だと思っていた。
実際、周りを巻き込むことは1番苦手だった。
「辞めたい」と言ったやつには「もう一緒にやりたくねえ」「辞めちまえ」と言った。
なんでそんなやつをとめるのかわからなかったし面倒くさかった。それをやるのは他のやつの役目で、おれの役目ではないとさえ思っていた。
誰も誘わず朝一で来て、1人でゴール組み立てて1人でシュート打って、周りと差をつけようとしていた。
ぜんっぜん違う。
全員でとめて、全員で練習して、全員で周りを変えるからこそ、チームが強くなる。個人も1人でやるより伸びる。
けんしょうは最初から気づいていた。思えば、翔太郎さんも亮麻さんも筒井さんも、最初から気づいていたように見えた。どう考えてもすげーわこの人たちは。
『一丸』
『全員で闘う』
この1年それがどんなことよりもかっこよく、楽しく、そして何より「勝ち」に近いと気づき、それを信じてラクロスしてきた。
おそらく、今年が1番伸びた。
だがしかし、もっと早く気づいていればもっと伸びたし、今でさえまだ伸びると感じている。
1人で自主練してるやつ、1人でビデオ見てるやつ、1人で伸び悩んでるやつ、
最初は1人誘うだけでもいい。1人に相談するだけでもいい。何かを変えてみろ。
変えないと、おれ止まりだぞ。一部残留止まりだ。
これは、おれら4年の願いでもある。
本当の『一丸』で、FINAL4で勝ってくれ。全日で勝ってくれ。
おれらはこの1年で、本当の『一丸』でやり続けたチームは、本当に強いと確信した。
が、おれらはそうなれなかった。足りなかった。から負けた。
最後に早稲田に勝って、『一丸』の強さを証明してやる。
おれらが残せる最後のもの。
これがおれらの最後の野望。
全員で勝つぞ。
4年についてこい!!!!