困難な研究を成功裏に進められた、とか、
絶体絶命のピンチに陥った事業をうまく立て直せた、
といった経験を検証してみると、
たまたま読んだ本にいいヒントが載っていた、とか
会議で隣に座った人がキーパーソンの親友だった、等、
“たまたま”、“偶然に”が起きていたという話が、
結構な確率で出て来ます。
これらの事柄を単なる偶然と捉えるのでなく、
環境が発している“メッセージ”を無意識がキャッチし、
その情報が“ヒント満載の本”に手を伸ばさせたり、
キーパーソンの隣の席に自分を導いてくれたりする、
つまり環境から届けられているメッセージに沿った
行動を導いてくれる、と、
そんな解釈ができるのだと思います。
いわゆるセレンディピティ―とか
シンクロニシティーと言われる様な現象ですが、
こういう話は神話や物語の世界では頻繁に出てくる、
というか、
それ抜きでは話が成り立たなくなる様なものです。
『英雄の旅』を
自律や成長のツールとして活用しようとする際に、
こうした環境から届けられているメッセージを捉え
その意味を解釈することがとても重要です。
何らかのメッセージが届いた際に、
その意味が俄かには分からないものであっても、
素通りすることなく受け止め、
メッセージされている事柄の
意味を探求しなければなりません。
事態の展開、人との出会い、新たな課題の発生、
トラブル、失敗、経験者の助言、等
こうした出来事すべてがメッセージです。
それらの出来事が、
先のブログでお伝えした①~⑤を展開させていく中で、
どの様な意味を持っているのか、
その探求が大事なわけです。
ある研究のための実験をやっていたら、
おかしなデータが出て来た。
変だな、と思ってよくよく見ると、
間違った試薬を使っているではないか。
何という事! ああ大失敗!! と落ちこんだ。
ただこの研究者はおかしなデータを素通りせず、
何故そんなデータが出て来たのかを調べていった。
調べた結果、世界がビックリの大発見に繋がった。
2002年にノーベル化学賞を受賞した
田中耕一さんの話です。
全ての出来事には意味がある。
何故ならば、
環境が必ずメッセージを送ってくれているから。
だから出来事の意味を考えなければいけない。
それが、ここで採っている世界観です。
送られたメッセージの意味を捉えられるかどうかで
差異が生まれてくる、という考え方です。
そうは言っても、意味を捉えるなど雲をつかむ様な話で
何をどう捉えて、意味に繋げていけばいいのか、
このままではちょっと見当もつきません。
次回はこの、意味を捉える方法について書きます。