物語型メッセージを導く5つの問い(3) | チエでつながる, ワザでつながる、ココロでつながる、価値を生みだす           ~ 物語思考が世界をかえる

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この世に生まれて間もなく、人は「ものがたり」と出会い、そこで広い世界とのつながりを作ります。このblogでは、「ものがたり」と共にある人の可能性を探求していきます。

 

前回、前々回では、

組織でしばしば耳にする

「科学・実証モード」のメッセージを

「物語モード」に言い替えていく方法を

お伝えしました。

 

無機的・機械的な元のメッセージを

人間の生き方や価値観につながる

話に変換するのは、相応の創造性、

そして工夫と熱意が求められます。

 

この工夫や創造性を喚起させる補助線として、

ここで3つポイントをあげて

説明を加えておきたいと思います。

 

ポイントの一つ目は、

聞き手の価値観や理想像に迫ることです。

 

聞き手が大事にしたいこと、

守りたいだろうこと、

実現できればきっと

嬉しくなれるであろうこと、を捉えて、

ストーリーが、

そこを目指す様に方向付けていきます。

 

その為には、

聞き手に関しての情報収集が不可欠です。

普段から本人の行動特性、言動、反応を観察し、

イメージを持っておくことが大切になります。

 

二つ目は、適切な対義語を見出すことです。

聞き手が今いる(変わり映えの無い)

“そっち”の世界から

こうなったらいいなあー、素敵だなあー、

と思う、

つまり、よりよい未来へとつながる

“こっち”の世界へ。

 

この“そっち”から“こっち”への変化の

イメージが湧いてくる対義語が見つかると、

“こっち”へおいでよ、という

語りかけのインパクトが生まれてきます。

 

三つ目は、

“類推”を引き出す先行ストーリーの発掘、

そして活用です。

 

先行ストーリーは、

聞き手が直面する課題状況と

状況的に“同様”と感じられる

文脈と筋を持っている必要があります。

 

その話を聞いた聞き手が、現在の自分を

登場するキャラクターに重ねて

共感が引き起こされることが肝要です。

 

語り手の体験談、社長の成功譚、歴史上の有名人等。

その人物のイメージが具体的に浮かぶ存在であるほど、

話のインパクトは高まります。

 

5つの問いへの回答と

上の3点を頭に置いて聞き手の顔を浮かべ、

彼(女)に語りかける状況をイメージすることで、

メッセージの形は徐々に出来てくると思います。

 

当たり前ではありますが、

聞き手に刺さるメッセージにするには、

“中身”が重要です。

 

中身の精度を上げる為には、

聞き手に関しての情報収集が不可欠であり、

いい情報を得る為の、

普段のコミュニケーションの質が

問われることになります。

 

先行ストーリーも、

良質なものを豊富にストック出来ているほど、

多様な場面での発信が可能になります。

 

となれば普段から、

周囲の人の体験談等を聞く聞き方も、

これまでと違ったものに

なるのではないでしょうか。

 

関係の質に変化が起きてくる訳です。

 

このように考えていくと、

「物語モード」での発信とは、

働き方、他者との関わり方、関係の結び方から

変えていくことを迫る自己変革プロセスだと、

言うことも出来るのだと思います。