グループ・サウンズを意識して制作された楽曲らしいのですが、実態はその雰囲気を残しつつもゴリゴリのロックチューンとなっています。
個人的にはドラムがメチャクチャ格好良いと思います♬
元々大好きな曲なんですが、久しぶりにヘビロテしてみると改めて詞もメロディーも抜群だと感動すら覚えますww
隠れた名曲とはまさにこのこと‼︎‼︎
そのうえ忘れかけていた大切な気持ちを呼び起こしてくれました。
タイトルの long time no see は "久しぶり" という意味で、文字通り再会の描写から始まります。
『久しぶりだね 元気にしてたかい? ちょいとはずかしい それがまた刺激
ズバッと顔を 見つめられない でもね もう1回 1から 始められてうれしい』しかし具体的な再会の描写は冒頭のこのフレーズのみ。
さらに人称代名詞がない主人公のひとり語り調になっているので、再会の対象となる人物像は不明です。
とは言うもののこの後話は男女関係を示唆するような展開になっていきますので、基本的にはカップルの設定と考えて良いと思います。
カップルの話をベースにしつつ言葉巧みにさり気なく窓口を広げていった印象です。
さてさて。
本詞最注目のフレーズはなんといってもコレ‼︎
きっと皆さんだってそうでしょう?ww
『ハンパに自信がついてきたとこで ゼンギ運動もすっぽかしだした』
わざわざ辞書まで使っていちいちしっかり調べることなんかなかった言葉なので、もしかしたら別の意味もあるのかなー?…なんて一応保険を考えていたんですけどね(汗)
無理(爆笑)
皆さんが思っている通りの意味しかありませんでした‼︎
「ゼンギ運動」とは前戯運動のこと(笑)
知らない人は自分で調べてみましょう♬
あえて漢字で表記しなかったのが実に作者らしいと言えますが手口がいやらしいとも言えますww
男女の考え方にかなり差がある行為なので是非は問えませんが、完全に男目線の言い分だということはわかります。
したがって主人公は男になりますね(当然か?笑)
稲葉エロ語録が激減していた頃の作品なので、久しぶりのエロスにばかりに目がいきがちになりますが、「ゼンギ運動」はあくまで導入となる表現でしかありません。
続くフレーズこそが本題となります。
『たいして何もわかっちゃいないのに うっかり 自惚れてると大ケガして泣くよ』
前述した「ゼンギ運動」から続けて考えると別の意味で非常に耳が痛い言葉ですが、このワンフレーズ単体で考えると作者が本当に伝えたい人生訓がハッキリとわかります。
本詞の正体は慣れてきた時が一番危ないという定番の教訓を歌っているだけなんですね♬
しかしこれは特筆すべき点です。
言っていることはお堅いド定番の教訓なのにたったひと言「ゼンギ運動」と入れただけで一気に砕けた表現に変わります。
砕けた表現というのもちょっとな…理性的なテーマが俗っぽい印象に変わる?
まぁそんな感じですww
実際作者の誘導に見事に引っかかった私たちは思惑通りエロ方向へと想像してゆきます。
たったひと言でこうも劇的に印象が変わるものかとただただ感心しかありません。
しかもこの効果は最後まで続きます。
『もう会えないかもしれないよ もうヤレないかもしれないよ』
普通に考えたら「ヤレない」って表現出来る行動なんか沢山あるはずです。
しかし「ゼンギ運動」で作者の誘導にまんまと引っかかった私たちには、もうその行為しか考えられなくなっているんですね(爆笑)
…あれ?…まさか私だけってことはないですよね(汗)?
要するに『昨日の今日でも 10年ぶりでも 初心を忘れず』という思いとか『あくまで ビギナーでいるくらいの 心意気』を性行為と結びつけた作者の着眼点と発想とそれを言語化できる語彙力が抜群に素晴らしい作品だということです🎶
だけど本詞の凄さはこれで終わりじゃないと思うんですよね。
このまますんなり終わってくれたらただエロい曲という印象で終わるところを最後にこのフレーズで〆たことで、何となく真面目な印象に戻っているから驚きなんです。
『毎日会えるなら なおさらに はじらい忘れず 明日に向かって燃えつきる』
エロスを想起しそうな「はじらい」という言葉もありますが、さほど問題にはならないでしょう。
エロスよりも、毎日会えるからこそ手を抜いてはいけないんだな、と身が引き締まる思いになるから不思議なんですよね。
しかし終始一貫してエロ目線で終わることができるのも事実(笑)
このように本作品にはいろいろと凄いところがあるんですが、本当に凄いのは性行為を想起するような内容の詞に long time no see というタイトルをつけたことだと最終的に思うのでした☆
久しぶり=性行為って発想にはならないですから、普通は(爆笑)‼︎