さて2日目も私は朝一番からワークショップでの発表である。
セッションは今回の学会のテーマに沿った線維化、再生の内容である。
そこで、組織線維化の揉め事の歴史を話すことにした。
即ち、大会長が留学していたラボが2000年前後から提唱していた理論から始まり、私が留学していたラボが2010年頃から出したそれに対する反証の理論、そしてそれが今はコンセンサスとなっていること、更にはその当事者の研究者達が期せずして一同に介している希有な学会であることを説明した。
実際、その2つのラボはボストンで通りを挟んだビルに向かい合って位置しており、ああだ、こうだと言っていたのが懐かしい。
昼ご飯はこの学会の際に恒例行事として行っているボストン時代の留学仲間の同窓会である。時代も変わり、参加が叶わない人もいるが、初めましての人も含めて10人が集まった。
皆さん、偉くなっていて、学会内での役割を持っている人も多く、私も頑張らないと、と改めて思う。
そして午後からはドイツ人とアメリカ人のTalkがある。
開始5分前に会場に行くと、二人並んで偉そうに座っている。
4年ぶりに会うが、二人とも少し太っていて、少し老けた印象。
声をかけると、『知ってる人間が来たー』という感じで、うれしそう。
『おー久しぶり、少し太ったな-』とおなかをさすると、『くまきちは少し若返ったんじゃないか』と、うれしいお言葉。
周りもえらい親しげやなー、といぶかしがる。
発表は二人とも本当に壮大な仕事をしていて、すごいなー、と感慨深いものがある。
そして英語が早い。
昨夕の香港人との食事会で、英語もぼちぼちかと思っていたが、Nativeになると早い。ドイツ人の英語は、昔は聞き取れていたが、今は難しい。こちらの耳も衰えているようだ。
そしてそのセッションが終わり、『良かったよ、じゃあまた後で』と二人とは別れた後に参加した次のセッションもまた英語であり、留学していたラボとは再生の分野で揉めていたボスのTalkである。
我々の理論とは異なる理論を変わらず述べている。
質疑があったので、我々の理論に関して水を向けてみるが、取り合う様子はない印象。
そしてそのセッションも終わり、夕食へと向かうこととなった。