■トヨタなど６社過去最高、新興国で現地化進む
国内乗用車８社は25日、2012年上期（１～６月）の国内生産・販売・
輸出実績（速報値）をまとめた。
海外での現地生産の拡大を反映し、トヨタ自動車、日産自動車、
ホンダなど６社の海外生産台数が軒並み過去最高となった。
国内生産台数は東日本大震災の影響で11年上期に減産した反動で
前年同期より５割増えた。
上期の海外生産の合計は前年同期比27.9％増の795万2668台。
中国で落ち込んだマツダを除く７社が前年同期を上回った。
トヨタの海外生産は43.3％増の275万7047台。
リーマン・ショック前の08年上期を上回り、
下期を含めた半期としても過去最高だった。
米ケンタッキー工場で主力セダン「カムリ」の生産台数を倍増。
北米生産が７割増となり、けん引した。
日産の海外生産は16.5％増の197万4785台となり、
上期では３年連続で過去最高を更新した。
中国・広州市の第２工場が稼働し、小型車「ティーダ」を増産しているほか、
メキシコやインド、タイなど新興国を中心に生産台数を増やした。
ホンダは52.0％増となり、これまで最高だった07年上期を上回った。
昨秋に米インディアナ工場の人員を２千人に倍増し、
セダン「シビック」を増産するなどして北米での生産が75％増えた。
スズキとダイハツ、富士重工業はいずれも３年連続で前年同期を上回り、
過去最高となった。
国内生産台数の合計は53.0％増の498万7886台。
震災の影響で昨年上期に減産したり、操業を一時休止したりした反動で増加。
三菱自動車を除く７社が前年同期を上回った。
トヨタは76.7％増の186万9017台。
ホンダは軽自動車「Ｎ ＢＯＸ」の好調もあり、2.2倍の58万7217台だった。
ただ、各社ともに輸出から海外の現地生産にシフトしており、
国内生産の水準は過去のピークには届かない。
トヨタは08年上期、ホンダは02年上期の生産台数をいずれも13～14％下回った。
円高が長期化するなか、国内生産の回復は今後頭打ちとなり、
海外生産が伸びる傾向が強まりそうだ。
日本経済新聞・電子版
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