弓道を始めたのは43才5月から

 

小学生のころ、

古い竹刀の竹を使って「弓」を作り

枯れた雑草を削って「矢」を作り

べニア板の的に向かって弓を引いて遊んでいた。

今考えると、メッチャ危険な遊びなので弓矢の作り方の披露は控えます

 

ただ、この遊びはとても楽しくてとても印象に残っていたのですが

私の通っていた学校に「弓道部」は存在せず・・・

 

小さいころの気持ちと、年齢を重ねて自分自身が成長したい気持ちで読んでいた本

新渡戸稲造さんが書いた「武士道」には

義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義という7つの徳

 

義=正義、人として必ず守らなければならない道

勇=何事にも動じない精神

仁=他者を思いやる心

礼=他を思いやる心が外へ表れたもの

誠=言ったことを成す

名誉=人間の尊厳

忠義=自分を犠牲にして主君に仕える

 

弓道は的にどれだけ中ったかのみを競う大会と

体配(身の構えや作法)と的に中ったか競う大会があり

相手と対峙して行うことはなく、すべてにおいて自己責任の競技です。

 

ここに「武士道」の世界が体感できるのではと言う思いがあり

たまたま見ていた、チラシに弓道教室の文字を見つけたとき

すぐに見学の電話を入れ教室に入会しました。

 

 

私の所属する協会の先生は体配(身の構えや作法)をしっかり教えてくれる方で

初心者のころは分からなかったのですが、大会や審査で色々な方の体配・射技を

見る機会が増えて、最近ようやくこの先生自身の体配の素晴らしさに

気づくことが出来ました。

そのおかげで自分自身も1年半程でで二段まで昇段する事ができました

 

二年目に三段の審査にも挑戦しました。

弓道三段の審査合格基準は

「射形定まり、体配落着き、気息整って、射術の運用法に従い、

矢飛び直く、的中やや確実な者」

とあり、体配がしっかりできて射形も良くて2本に1本位中ててください

と言う意味合いです。

 

審査の際の私は体配は落ち着いて出来たのですが、残念(2本ともに外れ)と言う結果で

落ちたな・・と思い退場し案の定結果は「不合格」でした。

 

ただそれ以上に気になったのは、私は大前で結構落ち着いていたので

審査員の先生方の様子も感じていたのですが、1本目の際には審査するぞって言う

審査員の気持ちを感じたのですが、2本目は興味が無くなった感じがしたのです。

何故だろうと思いながら、終了時の審査全体の講評(理由などを述べながら批評を加えること)

に参加すると、三段はどちらか1本でも「正しい弓返りしないとご合格させません」との事。

 

昔は三段では弓返りしなくても合格したと聞いていたのですが

私は弓返りしたことがなく、先生方は1本目を見て弓返りする可能性がないと見抜き

2本目は見るまでもないと言う感じで興味を失ったのだと納得しました。

 

弓返りとは「矢を射放した余勢で弦(つる)が肘(ひじ)の外側に回ること。」で

私は強く握っている事が原因で弓返りしていませんでした。

だんだんと力が抜けて自然と弓返りする様になると言われるのですが

 

この時点で弓道を始めて2年経過しており自然と弓返りする気が全くしなかったので

弓返り特訓する事にしました、来る日も来る日も弓返りしないし1本も中らない日もしょっちゅう

今は中りを捨ててでも弓返りは一回会得できれば一生モノと思い練習し

1ヶ月経過したころに初めて弓が回りました!その後は回ったり・回らなかったりし

2ヶ月くらい経った頃には殆ど「弓返り」する様になりました。

 

 

弓返りしなくて悩んでいる方は沢山いると思いますが、私は素振り(素引き)で弓返りの

感覚をつかむ練習が一番良かったように思います。

 

 

 

ただ「弓返り」は会得したのですが、この後全然中らなくなってしまったのです

的中率良くて3割・だいたい1割、試合に出ても残念か1本の日々が続き

そのうえ、手を頻繁に打つ様になりました。

私は体配と弓返りを一生懸命やっており「射技」は殆ど自己流でした。

 

審査の時期は過ぎてしまい冬の「千射会(約3か月で1,000本引く)」で射数を

掛けて何かヒントをつかめないかと考えたのです。

千射引くためには私の練習回数では1回35-40本引かなければならず

普段20本ほどしか引いていないことを考えると単純に倍近く引く必要があります。

 

ひたすら三重十文字・水平・平行を意識し、指導頂いた事は出来る限り実施し

射法八節の図解のオジサンを何回も確認し、手は打っても、外れても

射形を正しく保つ様に千射やり遂げました恐らく100本も的中してないんだよなー

矢所バラバラ・手は払いまくる

 

弓道は中りだけでは無いと思うけど、千射会を含めこの一年の的中率の低さ

手を払う腕のアザ見て情けなくなる日々でしたが・・・・

 

1年掛かりましたが、最近ようやく手を打つことはなくなりした

原因は大三の時の引きすぎと動きだったと思います。

射率は5割近くなり、「離れ」が決まれば射率高いことも分かってきました。

 

弓返りと2本の内1本中てる条件はようやくクリア出来そうなので

今年の秋の審査は「三段」目指して修練したいと思います。

 

審査は独特のムードなので緊張するのですが、これ以上今の力は出せませんって所

まで練習すると緊張感が楽しくなるのでそこまで行きたいと思います。

 

(弓道歴3年・二段)