小林幹BのJ1見聞録 第139話 『暦の上でもDecember』 | バス小瀬 (バス小瀬新聞)

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第138話  『暦の上でもDecember』

 激動のシーズンも遂に最終節を迎え、試合後には激動の年末に突入する。今年限りでチームを去る者、プレイヤー人生に別れを告げる者たちの発表も徐々に行われるこの時期は一年間のまとめに取り掛かる前にどうしても一年間に浸ってしまう。そうこうしているうちに師走も早くも1週間だ。

 

 

   さらぬ別れ。毎年のことながら切ないものではあるが、切ないけれども毎年のことだから乗り越えていかねばならない、それがサポーターの道なのか。選手たちと同じ時、同じ空間で重ねてきた想いを少しずつ少しずつ自分の中に収納しながら…残念ながらこればっかりは断捨離できそうにない。チームが消滅する危機を経験した者であればなおさらではないだろうか。

 

 

     喜怒哀楽と紆余曲折の9ヶ月を経てたどり着いた最終戦。これまで『来期はJ1』や『来期こそJ1』の経験はあるが『来期もJ1』の最終節をホームで迎えるのはJリーグ加入15年目にして初めてのことだが、その最終戦の対戦相手がサガン鳥栖ということでまた感慨に浸るのも今回に限っては『あり』だろう。かつては鳥栖と甲府が水戸ホーリーホックとともに『J3』などと揶喩されていた時代もあったが、巳歳が一周する間にJ2のお荷物だった両チームはJ1の伏兵ぐらいの存在になることができた。今日の対戦は通知表の見せっこのようなものだろうか。

 

 

  なかなか勝てない相手・サガン鳥栖。現時点でも些か水を開けられている感は否めないが、スタイルを作り上げながら2011年を勝ち抜き2012年を闘った鳥栖と生き延びることそのものがスタイルであった今年の甲府では土俵が違ったと言えなくもない。大切なのはここからどうやって鳥栖に追いつくかであろう。まずは今日、2013年の最終戦であると同時に2014年の『第0戦』でもある対戦で差を縮めておきたい。

 

 

   12年前も、そしてこれからも、サガン鳥栖と戦友であり続けるために。

 

【2013年12月7日 バス小瀬新聞 サガン鳥栖戦号より】