クラナド。ハリーズ・ゲームのテーマを聴きながらできたショートショート -別離-
彼は旅立つ猫だった。
死ぬる場所を探して旅をする。
着いた場所は果てのない荒野と星の縁が見える崖の上。
彼は腰を下ろして、目を細め、大地を愛でる。
風が、唸っていた。
空が、突き抜けていた。
ここでいいと思った。
地平線に紅の日が沈む。
こうべを垂らす彼の影が、ますます濃くなり夜へと溶けた。
最後に浮かべたのは薄い微笑み。
夜空には蒼白の三日月が浮かんでいた。
- グラナド
- 妖精のレジェンド~ベスト・オブ・グラナド
白馬の……
きまぐれにこんなものを撮ってみた。
彼(?)の名は草履大将というらしい。
草履なのに自ら走らず、馬に乗る、現代人顔負けのなまけものである。
それとも、よほど急いでいるのか。馬の目も血走っているし、おそらく後者なのだろう。
それなら、そんなに急いでどこに行くのか。
私が思うに、相方がピンチなのだ。いくら大将といえど、しょせんは草履。片方だけでは履いてもらえない。きっと今ごろ、相方は隣のブーツやスニーカーが履かれるのを、寂しげに見つめているはずだ。
だから、大将は駆ける。対であるもう一つの草履を助けるために。
友情である。メロスである。だから背景は夕日なのである。
そうやってこの画像は出来上がりました。
嘘です。
あとづけです。たまたまあった画像に合わせて、即興で作った話です。
だって、久しぶりに左下のジャンルランキング見たら、1000位を超えているんですもん。
よくもまぁ、こんな更新もままならぬどころか、雑文だらけのブログに来る人がいるなと。そんな奇特な人には、白馬の王子ならぬ、白馬の草履がお礼にいくよと、そういうわけです。
たまたまとはいえ、なんでこんな画像を作り、残しているのか、自分でも不思議なのですが、あなたのひまがつぶれてくれるなら、ささいなことです。
あっ、それと。ないとは思いますが、万が一、玄関に片側の草履がありましたら、ちゃんと隠しといて下さい。じゃないと履くまで、大将、帰ってくれませんよ(笑)
粋な日本映画
映画のレビューなど書いたことないが、小銭欲しさに書いてみる。
タイトルはロボットコンテストの略で『ロボコン』。
これがまたタイトルとは裏腹に地味な映画だった。
だが、地味でありながらも芯はしっかり通っている。
内容は全国各地の工業高校の生徒が、手作りロボットの機能を競うというもの。
工業高校と聞くと、男の集団を想像してしまうものだが、まったく女性がいないわけでもない。主人公に扮するのはそんな貴重(?)な工業高校の女子高生。長澤まさみである。他にも小栗旬や伊藤淳史といったブレイクする前の若い俳優が結構出ている。
彼女の通う工業高校にもロボットを作る部があり、ひょんなことから彼女はその部の操縦者になってしまう。飛び入りでロボット操縦者が決まってしまう部なのだから、もちろん弱小である。
しかし、そこは娯楽作品。なんだかんだいいつつも、部員の一人一人が成長、『動けるロボット』を作っていく。その過程が実になめらかで、いつの間にやら見入ってしまう。偏屈な設計者、口下手な部長にお調子者の幽霊部員。そして不器用な操縦者。派手なアクションなどまったくない映画だが、彼らの変わるさまは現実感があり、最後には思わず微笑んでしまうことだろう。
何より随所に散りばめられたささやかな笑いには、日本人の『粋』を感じられること請け合いだ。顧問の教師や、強豪チームのリーダー。脇役だからこそ出せる魅力を彼らは見事に伝えてくれる。
ハリウッド作品の合間にこの映画で一息入れれば、見終わる頃にはあなたも粋な観客になっているかもしれない。
- 東宝
- ロボコン
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夜の声
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おやすみ。そして、さようなら
声も、音もない雪原にガラスの柩が月明かりに照らされ一つ。
柩はその身を雪が埋めるのを待っている。
長き眠りにつく訳は言葉の紡ぎがずれたせい? 離れた時が長過ぎたせい?
答えは既に過去と言う名の闇の中。取りに行くのは遅過ぎる。冬がそこまで来てるから。
瞼が重みを増してきた。
MARY、今度の別れは長くなりそうだ。
最後に優しく笑って見せて。 D男爵
涙が溢れてきて
あなたの優しい眼差しが、うまく見えないの。
喉に何かがつまっていて
言葉が、音にならないの。
あなたの瞼が静かに閉じた後、
私の身体をあなたの肉体に重ねて
背に積もってゆく冷たい雪の感触を確かめながら
幸福な夢を見ることでしょう。
あなたと過ごした僅かな時間を
永遠に続く闇と共に
柩の中に閉じ込めてしまいましょう。 MARY
二つの童話を織り交ぜて
D男爵
先刻の約束通り、茨に包まれ眠る貴方を起こしにやって参りました。
さぁ、再び月が満ちて欠けるまで至福の時を過ごそうではありませんか。
今宵、貴方に送るは水の漂うオルゴール。
耳を澄まして下さい。弾ける泡の奏でる悲恋歌が聞こえて来るはずです。
遠い昔、恋でその身を溶かしてしまった哀れな人魚の歌が。
いつの世も恋の行き先は無限に広がっているけども、哀しみだけが持つ美しさを貴方はどの様に受け止めるのでしょう。
MARY
なんて美しく
そして哀しい音色なのでしょう。
あなたの愛が織り込まれたメロディを
わたくしは永遠に聴いていたい。
あの月が少しずつ欠けて
そして姿を消してしまったら
あなたはまた、わたくしのもとから
去ってしまわれるのですね。
あなたがいなくなってしまう前に
わたくしは海の泡となりましょう。
あなたの心の中に
永遠に生き続けていられるように・・
忘れないで
D男爵
愛が欲しいと貴方の落とした涙のつららが私の左胸を突き刺します。
どうか、凍えるのをお止めになって下さい。
闇の衣を纏う私は熱き炎を持ち得てはいないのです。
せめてできるは掟を破り、影から影へ潜り込み、貴方の元を訪れる事ぐらい。
私達は互いに闇を住処と決めた者。孤独を嫌えど、孤独なしでは生きられぬ者。
満月は限られた時の中で浮ぶからこそ美しいのです。
しかし、どうやら私は満月の時を早めに見誤ってしまったようですね。
姿は見えずとも月は昼間も浮いている。
今度こそ、私の温もりが貴方の外から内へと沈んで留まるように、強く強く貴方を抱き締めましょう。
あたかも舞い散る枯葉が冷えた大地を抱きかかえるように。
忘れないでMARY、私が貴方を慕っていることを……
MARY
あなたの胸を突き刺すくらいなら
その氷の柱で
私の胸を貫いてしまいたい。
あなたの真実の愛を
永遠のものとする為に。
移ろいやすい人間の心は
いつしか私を冷たく凍らせて
頑なに孤独を愛するよりほかに
術をなくしてしまったのです。
あなたの言葉を信じて
ただ一人
その想いを抱いて眠ります。
目覚めの時を忘れてしまったら
どうかあなたの唇で
私を蘇らせてください・・・・
愛しき人
D男爵
あの日、貴方の小さな頭が触れたとき、蛍は丸い光を放つことができました。
欠けた月と欠けた月とが互いに光を分け合いできた、たった一夜の儚き望月。
私も貴方と続く闇を眺めていたいけれども、闇と光が共に歩くは世の定め。
蒼白の霧が朝を運んで来ます。
手の甲を差し出してください。時の始まりをキスに変えて刻みます。
それが同じ時を刻んだ頃、また会いに参ります。それでは。
MARY
今宵は、あなたのぬくもりを
私の躯が求めています。
心が、氷のように凍えていて
真実の愛を欲しています。
孤独を愛すると、
寒さが好きだと、
暗い闇の中が落ち着くと、
言葉だけが宙を舞って
枯葉のように、冷たい土の上に
落ちていきます。
あなたのキスが欲しい。
あなたの腕に抱かれたい。
そんな風に想うことは
いけないことなのでしょうか。
そちらに月は見えますか?
D男爵
今宵、闇に浮かぶは肩の欠けた月。完全なる円を描く満月より私はこちらを好みます。遠い昔、夜にかけらを落とした若き自分を見ているようで、淡い灯火が宿るからです。
小さき光は闇をより濃くいたします。
貴方の闇色も一層妖しさを増すことでしょう。
今夜は湖面に映る月を閉じ込めた白きワインを用意しました。乾杯しましょう。
一本の妖花とそれを照らす小さき蛍に。
MARY
D男爵殿・・・・・
なんて美しい言葉で、私を酔わせてくれるのかしら。
あなたのその吐息のような言葉だけで
くず折れるように酔ってしまったの。
わたくしも、あなた様と同じ月を見ていますわ。
幸薄い、わたくしの心を象ったような、
あの欠けた月を。
今宵は、あなた様の肩に少し寄りかかって
永遠に続く闇を眺めていたいわ。
今宵の闇は心地よく
D男爵
初訪問。
朽ち果て切れぬ魂で作られた古城に、妖しく爛れた色香を持つ美女が身を潜めていると伺い、曲刀の三日月に照らされ参上しました。
手土産に処女の血よりも赤いワインを一本。お気に召せばいいのですが・・・
喉の乾きを作るため、しばし踊って頂けますか?
MARY
D男爵・・・・。
ようやくここまで辿り着いてくれたのね。
待っていたわ。
わたくしには、わかるの。
その匂い、その体温・・・・。
わたくしがいくら求めても、
あなたは表の世界のお方。
この闇の城に足を踏み入れることなど、
決してないと思っていたわ。
さあ、踊りましょう。
わたくしたちの、出会いを祝して・・・

