おやすみ。そして、さようなら | ハザマランド

おやすみ。そして、さようなら

声も、音もない雪原にガラスの柩が月明かりに照らされ一つ。
柩はその身を雪が埋めるのを待っている。
長き眠りにつく訳は言葉の紡ぎがずれたせい? 離れた時が長過ぎたせい? 
答えは既に過去と言う名の闇の中。取りに行くのは遅過ぎる。冬がそこまで来てるから。
瞼が重みを増してきた。

MARY、今度の別れは長くなりそうだ。
最後に優しく笑って見せて。                          D男爵

 

涙が溢れてきて
あなたの優しい眼差しが、うまく見えないの。
喉に何かがつまっていて
言葉が、音にならないの。

あなたの瞼が静かに閉じた後、
私の身体をあなたの肉体に重ねて
背に積もってゆく冷たい雪の感触を確かめながら
幸福な夢を見ることでしょう。
あなたと過ごした僅かな時間を
永遠に続く闇と共に
柩の中に閉じ込めてしまいましょう。                      MARY