ハザマランド -19ページ目

夜、深く

 寝顔が好きだ。
 人ではなく、街の寝息を聞くのが好きだ。
 だからたまにこうして真夜中の散歩に出掛ける。あてもなく静寂の中を歩き回り、鈍い痛みを覚えた両足と共に潜り込むベットはいつもより暖かい。今夜は木を枯らす風が降りて来てるので、温もりはさらに増すことだろう。

 長いマフラーを二重に巻いて歩き続ける。
 三日月がとても綺麗に浮いている。
 夜が、音なく背後に抜けていく。
 独りだ。
 けれど話に聞くほど悪いものではない。
 息を深く吸い込んでゆっくりと吐き出していく。
 冬が、三日月の下で白く色づいて闇に溶けていった。

海面浮上

 なかなか寒くならないなぁ。
 そう思いながらベットに入ったら、雪を見たことのない少年の夢を見ました。
 少年は『ひゃっこい』感触を求めながら小船で旅をしているのですが、その頃の地球は温暖化がかなり進んでいて、近くにある島と遠くにある島が見えるだけ。それらはほんの数十年前まで山の頂きだった場所らしく、ときおり標高を記した太い杭が係船柱の代わりになっています。あとはもう見渡す限りの海原で、少年は抜けた青空の下で今日も釣り糸を垂らしている。
 そんな感じの夢でした。
 いつか気が向いたら小説にしようと思います。

 ちなみに係船柱というのは、港などにある雨靴をひっくり返したような形や茸の形をしているやつのことです。

二者面談

 おー、来たな。まぁ、座りなさい。どうした?キョロキョロして。いつもと変わらない教室だぞ。みんながいないのが気になるのか?安心しろ。別に怒るために呼び出したわけじゃないから。
 今日はな。お前にちょっと聞きたいことがあったんだ。ほら、前に話してくれたハザマランドってブログのことなんだけど、お前、今でもあのブログを閲覧してるのか?
 うんうん。最近また更新の数が減ってきて、小説もあまり書かなくなった。ブログとは別に投稿した掌編が本に載るから管理人は浮かれてる。それでサボるようになったとお前は怒ってるわけか。何?それだけじゃない。しまいには訪問は週一にしろなんて記事まで貼り付けて、お前を遠ざけているだって?いやいや、それはお前の考え過ぎだろう。
 先月の記事に長めの小説に挑戦していて、ブログを更新する時間がありませんと書いてたじゃないか。
 いや、実をいうとな。先生もそのブログ見てみたんだよ。なんだな。名前に狭間なんて付けてるだけあって、あのブログの管理人は幻想小説やら怪談やら不思議な物語をたくさん書いてるんだな。おもしろかったかって?う~ん。そうだな。まぁ、好きなものがあるってことはいいことだと思うぞ。
 それでな、ちょっと聞きたいんだけど、お前、これからもあのブログ閲覧するつもりなのか?
 そうか。ただでさえ、更新が少なくなって訪問者が減っているはずだから、自分だけでも閲覧してやらなきゃかわいそうか。えっ、本も買うつもりだって?けど、本が出るっていっても、あそこの管理人は百話のうちの一話だけしか書いてないんだろう?お前、月の小遣い500円っていってだじゃないか。三か月分だぞ。いいのか。
 うんって、お前……なんでそこまで気にかけてやるんだ。顔も知らない、無名の人間のブログだろう。
 えっ、暇だから?それだけの理由?
 ふんふん、なるほど。あそこの管理人の文章はまだまだ拙(つたな)いけれど、暇をつぶしたい、誰かを楽しませたい、そのことだけは忘れずに心がけている。
 だからお前はあのブログにアクセスするわけか。いや、まいった。先生、あんなつまらんブログ、どうせすぐ閉鎖するからもう止めろというつもりだったけど、お前がそこまでいうのなら、おもしろく化けるかどうか、先生も見届けることにする。
 そして、もしそのときが来たら、二人でコメントしてやろう。あそこのコメント欄はいつも閑古鳥が鳴いてるからな。

てのひら怪談 2 (←リンクはこちら)
てのひら怪談 2

秋もそろそろ終わりということで……

『十三夜月』


 2007年10月23日。午前1時15分。はれ。
 閉めたカーテンの向こうでガラスをたたく音がしたので、僕はふとんから出て、シャッとカーテンを開けました。そしたらそこにはいとこで同い年の健介が月の光の中でわらっていました。
「来たね」
 まどを開け、僕は言いました。いっしょに白い息が口から出てきて、僕は一週間前の大雨がふったあとにじいちゃんが言っていた寒くなるぞという言葉を思い出しました。じいちゃんはそのとき、雨や風は季節を運ぶとも言ってました。
「やくそくだからな」
 健介は言いました。でも健介の息は白くありませんでした。
「ちょっと上がってく? DSの新しいゲームかったんだ」
 僕が自分の部屋をふりかえって言うと、健介は首を二回ふり、
「いい、いい。早く行こうぜ」
と言って、僕の手をにぎりました。
 とっても冷たかったです。ぼくは外はやっぱり寒いんだなと思いました。お父さんとお母さんが起きたらやばいので、ぼくはまどの外にじゅんびしていたくつをはいて、にんじゃみたいに走りました。
 健介はとってもにんじゃのまねがうまくて、足音がまったくしません。すげーとぼくがいったら、健介はふふふとわらいました。
 ぼくたちのもくてき地は学校の運動場です。
 なぜかというと、9月25日におじいちゃんの家で十五夜のえんかいがあったとき、ぼくが健介にかけっこの果たし状を出したからです。ぼくは、いつもあと一歩というところで、健介に負けていたので、運動会の前に勝ちたいと思ってました。それをおじいちゃんにこっそり話したら、十三夜の月見のときに勝負したらいいとおしえてくれたのです。
「あれ、見える?」
「うん。見える」
 学校についたぼくと健介は百メートル走のスタートに立って、白いゴールをたしかめました。ゴールにはじいちゃんが立っています。
「よーい……」
 じいちゃんの声をあいずに、ぼくは息を思いっきりすいこみました。
「ドン!」
 ロケットダッシュです。健介はすぐとなりを走っていました。残り十メートル。健介の背中が飛び出てゴールしました。やっぱり健介ははやかったです。でも白いテープを切ったのはぼくだけでした。
「おじいちゃんの言うとおりだったね」
 ぼくがハアハア息を切らして言うと、おじいちゃんはまんまるじゃない月を見上げながら「ウム」とだけ言いました。
「バイバイ。健介」
 ぼくは月に向かって手をふりました。

助言

 小説が一段落ついて、今は友人の感想待ちである。
 これが実に的確な指摘をしてくるわけでで、毎回、怯えと楽しみの入り混じった複雑な感情で待つことになる。いつかこの読者を唸らせる作品を書き上げたいが、もうしばらくはかかりそうである。
 そんな状況なので、ブログ復活をあからさまに謳うわけにはいかない。かといって、更新してないブログに足を向けてくれる名もなき友人達を無下にもしたくない。
 そこで何かおもしろいことでも書こうと思うのだが、頭が小説モードになっているせいか、まったく何も浮かんでこない。加えて、普段からおもしろいことなど書いていないじゃないかなどと、幻聴までしてくる始末。そんなことはない。去年の今頃はそれはそれは楽しい記事を投稿していたはずだと、我がブログを開き、2006年10月をクリックしてみた。
 六つの記事を読み終わり、漏れ出た一言。
「……秋って、そういう季節だもんな」
 友人達よ。悪いことは言わない。ここに来るのは週一にするべきである。

襟正す

 気が付けばいつの間にやら半月が過ぎようとしている。俗に言う浦島太郎状態。
 ワタクシ、濃い時間を過ごしておりました。なにぶん普段が質素で平凡な薄い毎日ですので、短時間にいくつもの事柄が連続すると、魂が五分の四ほど体を離れてしまい、ブログを更新する余裕もありません。抜けかけた魂は文字通り夢の中。ワタクシ夢中になっておりました。
 だからと言って、書き上げた小説がおもしろいかどうかはまったくの別問題であります。夜に書いたラブレターよろしく、次の日に読み返して、あやうく悶死しかけるなんてしょっちゅうです。顔一面を燃え上がるほどに充血させて、「あぁ、人って恥ずかしさから死ぬことってあるかもな」などと悶え続けるわけです。でもそうしてのたうち回りながら、恥を感じられる自分を俯瞰して、まだいける、まだ大丈夫などとも思ってる。恥ずかしがることで、恥ずかしくない人間になりたいと思えるわけですから。
 そんなわけで今日から推敲への突入です。もう半月ほど記事更新は滞ると思われます。その間にここを訪れてくれている数少ない友人達が夢中となる何かを見つけられるといいなぁ。と、思ったり思わなかったり(思わないのはそれがワタクシの小説で叶えたいという個人的願望のよるものです)
 それではいつになく、真面目な文面でお別れとなります。
 11月に再び逢えることを願って。









 俺、こんなんも書けるんだぜぇ。

右に報告、左に営業。ワタクシ、軌道修正マン。

 おかしい。しばらくブログの更新が滞ることを宣言したにもかかわらず訪問者があまり減らない。これはなにかの陰謀だろうか。例えば、見守っていると見せかけて、実は見張っているというアプローチ。例えば、更新しないブログに来る事で、俺の善意(小心)を煽り、無理やり更新させようと狙ってる。あぁ、そうだとするなら、見事術中にはまっているぞ。やめて、助けて、脱がさないで…………………はい。お察しの通り、ワタクシ、大変疲れています。なかなか執筆の時間が取れず、取れたら取れたで思った以上に進まない。仕舞いにはこうして関係ない文にまで手を伸ばしている始末。いけません。いけませんよ。このままじゃ。軌道修正が必要です。
 そこでちょっとしたご報告。まずは下記のサイトをご覧ください。
http://blog.bk1.co.jp/genyo/archives/2007/09/post_1093.php
 知っている人は知っている。知らない人は先月(8月)の記事を読んで知ってくれると信じてる。そんなワタクシのもう一つの名前が見つけられます。
 一言で言えば、ズバリ
『ワタクシの名前の載った本が出る』というわけです。
 百分の一ですけれど。刊行は二ヶ月先ですけれど。
 しかし、そんなのは些細なことにすぎません。肝心なのは、これまでこんな闇とも光ともならぬブログを見つけて、読み続けたあなた。あなたには先見の明があったということなのです。たとえ今日が初見だとしても、ここまで読んでいる時点であなたの眼力をワタクシ、ひしひしと感じております。いやー、すごい。あなた編集者の才能があるんじゃないですか。出版社に就職、もしくは転職するべきですよ。そしてワタクシをベストセラー作家に育てて下さい。無理? そうですか。そうですよね。いきなりすぎますよね。それじゃ、まず12月刊行予定の『てのひら怪談2』を買うための貯金を始めましょうか。その間にワタクシはもっと長い文章でも通用する、あなたの目をもっと満足させる、もの書きを目指して修行を重ねますから。共によき物語への道を歩いて行きましょう。
 よし。これで再び執筆の意欲を掻き立てられた。つまりは
軌道修正完了である。


参考までに第一弾の書籍を張っておきます。


我妻 俊樹, 加門 七海
てのひら怪談―ビーケーワン怪談大賞傑作選

一息

 まずは更新するかしないかで悩む。前回の投稿からだいぶん日が経ってるので、この答えはすんなり出てくる。ごらんの通りだ。
 で、次に記事の内容で悩む。いつもの小説を書くか、近況などを少しいじって日記風に書くのか。今回はまぁ、後半ということになるだろう。
 それにしてもこのブログ。更新の数は減少傾向にあるものの、思った以上に続いているので自分のことながら、書くことが嫌いじゃなかったのだなぁ。と、渋面を作り感慨深げにふけてみたいする。筆力についてはあまり把握できていないが、更新が滞っているにもかかわらず、訪れる人達がいてくれたりするわけで、まったく駄目ということではないらしい。ただ、皆が揃って無口なので、その辺り微妙といえば微妙。「類は友を呼ぶ」なんて言葉が頭をよぎる。
 さて、そんな無口が高じて文面多弁を患ってしまった私だが、実は今、ちょっと長めの小説を書いている。完成したあかつきには投稿しようとも考えている。そういった訳で、もうしばらくは更新がご無沙汰してしまうことになると思う。ならなきゃまずい。
 それ、読んでみたいなぁ。
 なんて思いを伝えてくれる人がいたならば、執筆の力となるのだけれど、無口なあなたはきっと思うだけに留まると思われる。
 こうして架空の励ましを捏造し、私は執筆意欲を高めるのである。
 これが文面多弁病の代表的症状である。

おねだり

 コメントもペタもホントは欲しいけど、贅沢言っちゃあいけません。
 でも、このブログにもう一度ぐらい訪ねてもいいかなと思いましたら、そこの左にある広告バナーをポチッっと押してくれやしませんか?
 なに、そうしましたらここの主人にちょっとしたご褒美が入るって小耳にしたもんで、あなたさまの善意にあやかりたいなと、そう思いまして。
 へっ? わたくしですか。わたくしはその、あの、お手伝いさんというかしもべというか、けっしてここの作者がもうすぐ500ポイントに届きそうだから、一時しのぎで創ったキャラクターじゃありません。あはは、いやですよぉ。
 ん? 汗がすごいって? まだまだ残暑が厳しいですからねぇ。
 目が泳いでる? ここんとか視力が落ちてしまって、眼球運動を心がけてるです。
 何で後ずさりをするかって? そりゃあ、逃げるために決まってるだろう!!


 いやマジで、押してくれたら助かります。

てのひら怪談-西荻窪編-