野生動物の世界 マーチソン・フォールズ国立公園(ウガンダ) | ぶらり旅S

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戦後すぐの生まれ。灌漑、水資源、農業、発展途上国への技術協力などを中心に、大学で研究、教育をしてきて、現役を退きました。研究の周辺で、これまで経験したこと、考えたことを、今考えていることも含めて書いてみたい。

 ビクトリア湖を出た白ナイルは、北流してキョーガ湖に入り、さらに西流してアルバート湖に流入します。その直前の一帯は、マーチソン滝を中心とするマーチソン・フォールズ国立公園になっています。その面積は3,985 平方キロメートルあって、それはほぼ滋賀県全体の面積に相当するというから驚きです。この公園の中には人が全く住んでおらず、野生動物だけの世界になっています。

 

(国立公園の入り口はいくつかある。代表者が名前をノートに書いて、入場料を支払う。)

 

 ウガンダの国土面積は、ビクトリア湖の部分を除くと日本のほぼ半分しかないのに、これだけの面積を「開発」せず、ありのままの自然を保全するために残しておくのは大変なことでしょう。実際、公園の境界線のすぐ近くまで農業が行われていますから、この公園敷地に対しても、できれば農業や他の産業に使いたいという要求はあるはずです。

 ウガンダにはその他に何カ所も同様の国立公園があるのですから本当にすごい。近隣の国々、ケニア、タンザニア等も同様に広大な自然公園があることで有名ですが、このようにして保全された自然は、人類全体にとっての宝であり、このような大規模な公園の整備と管理には、既に国土全体の開発を行ってしまっている先進国が支援する必要があるのではないかと思いました。

(とにかく公園は広い。道の先にある向こうの丘も公園の内です。)


 ナイル川にあるマーチソン・フォールズは、連続したいくつかの滝によって構成されており、全体の落差は120mあります。写真(ナイル川クルーズ船から撮ったもの)にある滝(瀑布といった方がふさわしいかも知れません)は最後の滝で最も急なものです。42mの落差を毎秒350立方メートルの水が轟音とともに落ちている姿は圧巻です。この地点での白ナイルの水は、ビクトリア湖から流れ出たとき(前回に書いたようにきれいです)とは違って、多少濁っているようでした。

 


 (マーチソン・フォールズ。最も狭いところで6mの幅のところを落ちるとか。これで何万年?も浸食が進まないのだから余程硬い岩なのだろう。この衝撃で発生した水のあぶくがしばらくの間、下流に流れる。)

 

 白ナイルの水辺には、カバ、ナイルワニ、水鳥などが見られ、両岸の丘陵地に広がるサバンナには、キリン、ゾウ、バッファロー、イボイノシシ、シカ類、ライオンなどを見ることができました。サファリを案内してくれたガイドによると、ここでは乾期になると動物は涸れることのないナイル川の周辺に移動するのだそうです。

 

(魚を捕る鳥、その奥に巨大なナイルワニが横たわっているのが見えますか(右側が頭)。)

 

(カバの群れ。かわいい顔をしているけど、これがなかなかどう猛なんだと。)


 公園のサバンナでは、我々が乗って来たトヨタの四駆車でそのまま走ることができ、同乗してもらった経験豊かなガイドのおかげもあって様々な動物に出会うことができました。

 そういえば、高い木の葉をむしって食べたり、走ったりしているキリンなどはそれまで実際に見たことがなかったことに改めて気が付きました。目の前に立つキリンの身体は圧倒するように大きく、美しかったです。

(アフリカ象。良く、鳥が頭に乗っている。)

 

(キリン。キックと首パンチは強力らしい。)

 

(樹上で休むライオン。夜の狩にそなえてか。)