痛みについて | ALS記

ALS記

2023年2月13日に診断されて、現在進行中。とりあえず仕事は続けています。進行がとても遅い症例のようで、その状況を記録して発信していこうと考えています。

 先日届いた肺CTで「右第3〜5肋骨に陳旧性骨折」という記述があり、これは2月にマンホールで躓いて転倒した際に折れたものだと思われる。右側から落ちていて、右膝がズボンごと破けて大出血した一方で、咄嗟に突いた右掌は小さな血豆ができた程度だった。「膝が殆どの衝撃を受けたのかな」と思っていたものの、翌日から肋骨が痛んだ。

 

 どうやら、受け身を取れるタイミングを逸して胸部を路面に落としてしまったようだ。なので、右手を上げると物凄く痛かった。妻からは「整形外科に行け」と言われつつ、その当の妻が肋骨を折った時には「自然にくっつけるしかない」とか言われていたのを思い出して躊躇していた。そのまま3週間くらいしたら痛みも治まったので、多分それぐらいのタイミングで自然治癒したのだろう。

 

 痛みというと、若い頃にやった尿管結石が未だにトラウマになるほどだったので、それ以下だと冷静に対処できるようになった。あれは本当に痛くて、最終的にかなり強いモルヒネを打ってもらってやっと治まったほど。痛みで嘔吐するのはあれが最初で最後の体験だった。

 

 痛みに強い家系というのもあるかもしれない。母方の祖母は若い頃に「どうも痛い」と思いつつ医師にかからず小指の骨折を自分でくっつけたという。またこの人は心臓発作を最後まで周囲に悟らせずに、ある日亡骸で発見された。同じく母方の伯母は自転車の転倒で内側に曲がった前歯を、柱を噛んで元に戻したという。父親もある日マダニにがっちり背中に噛みつかれていたが、それを私にラジオペンチで引き抜かせた。肉の内側までえぐったのでかなり痛かったのではないかと思うが「頭を抜かないと怖い」と言って強引にほじらせた。何となく判るが、感染症を避けるために痛みをなかったことにしていたのだと思う。

 

 こういう先人の行動を見る限り、特別私が痛みに強いという訳ではないと思うのだが、医師からは「我慢しないでちゃんと言え」と言われているので難しい。足はほぼ毎晩攣っているけど、他人に言ったところで治まる訳じゃないし。