退院後 | ALS記

ALS記

2023年2月13日に診断されて、現在進行中。とりあえず仕事は続けています。進行がとても遅い症例のようで、その状況を記録して発信していこうと考えています。

 検査入院からのラジカット入院もようやく終わり。2月27日に最後の点滴を終えて慌ただしく退院。その後に会議があったものの、さすがにキャンセルしてその日はのんびり過ごさせてもらった。

 

 退院時の説明によると……

  • 通常の進行具合と比較すると、2021年7月頃からの発症と想定される。
  • 今年中にラジカットは経口になると思われる。
  • 飲み込み・呼吸で症状が出たら検査入院となる。
  • 胃瘻は積極的に行なっていく。これは人工呼吸の導入を遅らせるため。
  • 肺活量が50〜60%になると胃瘻手術は難しい。
  • 胃瘻を造設した場合、年2回の交換があり、その際はそれぞれ1週間入院。
  • 呼吸障害ではガス交換ができず意識障害状態になる。
  • 誤嚥を防ぐための気管切開は本人の意志による。3〜5年、長いと10年以上の延命効果がある。
  • ロボットスーツを使ったリハビリ、マイボイスなどがある。

とのことだった。その後3月17日に退院後の診察があり、そこでは以下の内容が伝えられた。

  • ALSの進行速度は一定。途中で状態がガクっと変わることがあるが、それはニューロン損傷が閾値を超えたために運動能力が一気に落ちたように見えるから。
  • 10年を超えての生存はほぼない。発症は自覚症状があった2019年12月だろう。
  • 気管切開しての呼吸器着装は個人の死生観に基づくが、胃瘻手術は基本的に受けてほしい。
 入院時の担当医と、退院後の担当医で発症時の認識に1.5年の乖離があるのが気になる。発症からの余命平均が3〜5年とすると、余命のリソースを割り振るマイルストーンがかなり違うなあと思った。
 
 その後4月に受診した後は診察が2ヶ月おきとなり、6月・8月・10月と受診。その間に握力・呼吸機能を計測したものの数値の落ちが見られなかったため、10月からは3ヶ月おきとなった。
 
 その一方で、2週間おきに実施されるラジカット点滴をどこで受けるかが入院中から懸案となっていた。これは妻の尽力と先方のご理解もあり、自宅近くのかかりつけ医で特例として実施してくれることになった。これには大変助けられた。月に10営業日に及ぶため、電車に乗って移動となると時間有給休暇を取らざるを得ない。しかし、自宅から徒歩10分かからないクリニックで1時間点滴を受けられるとなれば、昼休憩をそこに当てる形で乗り切れる(とはいえ、点滴中にもネットで連絡は入るけど。暇といえば暇なので対応はしていた)。
 
 この点滴体制は3〜5月まで続けられ、6月からは新しく出たラジカット懸濁液による自宅服用に切り替わった。薬瓶を振ったり蓋を開けたりシリンジに抽出したり、服用前は8時間の断食で服用後は1時間の断食という条件があるものの、点滴時間の縛りと留置針のキープがなくなったので格段に楽になった。