検査入院 | ALS記

ALS記

2023年2月13日に診断されて、現在進行中。とりあえず仕事は続けています。進行がとても遅い症例のようで、その状況を記録して発信していこうと考えています。

 入院初日に「2週間予定だがもしかすると延長になるかも」と言われて凹む。初日は触診と握力測定、歩行確認と採血だけだった。せっかく入院しているんだから、ガンガン調べて退院したいところだが、そんなに簡単なものではないっぽい。

 

 翌日は、頸部レントゲン、心電図、誘発脳波、肺機能検査。まあそこそこの密度。

 

 その翌日は筋電図と腰椎穿刺(名前が変に可愛らしい『ルンバール』)。腰椎穿刺はそれなりに痛かった。検査後は1時間全く動けないのだけど、「四肢が動かなくなったら、この状態が延々と続くのだろうな」と感慨深かったのを覚えている。頭痛と身体のだるさが後から来た。筋電図は左手の皮膚に電流を流して神経の反応を探るのだけど、「左の手首より先は全く電流が流れないので、神経がなくなっている」とのこと。

 

 検査と並行してリハビリという名目でマッサージしてもらったりしていたのだけど、その時に「神経がなくなった左手で指が動くのはなぜ?」と訊いたところ「上腕から肩の筋で動いているのではないか」とのことだった。そのため、手首から先の神経で動かす部分(親指・人差し指を外にそらすとか)はできなくなっているのだろう。

 

 で、翌日は脳波検査だけ、その次の日は頸部MRIだけという……。1日で1検査だけというのは寂しいものがある。

 

 そこから週を跨いで、肺機能検査を再度受ける。1回目は座って検査したが特に異常がなかったため、今度は仰向けになって調べるとのこと。こっちのほうが肺機能の劣化を計測しやすいらしい。でもこっちも異常なし。

 

 2月8日にRI(ラジオアイソトープ)の検査を受ける。放射性物質を体内に注入して、脳の血流を見るもの。狭いところは好きなのでMRIは全く気にならなかったが、この検査ではセンサーが顔の至近距離を高速で回転するのが怖かった(先端恐怖症なので)。放射性物質を最小限にするため、近い距離で計測するという。

 

 この日の夕方に担当医から、検査が明日の針筋電図で終わるということと、家族を交えた説明を行なってから退院との説明を受ける。この段階では、運動ニューロンのうち、上位に問題はなく下位に障害があるのでは、とのこと。下位ニューロンのみの障害だとするとSBMAになるのかなと思った。進行が緩やかなので、自身の症状に当てはまる。
 

 そして2月9日。

 

 針筋電図が痛かった。左手に3箇所、左足に2箇所、肩と背中に一箇所ずつ刺される。刺した後でぐいっと入れられつつ探られるのがつらい。今回の検査の中で一番のきつさ。足を調べている際に「運動をしていたか?」と尋ねられ、「特にしていなかったが通勤で1日6km以上歩いていたことがある」と答えた。担当医は所見を言っていなかったが、足と首を念入りに調べていた印象。今のところ足に異常がないのは筋肉量が多いためか。

 その後はほとんど検査もなく、13日に妻を呼んでの説明があり、ALSの告知を受ける。針筋電図で首の筋肉を見た際に、上位ニューロンに損傷が見られたとのこと。根本的な治療方法はなく、対症療法としてリルゾール・ラジカットがあるという。リルゾールは錠剤の経口投与だが、ラジカットは点滴のみ。しかも、初回の点滴は入院が必須なため、このまま2週間の入院延長を勧められる。

 

 ラジカット点滴は2週間おきに10日投入するそうだが、初回は14回連続で行なう。結局入院延長を選択して、仕事絡みの各所へ連絡。2月27日までなので、結局1ヶ月の入院になってしまった。