もう 朝は来ない
私が望んでいた朝が沈んでいく
地平線を目指し海を彷徨い
この手で迎えに行こうと決めた朝が
顔も出さずに沈んでいく
どこまで来たのだろう
見渡す限りに陸は無く
細切れの息継ぎには慣れてしまった
このまま体力が尽き
溺れて終わるのか
いっそあぶくになれたなら
ここに馴染めるのか
サカナ達は不審者を遠巻きに観察し
ヒソヒソと話しては去っていく
冷たい海には溶けることもできず
間髪入れず来る波に襲われる
奪われ続ける感情と体温を守ろうと
心とは裏腹に体は必死に生きようとしている
もういい
もういいよ
心はとうに諦観を持ち始めているのに
なぜ楽に諦めさせてくれないのか
体は朝を望んでいる
太陽に照らされた温かな海を望んでいる
心は終止符を望んでいる
もう頑張ったと理由を並べ
この渇きに期待に切望に
そして失望と絶望に
涙を流す時間を望んでいる