交差点を曲がった瞬間
私はあの夏とすれ違った
小学生のプールの授業
着替えるのも泳ぎが苦手なのも
恥ずかしかった
少しの憂鬱とそれを隠す緊張
いつもの授業と違う特別感
十数年ぶりの再会
胸がきゅっと締まる
高揚感か追憶か
鼓膜の向こうで声がする
あの子の声が
もう二度と会えない彼らの声が
言葉は聞き取れず
ただ声色だけはハッキリと
振り返ると何もいなかった
消えそうな晩夏が微笑むだけ
私は来年この街を出る
それを前に
最後に夏がくれたのか
いつか
いつか胸を張れるだろうか
彼らに
そしてあの時の私に
朧げな記憶と別れを告げ
晩夏に微笑み返し
胸の奥でつぶやいた
ありがとう
って