![人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら](https://stat.ameba.jp/user_images/20121208/14/bunocio/19/7f/j/o0322044812321039790.jpg?caw=800)
監督・脚本 ペドロ・アルモドバル
脚本 アグスティン・アルモドバル
原作 (蜘蛛の微笑)ティエリ・ジョンケ
撮影 ホセ・ルイス・アルカイネ
音楽 アルベルト・イグレシアス
出演 アントニオ・バンデラス、エレナ・アナヤ、マリサ・パレデス
2011年 スペイン
主人公の天才外科医が、自動車事故で大火傷を負った妻の体を元通りにしようと
人工皮膚の開発に取り組むが、自分の姿を見てしまった妻は自殺してしまう。
絶望の淵に立たされた男が次にとった行動は、誘拐してきた女性を実験台にして、
亡き妻を創りあげる事だった…
映画界のクィア理論者アルモドバルが、その究極の答えとして出した
荒唐無稽な変態映画は、誘拐された女の秘密を、6年前に戻る後半で
明らかにすることで、メロドラマをエロドラマに昇華させて、
エロスとタナトスが表裏一体であることを残酷までに描き切ります。
女性に対する賛歌を惜しまないアルモドバルですが、
自身が男性で生まれてきたことに対する嫌悪感は相当なもので、
愛のダークサイドに落ち込んでいく主人公の獣性を、異常なまでに際立たせています。
姿かたちは男でも、女の精神を持ったアルモドバルは、
本作で、肉体を瓜二つに作り出せても、精神までは作り替えれないという対極の
教訓談にすることで、男性社会の女性に対する横暴や、ジェンダーフリーを
認めない社会に対する怒りをぶちまけたかったのではないでしょうか。
- 私が、生きる肌 [DVD]/アントニオ・バンデラス,エレナ・アナヤ,マリサ・パレデス
- ¥3,465
- Amazon.co.jp
- 蜘蛛の微笑 (ハヤカワ・ミステリ文庫)/ティエリ・ジョンケ
- ¥588
- Amazon.co.jp
![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fimage.with2.net%2Fimg%2Fbanner%2Fc%2Fbanner_1%2Fbr_c_1128_1.gif)
映画(全般) ブログランキングへ