大町市 上原温水路(ぬるめ) / 追憶の大糸線旧型国電&キハ52 | Bunny The Flat 【including 徒然鉄】

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2012年〜のFC2ブログ「Bunny The Flat」(犬との生活)
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現在はフラットコーテッドレトリバーの愛犬グレースとの
滝巡りや秘境探検を主に活動しています。
bunnytheflat@twitter.com

夏休みの話ですが長野県大町市に来ましたよ!
広大な田植え前の田んぼのようなとこに降り立ちました!
水がゆっくり流れてて小滝が連続しています!
おりてみたらイガイとジメンはかたくて、そこにつめたいおみずがサラサラながれてて、きょうみたいなアツいひはサイコーですね!よくこんなとこみっけましたね!

ここ大町の上原地区では、昭和21年から37年にかけて水田地帯が開墾されたが、
水源は北アルプスから流れ出た冷水のため、稲に適した水温にするための温水路としてこの『上原温水路(ぬるめ)』が造成された。

高瀬川水系篭川から引かれた冷水が流れる長さ約300m幅16m水深10cmの水路は市民の憩いの場として開放されている。

水路と呼ぶには広く薄い穏やかな川には30mくらい置きに2m程度の小滝が設けられていて、絶好の涼スポットになっている!

動画です!いい感じなのが伝わるでしょうか?


信州には水の産業土木遺産、それもフォトジェニックなものが多くて、同じコンセプトの温水路といえば…軽井沢追分のここ、
健脚時代からよくグレとお散歩した千ヶ滝湯川用水温水路があり、


他に治水目的の土木遺産として、グレが車椅子犬として最初に探索を行った松本市のフランス式階段工があり

アットウテキにサイコーで〜す‼

まずはのんびり北アルプスの天然水に浸かりましょう!

パパも海パンにウォーターシューズできたけどここは素足で全然いいね!

ううむ!じかんをわすれるほどきもちいいですね!

『ぬるめ』っていうけどおミズはけっこうつめたいですよ!

小滝の落ちる音をBGMに、ゆっくり移動する水を見ながらゴロゴロするのは暑さを忘れます!

では車椅子に戻って、滝の上の段から水路に沿ってウォーターウォーキングしようか!

いやー!おみずのなかでクルマイスのおさんぽができるとこがあるなんて!うれしいです!


きもちいいですね〜!

人口滝とはいえ、滝があるのも
僕らにはありがたいよね!
古の叡智による天然水の打ち水、最高です!


こうやってサラサラ流れる滝の音を聞いてたら、僕にとっての大町市すなわち信濃大町=大糸線への強い愛着の念が湧き上がってきた!

僕が初めて信濃大町=大糸線を訪れたのは中学3年生のときだ!

大糸線は南小谷駅を堺に南が電化線、北が非電化線となっていて、電車と気動車が混在していた。

当初の目的はこの南線を走るスカイブルーの戦前型旧型国電に会いに行くことだった!
僕の地元は横浜の根岸線沿線で、電車通学をしていたが、それと同じ色の無骨な旧型国電の姿に目が釘付けになった!

以来北アルプスの麓、

安曇野の雄大な自然と、
バラエティ豊かな旧型国電のコラボをカメラに収めるのに没頭した!

当時は鉄道輸送の最盛期とも言える時代。特急あずさに
急行アルプス

普通電車はいつも混んでいて

朝などは8両編成の運用もあった。
クハ55-クモハ43-サハ45…まるで鉄道模型のような夢の8両編成だ!

当時ガキのフットワークではなかなか効率的に移動することは難しく、

デジタルじゃないから撮影ミスも頻発したから1枚の写真の価値は現代とは比較にならないくらい重いものだった。

目当ての車両を記録するために北松本の車庫にお願いして入れてもらったこともあった。
当時はまだ鉄道マニア人口なんて一握りだった時代。
事務所で記帳するとヘルメットを貸してもらいヤード内で自由に撮影ができたのだ。

貫通扉が室内色に塗られ、先頭に出ることのなかったクモハ43804
元関西急電のスター、ノーシルノーヘッダ半流2扉広窓フルクロスのクモハ43810。
こんなに姿形が違うのにどうしてどっちも同じクモハ43なのか?そう気づいた人はもうほぼ旧国の虜だ!
クモハ43は20m級2扉フルクロスシートの42形の片運転台の制御電動車の総称で、
その出自により大きく分けて平妻顔・狭窓車と半流顔・広窓車(いわゆる合の子)があったのだ。
両運転台車、出力アップ車、3扉改造車、郵便荷物合造車、低屋根化による改番、また同系統のクハの話などしだしたらキリがないので、43810の優雅な室内写真でやめにしておく。

そして当時の撮影行の宿は大町市北部の木崎湖の畔の稲尾駅近くの国民宿舎だったので、

ちょっと北線にも足を伸ばして都会では味わえない気動車に乗る機会も多かった。
ちなみに当時平岩駅は交換可能駅で片面+島式ホームの3線であったが、現在は駅名板の向こう側の1線のみしか使用されない無人駅となっているのでこれは貴重な記録だ。

現在はJR東西に分裂しているが国鉄時代は南小谷を越えて気動車直通運用があった。急行白馬。


キハユニ26とキハ55の3連。いい時代だった。

そんな大糸線の旧型国電だが1981.7.26をもって廃止になり、その1ヶ月後の身延線の旧国廃止をもって、僕は鉄趣味を完全にやめてしまった。

それから四半世紀余り後の2009年、たまたまTVで昔は足としか思ってなかった北部非電化線の気動車キハ52がまだ現役として最期の活躍をしていると知り、急遽鉄趣味に戻ることになった!
馴染みの国鉄気動車色2トーンの115号、国鉄末期の首都圏色通称タラコの156号、
そしてスカ色と似た大昔の気動車色の125号の3両だ。

彼らは残り少ない国鉄型車両で僕とほぼ同い年の車両ということで強いシンパシーを感じたのだ。

最初はガキの頃行った撮影地を再訪する程度だったが

あの頃より圧倒的に情報豊かな時代、

おまけにクルマで移動できるので新ロケ開拓が革命的に容易く感じた!

それから今度は大糸線北部で姫川沿いの大自然と鉄道のコラボを撮影するのに夢中になった!
その熱中ぶりは今思うと狂気の沙汰だった。下の写真は撮り終えて帰ろうとしたら自分の立ってた場所が雪庇の上だったと気づいてゾッとしたという1枚だ。

気候の良い季節はバニーも連れてって一緒に楽しんだ。
バニーは退屈だったろうけどね。
こうした撮影スタイルはグレを迎えてからも続くことになり、『鉄犬』というカテゴリが生まれたんだ。

このキハ52が廃車になったらまた鉄を辞めるつもりだったが、
3両在籍していたキハ52のうち、この青く塗られた125号が、
退役後千葉県のいすみ鉄道に払い下げられて
観光列車として延命されることになったので鉄を辞めれなくなり、

今度は家族になったばかりのグレを連れて房総に通うハメになった!
そしてグレをお供にAMは撮り鉄、
PMはグレを連れて房総の秘境探検や、

いつの間にかそっちが趣味のメインとなり今に至るってわけなんだ!
そうですか、おおむかしからパパのシュミはぜんぶつながってるんですね!それってあんまりシンポがないともいえますね!?
とまあ、我に返ったとこでもう少しこの上原温水路(ぬるめ)、歩いてみようか。

再び車椅子で水路をウォーターウォーキングです!

ほんとうにのどかな場所です!この日は猛暑日でしたが、

薄い水路と滝の打ち水で、冷水がぬるむと同時に、
気化熱が奪われることで辺りはとても涼しく感じます!

途中には橋もあって水路への登り降りも車椅子犬にとっては苦じゃないのもいいです!
このきもちよさ、やめられません!

程良くウォーターウォーキングして
小滝の下でたっぷりボール遊びしたら、

また水辺でまったりしよう
穏やかな時間が流れます

一番上流には水門があり

アルプスの冷水が放たれています

そこから4本に仕切られた水路に水が拡がって
それぞれが蛇行して
途中で2本ずつが合流して2本の水路となり、
最後の滝を落ちると一本の広い水路となって
約2〜数℃ぬるめられた天然水は農業用水となって各所に流れていきます。これが全貌です!

貴重な水の土木遺産、
色んな思い出とともに堪能したね!
大町市の上原温水路(ぬるめ)でした!