お昼ご飯を済ませた後でヤッちゃんは仕事に戻り、私はヤッちゃんの職場の本屋さんにもう一回入って画集を買った。
ヤッちゃんがレジを打ってくれた。私は一緒にご飯を食べたのがうれしかったので、バイバイ、と手を振って家に帰ったのだった。
家に帰ったら、車を使いたがっていた父から帰るのが遅い、と言って怒られた。思い出に残るくらい怒られた。
なんだって帰省したら実家はこんなに居心地が悪いんだろうと思う。
兄がさっさと結婚して家を出てしまってから、何故かうちの親は目に見えて仲が悪くなっている。兄の奥さんについて結婚するときに何かトラブルがあったらしいのだが、私にしてみれば兄の人生だから、
興味がない。
それに兄の奥さんのせいで両親が反目している保証もない。
兎に角私は実家がたいへん居心地悪いのだった。
ああ、家出たいなあ。シェアハウスでも探してみようかなあ。今の月収でなんとかなるかなあ。フリーランスはこう言うのが辛いのだ。
忘れがたい勢いで父に怒られてから私は自分の部屋に逃げた。
逃げたら、お昼を食べた時のヤッちゃんとの会話が脈絡無く思い浮かんだ。私も小川さんに興味が出てきたのだ。
私は画集を開いてみようと思ったのだけど、それは一旦置く事にして、中学の卒業アルバムを見てみることにした。
集合写真だけじゃなくて部活動や行事の写真だってあるのだ。
小川さん、が何処かに写っているはずなのだ。写っていれば、顔を見れば、サスガニどんな人だったか思い出すだろう。
私は昔の学習机やアルバムをいれている棚をあちこちごそごそしてみる。
無い。
無い、卒業アルバムが無かった。無い? 無くすような物なのか? 私は卒業アルバムをそんなに無闇に扱ったのだろうか?
私は部屋にあるタンスや箱を全部開けて中身を調べてみた。
無い。無いのだ、
兎に角卒業は私の部屋の何処にも無かった。
卒業アルバム無くすような人間なのか私は。
あ然としてしまった。卒業アルバム無くすような生き方を、この十五年でしてきたのか。そう思って、あ然となったのだった