くらい水の中 | 文学ing

文学ing

森本湧水(モリモトイズミ)の小説ブログです。

職種とか業界と言うものには必ず

潜勢域

とでも言えそうなものがあるのではないか。

潜勢、内部に隠れて外に現れないもの。でも確かに其処にあるもの。

同じ職業に中る人間のみ、共通して認知出来るあたかも、集合深層心理、のよなもの。

例えば野球選手ならバットの振り方を、理屈以外の方法で解りあえるような。
野球を知らない私にはさっぱりなその感覚。
共有認知。

私は今そういうことについて考えています。

きっとそれは真っ暗な水の中みたいなのだ。

例えば私はお話を作る。

お話を作る人はたくさんいる。

そのたくさんの人達が、精神の内部に共通してもつ暗い水。
恐ろしい顔立ちの
巨大な魚がうようよしているのを私は感じるのです。

職業するひとは一人きりだ。
お話を作るひとも、だから一人っきりなのだ当然。

偉大な魚、恐ろしい魚、いっかな強い魚でも潜勢域の中で等しく孤独である。

一体何のための共有空間かと思う。

しかしそんなわけで、
書き手は自分の泳ぎたいとこだけ泳いでいられるのかも知れない。

ひとりなのだから。