最近の読書、というわけでなく
「すげえひさしぶりに読んだ本」、
絵本なのですが、
佐藤さとる「そこなし森の話」
そらく小学生4年のときに初めて読んで、長らく愛読書だった絵本でした。
「組木絵」といいましたか、
微妙に色調のちがう木の皮を巧みに切り合わせて、人物や風景を描き出した
夢のように美しい絵本です。
ざっくり内容↓
地元の漁師でさえ決して足を踏み入れないほど、深く木が茂って
「そこなし森」(そこなし森に入ったら最後その獲物はけして捕まらない)
と恐れられる手付かずの森に、ある日よそ者の六部(寄付金を集めながら各地を旅する僧侶)
が迷い込んでくる。
六部はやがてそこなし森の中に小屋を立てて、人知れず住み着くようになったのだが。。。
この、
人の気の一切及ばない深い深い森の中で、たった一人で暮らしていこうとする、おじいさん僧侶の姿に、4年生のもりもとは
ぐっときてしまった。
のですね。
枯れ草を束ねた掘っ立て小屋に住んで、毎日薪や飲み水や木の実を集めて冬の支度に励んで、
夜は乏しい灯りの元、ひたすら読書に励む。
そのすがたに、言いようもなくグッときたのです。
10才でいにしえの世捨て人にぐっときてるんだから
これはかなり致命的なことだ。
ということはおそらくそのくらいの年代から私の中に
誰もいないところで
誰にも知られずに
一人で生きてそのまま死にたい
という憧れがあったことは確かでしょう。
いったい何があったんだよ、おれの小学生時代。
しかし10才ですでに憧れとして抱かれていたイメージですから、未だに自分の究極的な目標でもありそうです。
むしろ年取ったぶんより鮮明なイメージを造って、私の中に育っている。
厭人癖というやつです。
しかも20年ばかしの年代物です。
しかし、手付かずの原生林の中で、ただただ弱っていく自分の肉体と生命を見つめながら、
ある日気がついたら死んでいる。
今の世に合ってこんな運のいい死に方もないと思う。
人生の終わりがそんなふうだったら、よいな。
