仮面劇団、仮面政策担当、ペルさんのインタビュー。
(かめん・げきだん
出演者全員が仮面を付けて演技を行うのが特徴的な前衛劇団。
仮面を付ける理由として、
俳優のほぼ全員が他に正規の仕事をもっており、顔出しNGなため。
加えて、ノンプロの劇団である以上コスト削減の目的から、
メイキャップと衣装の費用を抑えるという意図も担っている。
俳優が皆黒タイツに仮面、申し訳程度の布着用というファッションのため、
「人間による人形劇団」
という異色な呼び名が生まれた。
人形浄瑠璃などの古典的な芸能に近いスタイルでありながら、
「違う人間になる」
という演技の上ではほとんど大前提であるテーマをあえて前面に押し出したことに
先進性を認めるファン多し)
「仮面と人間という言葉の間にそんなに違いを感じないんですよ。」
ペルさんのインタビュー。
テープレコーダーが空気を引き掻き、からから鳴る気配。
「以前は自分も役者で出てました。でもこの一年は仮面つくりに専念しています。
以外と人気が出たってことなんですが、団員が増えたので、
自分が舞台に立たなくても良くなったなんて言ったら、いじけてますかね。
でも今のポジションはおもしろく取り組んでいますよ。
仮面は新聞やボール紙やノリで作ってます。百均とかドンキホーテで買えるもの、
そうでなけりゃ拾ったりもらったりしたものでなんとかかんとかやってます。
お金、ないですからね。
これ良かったらつかってください、なんて見に来たお客さんが古着分けてくれるの
ほんとありがたいんです。
これからもよろしくお願いします、ですよ、まったくね。
僕はそうやって、紙で面を造っているんですが、
面を造る、ということ自体は自分にとっては身近な行為だったんです、小さい時から。
自分の生まれた地区には、まったく素人舞台なんですが、
無形文化財の芝居が伝わっていました。神楽というんでしょうかね、詳しい由来はよく知らないんです。
僕の家はその芝居に使う仮面の修理や保存を受け持っていました。
古い面を扱うんですからね。自然と自分でも作ってみるようになるんです。木を彫るんです。
祖父は手馴れたものでしたね。
昔は冬に農業が出来ない時に、手慰みに木彫するなんてことが多かったようで。
僕は仮面の意味について、『違う自分になる』ことだと思っていました。
神楽でも劇場でも舞台の上は別次元ですから。
違う国ですから。
今の国から違う国に入るのに必要な入国証として、仮面があるんだと思っていました。
違う人間になる。
仮面をすることによって、『私はこの国の人間です。だから心配しないで下さい。』
と先住者にPRするんですね。そんなふうに思っていたんです。
でも最近では少し違ってきています。違うんですね。
そうじゃない、仮面というのはつまり、
『どんな生き物であることを期待されるのか』
だと考えているんです。
そうであるなら、『仮面』と『人間』の間に意味の違いなんてないんじゃないのかって思うんです。
だって人間をやりながら
立場に対してなんの期待もされないなんてこと、在り得ないじゃないですか。
だから僕たちは、自分たちがどんな存在であることを『期待されているのか』を
見極めて演技する必要がある。
これは、舞台じゃなくて、どんな時もですね。
もし、本当に何も考えず、自由に好きなように生きていいと言われた人がいるのなら、
それはその人が生きている必要が無いってことと同じことじゃないでしょうか。」
ペルソナ。
パーソナリティ。