ハンミョウ学 | ぶなまつの昆虫的エッセイ

ぶなまつの昆虫的エッセイ

昆虫の「生活史」をメインに、裏山にて「ソロ虫活」を楽しんでいるシニアです。
読書と哲学と自然が大好きです♡
イハレアカラ・ヒューレン博士を心の師としています。
平和(^^)/は私から始まる。
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 生き物たちはそれぞれに適した環境で生きている。
 環境を変化させ利便性の追求をしてきた私たち人間から見ると、
 「よくこんな自然環境の中で生き続けているなぁ」
 と感心することがある。
 
 昆虫の「生活史と自然環境の関係」を調べるにつれ、
 ひとつひとつの身体の構造が、
 自然環境に見事に適していることがわかり、
 衝撃を受けることが多い。
 
 フィールド全体の様子を観察しながら、
 生活史を考えることで視野が深まる。
 
 私を含め昆虫観察が大好きな人にとっては、
 フィールドにおける観察は幸せを感じる贅沢な時間だ。
 仕事や家庭のことも
  一切忘れひたすら自然と一体になれる瞬間だ。
 
 
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 2年ほど前から息子とふたりで、
 地元のナミハンミョウの生活史について深めた観察を始めた。
 息子が研究成果をまとめ、
 中学の理科作品に2年連続出品したことで、
 親子での調査観察は一応のピリオドを打った。
 
 しかし、
 私自身の知的好奇心がますます強まり、
 更に深めていこうという気持ちがわいてきた。
 
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 上の画像のような高価な書物を取り寄せて購入するほど、
 いつのまにか「ハンミョウ学」の虜になってしまったのだ。
 
 昆虫研究は想像以上に深みがあり、
 楽しい作業だが孤独でもある。
 1~2年だけの観察ではまだまだ分からないことが多い。
 
 観察が深まるにつれ新たな謎も生まれてくる。
 ナミハンミョウ研究も実をいうと、
 これからが面白いのだ。

 

 
 
  今季特に観察してみたいことが1つある。
 
 それは、
 河川のナミハンミョウと丘陵地のナミハンミョウの比較だ。
 身体・生活・環境上の比較等調べてみたいことがたくさんある。
 比較検討することで、
 新たな発見が見えてくるように思うのだ。
 それぞれのフィールド環境や生活の様子も見たい。
 情報が少ないので、
 クワガタのフィールドを探す以上に難しい。
 楽しみであり趣味でもあるが、
 単なる採集でなく「研究」として取り組んでいるのだから、
 あせらずにゆっくり、
 じっくりと今季も取り組んでいこうと思う。
 
 
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 4月も終わる昭和の日の
 今季のハンミョウ観察を開始する
 天候は晴れ時々雨だが最高気温は20度だ
 ウグイスが鳴く中ゆっくりと歩きながら観察していく
 すぐに1頭の♀を確認
 しかしその後が続かない
 小雨が降る中
 水害等で崩れ流されたフィールドの裸地の様子も確認する
 
 
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 傾斜の赤土の中に冬眠している可能性も高い
 
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 目覚め活動していたのは結局1頭♀のみだったが
 活動を始める数もこれから少しづつ増えてくるだろう
 
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 今季の冬眠から目覚めるのは
 度重なる豪雨で裸地が崩壊し続けた中
 幼虫として育ち
 羽化した運と生命力の強い成虫たちだ
 
 今季の成虫は数的にも少ないことがわかっているため
 1頭1頭がとても貴重である
 
 河川のナミハンミョウ達は
 河川の裸地環境の厳しさの中で懸命に生活している
 
 年によっては数が少なかったり
 増えたりしながら生命の営みをずっと繰り返してきた彼ら
 
 願わくばナミハンミョウ達の環境が少しでも穏やかで
 幼虫や成虫達も段々と増えていきますように
 
 
 
           チューリップ赤平成29年4月30日(日)記