
気を改めてまた一から書き直します・・・・。
加茂隆康弁護士の著書『自動車保険金は出ないのがフツー』
第5章 もっともっと徹底的に出させる超絶訴訟戦略
弁護士の選択/自賠責保険金を先取りするかしないか/年五%の遅延損害金の付加/和解における「調整金」/被害者の経済状態が決定要因/自賠責への時効中断/加害者が悪質な場合の慰謝料の増額/兄弟姉妹の慰謝料/逸失利益の考え方/県立高校の教師のケース/主夫の逸失利益/女子年少者の逸失利益/顔の傷の男女差別/男は顔の傷の一つや二つでガタガタ言うな/顔の傷は減収をもたらすか/損保側医師による意見書/被害者のとる次への的確な一手/国税調査官並みの税理士の調査/ビデオ撮影の技術/同一の車を使っての実験映像/ナレーションを練る/夜の現場撮影/反論を封じるDVD/和解か判決か/和解決裂から判決へ/金額に差が出る和解と判決/和解するメリットは何か/注意すべき既払金の計算/損保の都合で和解を先送りする場合の「調整金」
『男は顔の傷一つや二つでガタガタ言うな』
なぜ男はこのように差別されるのか。
それは、自賠責の後遺障害等級表が、一九三六年の工場法施行令によって定められた
「身体障害等級及び障害扶助表」に端を発しているからです。ここでは、工場などでの肉体労働に
影響を与える障害をより上位の等級にランクしていました。
その反面、男の顔の傷などはとるに足らない部類で、肉体労働には全く影響しないから、低い位置づけにされたのです。
それでも女性の方が男性より顔の傷を重視されたのはなぜか。
それはおそらく、自賠責の等級表を作成した方々(たぶん男性)が、「女は顔」という侮蔑的思想をもっていたからでしょう。
『人は見た目が9割』(竹内一郎書、新潮新書)という本がベストセラーになったかと思ったら、
つづいて『女は見た目が10割』(鈴木由香里著、平凡社新書)という本が女性によって書かれました。
勝間和代さんも『結局、女はキレイが勝ち。』(マガジンハウス)という本を出しています。
女性誌は毎回こぞって、コスメの記事や広告を打ち出しています。化粧に命をかけている女性は少なくありません。そうしてみますと、女性の方が男性より顔の美醜に気を遣うという風潮は、現在でも否めないところでしょう。
しかし、です。最近では男性も、清潔感に気を配り、なかにはメンズエステに通って、美形を保とうとしている人が少なくありません。
そうであれば、自賠責の格差は開きがあり過ぎるように思います。
男の顔の傷の等級を必ずしも、一四級か一二級に決めつけるのではなく、いままでの一四級は一二級に、一二級は一〇級から七級に格上げしてもおかしくはないように思います。
これを実現するためには、自賠責の等級表自体を見直す必要があります。しかし、自賠責が動かないなら、裁判所が、自賠責の等級に拘束されることなく、もっと柔軟に等級を決めてもよいと思います。
二〇一〇年五月、京都地裁が男性の顔の傷について、労災での性差別による等級認定を、男女平等を定めた憲法第一四条に違反すると判断したのは注目に値します。
この判決は確定しましたので、厚生労働省による障害等級の見直しが期待されます。