加茂隆康弁護士の著書『自動車保険金は出ないのがフツー』について考察するブログ -13ページ目
半分以上、記事書いていたのに消えました・・・ヽ(`Д´)ノむかっ
気を改めてまた一から書き直します・・・・。

加茂隆康弁護士の著書『自動車保険金は出ないのがフツー』

第5章 もっともっと徹底的に出させる超絶訴訟戦略
弁護士の選択/自賠責保険金を先取りするかしないか/年五%の遅延損害金の付加/和解における「調整金」/被害者の経済状態が決定要因/自賠責への時効中断/加害者が悪質な場合の慰謝料の増額/兄弟姉妹の慰謝料/逸失利益の考え方/県立高校の教師のケース/主夫の逸失利益/女子年少者の逸失利益/顔の傷の男女差別/男は顔の傷の一つや二つでガタガタ言うな/顔の傷は減収をもたらすか/損保側医師による意見書/被害者のとる次への的確な一手/国税調査官並みの税理士の調査/ビデオ撮影の技術/同一の車を使っての実験映像/ナレーションを練る/夜の現場撮影/反論を封じるDVD/和解か判決か/和解決裂から判決へ/金額に差が出る和解と判決/和解するメリットは何か/注意すべき既払金の計算/損保の都合で和解を先送りする場合の「調整金」

『男は顔の傷一つや二つでガタガタ言うな』

なぜ男はこのように差別されるのか。

それは、自賠責の後遺障害等級表が、一九三六年の工場法施行令によって定められた
「身体障害等級及び障害扶助表」に端を発しているからです。ここでは、工場などでの肉体労働に
影響を与える障害をより上位の等級にランクしていました。

その反面、男の顔の傷などはとるに足らない部類で、肉体労働には全く影響しないから、低い位置づけにされたのです。

それでも女性の方が男性より顔の傷を重視されたのはなぜか。

それはおそらく、自賠責の等級表を作成した方々(たぶん男性)が、「女は顔」という侮蔑的思想をもっていたからでしょう。

『人は見た目が9割』(竹内一郎書、新潮新書)という本がベストセラーになったかと思ったら、
つづいて『女は見た目が10割』(鈴木由香里著、平凡社新書)という本が女性によって書かれました。
勝間和代さんも『結局、女はキレイが勝ち。』(マガジンハウス)という本を出しています。

女性誌は毎回こぞって、コスメの記事や広告を打ち出しています。化粧に命をかけている女性は少なくありません。そうしてみますと、女性の方が男性より顔の美醜に気を遣うという風潮は、現在でも否めないところでしょう。

しかし、です。最近では男性も、清潔感に気を配り、なかにはメンズエステに通って、美形を保とうとしている人が少なくありません。

そうであれば、自賠責の格差は開きがあり過ぎるように思います。
男の顔の傷の等級を必ずしも、一四級か一二級に決めつけるのではなく、いままでの一四級は一二級に、一二級は一〇級から七級に格上げしてもおかしくはないように思います。

これを実現するためには、自賠責の等級表自体を見直す必要があります。しかし、自賠責が動かないなら、裁判所が、自賠責の等級に拘束されることなく、もっと柔軟に等級を決めてもよいと思います。

二〇一〇年五月、京都地裁が男性の顔の傷について、労災での性差別による等級認定を、男女平等を定めた憲法第一四条に違反すると判断したのは注目に値します。

この判決は確定しましたので、厚生労働省による障害等級の見直しが期待されます。

加茂隆康弁護士の著書『自動車保険金は出ないのがフツー』

第5章 もっともっと徹底的に出させる超絶訴訟戦略
弁護士の選択/自賠責保険金を先取りするかしないか/年五%の遅延損害金の付加/和解における「調整金」/被害者の経済状態が決定要因/自賠責への時効中断/加害者が悪質な場合の慰謝料の増額/兄弟姉妹の慰謝料/逸失利益の考え方/県立高校の教師のケース/主夫の逸失利益/女子年少者の逸失利益/顔の傷の男女差別/男は顔の傷の一つや二つでガタガタ言うな/顔の傷は減収をもたらすか/損保側医師による意見書/被害者のとる次への的確な一手/国税調査官並みの税理士の調査/ビデオ撮影の技術/同一の車を使っての実験映像/ナレーションを練る/夜の現場撮影/反論を封じるDVD/和解か判決か/和解決裂から判決へ/金額に差が出る和解と判決/和解するメリットは何か/注意すべき既払金の計算/損保の都合で和解を先送りする場合の「調整金」


『顔の傷の男女差別』

企業の中でも損害賠償の場面でも、女性は男性に比べ、何かにつけ不利に扱われがちです。
女性というだけで差別されるのは不合理であり、少しずつ正していかなければなりません。

でも、損害賠償で、唯一女性が男性より有利に扱われる場面があります。
それは顔の傷です。

自賠責では、傷が大きな傷か小さな傷かによって、後遺障害等級を判定します。
大きな傷とは、線上痕なら五センチ以上、瘢痕なら鶏卵大以上を指します。五センチ未満で三センチ以上の線状痕や、鶏卵大ほどではないが一〇円玉以上の瘢痕の場合には小さな傷とされます。
女性の場合、顔に大きな傷が残ったときは後遺障害等級七級、小さな傷は一二級と認定されます。

それにひきかえ、男性の場合は、大きな傷でさえ、一二級にしかなりません。
小さな傷なら一四級です。男女ともその中間はありません。支給される自賠責保険金は、男女の別なく

七級なら    一〇五一万円
一二級なら   二二四万円
一四級なら   七五万円

です。
つまり、顔に傷が残った場合、女性なら一〇五一万円から二二四万円を自賠責からもらえるのに、男性の場合には、二二四万円から七五万円しか支給されません。男女間の格差は、大きな傷の場合で八二七万円、小さな傷で一四九万円となります。

これが差別でなくてなんでしょうか。

加茂隆康弁護士の著書『自動車保険金は出ないのがフツー』

第5章 もっともっと徹底的に出させる超絶訴訟戦略
弁護士の選択/自賠責保険金を先取りするかしないか/年五%の遅延損害金の付加/和解における「調整金」/被害者の経済状態が決定要因/自賠責への時効中断/加害者が悪質な場合の慰謝料の増額/兄弟姉妹の慰謝料/逸失利益の考え方/県立高校の教師のケース/主夫の逸失利益/女子年少者の逸失利益/顔の傷の男女差別/男は顔の傷の一つや二つでガタガタ言うな/顔の傷は減収をもたらすか/損保側医師による意見書/被害者のとる次への的確な一手/国税調査官並みの税理士の調査/ビデオ撮影の技術/同一の車を使っての実験映像/ナレーションを練る/夜の現場撮影/反論を封じるDVD/和解か判決か/和解決裂から判決へ/金額に差が出る和解と判決/和解するメリットは何か/注意すべき既払金の計算/損保の都合で和解を先送りする場合の「調整金」


『女子年少者の逸失利益』

児童や学生など、仕事についていない年少者が死亡した場合、将来の逸失利益の算定にあたっては、何を基礎収入とするか。
通常は、賃金センサスの男女別全年齢平均賃金額を基礎することになっています。
全年齢平均賃金とは、年齢別平均賃金と区別して使われる用語で、すべての年齢層の平均賃金を集計したうえでの平均値ということです。

平成二〇年の賃金センサスによれば、男子の全年齢平均賃金が五五〇万三九〇〇円であるのに対し、女子のそれは三四九万九九〇〇円となっています。
これをベースに逸失利益を算定しますと、女性の方が男性より低くなってしまいます。単純にいえば、一つの事故で同年齢の少年と少女が同時に亡くなられた場合、少女の方が少年より生命の値段を安く算定されるということです。

実会社においては、女性の方が男性より常に収入が低いとは限りません。
年少者にとっては、前途洋洋たる未来が拡がっていたわけで、単に女性という理由だけで、男性の場合よりも逸失利益を低く評価されるというのは、不合理です。

このような理由から、年少の女性が亡くなられた場合の逸失利益の基礎収入は、女子労働者の全年齢平均賃金ではなく、男女を合算した全労働者の全年齢平均賃金で算定すべきではないかという意見が出されました。いま、裁判実務ではそれが一般的になっています。全労働者の全年齢平均賃金ですと、男子のそれと女子のそれのほぼ中間値になります。
そのようにしたとしても、まだ少女の方が、少年が死亡した場合よりは安くなってしまいます。男女間格差を完全には解消しきれていません。

加茂隆康弁護士の著書『自動車保険金は出ないのがフツー』

第5章 もっともっと徹底的に出させる超絶訴訟戦略
弁護士の選択/自賠責保険金を先取りするかしないか/年五%の遅延損害金の付加/和解における「調整金」/被害者の経済状態が決定要因/自賠責への時効中断/加害者が悪質な場合の慰謝料の増額/兄弟姉妹の慰謝料/逸失利益の考え方/県立高校の教師のケース/主夫の逸失利益/女子年少者の逸失利益/顔の傷の男女差別/男は顔の傷の一つや二つでガタガタ言うな/顔の傷は減収をもたらすか/損保側医師による意見書/被害者のとる次への的確な一手/国税調査官並みの税理士の調査/ビデオ撮影の技術/同一の車を使っての実験映像/ナレーションを練る/夜の現場撮影/反論を封じるDVD/和解か判決か/和解決裂から判決へ/金額に差が出る和解と判決/和解するメリットは何か/注意すべき既払金の計算/損保の都合で和解を先送りする場合の「調整金」


『主夫の逸失利益』

女性が社会に出て、男性同様にバリバリ働くというのは当たり前の時代ですが、逆に男性が
「主夫」として、専業主婦の代りを務める人もいます。
そういう人の逸失利益はどう考えるべきか。

いわゆる専業主婦の逸失利益は、厚生労働省の賃金統計である「賃金センサス・女子労働者の全年齢平均賃金」をベースにして計算するのが一般的です。

「主夫」業をしている男性の代理人として加茂隆康弁護士が東京地裁に提訴したとき、被告側損保は、
「主婦」はいても「主夫」などいない、それは働くのがいやで怠けているだけだ、それゆえ被害者は無職と考えるべきで、逸失利益は認められない、などと反論してきました。

このような考え方は、家事労働は女性がやることで、男性がやるのは信じられないという古い固定観念にしばられています。
東京地裁は判決の中で、「主夫」としての彼の逸失利益を、専業主婦と同様、「女子労働者の全年齢平均賃金」をベースに認めました。

加茂隆康弁護士の著書『自動車保険金は出ないのがフツー』

第5章 もっともっと徹底的に出させる超絶訴訟戦略
弁護士の選択/自賠責保険金を先取りするかしないか/年五%の遅延損害金の付加/和解における「調整金」/被害者の経済状態が決定要因/自賠責への時効中断/加害者が悪質な場合の慰謝料の増額/兄弟姉妹の慰謝料/逸失利益の考え方/県立高校の教師のケース/主夫の逸失利益/女子年少者の逸失利益/顔の傷の男女差別/男は顔の傷の一つや二つでガタガタ言うな/顔の傷は減収をもたらすか/損保側医師による意見書/被害者のとる次への的確な一手/国税調査官並みの税理士の調査/ビデオ撮影の技術/同一の車を使っての実験映像/ナレーションを練る/夜の現場撮影/反論を封じるDVD/和解か判決か/和解決裂から判決へ/金額に差が出る和解と判決/和解するメリットは何か/注意すべき既払金の計算/損保の都合で和解を先送りする場合の「調整金」


『県立高校の教師のケース』

県立高校で数学を教えている男性教論がいました。彼は地方公務員です。
彼が負った後遺障害は、脊桂(頸椎部)の運動障害と変形障害、外傷性頸椎椎間板ヘルニアに伴う神経症状、骨盤骨の変形障害などで、自賠責保険では後遺障害等級併合第七級と認定されています。
第七級の労働能力喪失率は、自賠責で五六%とされています。

訴訟になったこのケースで、被告の損保側は、逸失利益は発生していないなどと主張してきました。
東京地裁は三〇%の労働能力喪失率を認め、彼の逸失利益を三六〇〇万円と認定しています。

誰にも職業選択の自由が憲法で保障されています。症状固定のとき公務員であったとしても、
職場内でのいじめや上司からの勧奨などにより、転職をしたいと思うかもしれません。
しかし、従来の通りの給与額で民間企業が雇ってくれるかといえば、かなりきびしい面があります。
現実問題として、民間企業への転職となると、肉体的なハンディのために、ある程度の減収を覚悟しなければならないでしょう。

そのように考えると、症状固定以後、給与を受けとっている方であったとしても、肉体的なハンディを負ってしまったこと自体を損害とする、労働能力喪失説を色濃く反映させるべきだと加茂隆康弁護士は考えています。