加茂隆康弁護士の著書『自動車保険金は出ないのがフツー』
第5章 もっともっと徹底的に出させる超絶訴訟戦略
弁護士の選択/自賠責保険金を先取りするかしないか/年五%の遅延損害金の付加/和解における「調整金」/被害者の経済状態が決定要因/自賠責への時効中断/加害者が悪質な場合の慰謝料の増額/兄弟姉妹の慰謝料/逸失利益の考え方/県立高校の教師のケース/主夫の逸失利益/女子年少者の逸失利益/顔の傷の男女差別/男は顔の傷の一つや二つでガタガタ言うな/顔の傷は減収をもたらすか/損保側医師による意見書/被害者のとる次への的確な一手/国税調査官並みの税理士の調査/ビデオ撮影の技術/同一の車を使っての実験映像/ナレーションを練る/夜の現場撮影/反論を封じるDVD/和解か判決か/和解決裂から判決へ/金額に差が出る和解と判決/和解するメリットは何か/注意すべき既払金の計算/損保の都合で和解を先送りする場合の「調整金」
『逸失利益の考え方 続き』
差額説に対して、労働能力喪失説というのがあります。
これは実際の減収(=差額)を問題にするのではなく、障害を負ったことにより労働能力が事故前よりも失われていること自体を損害としてとらえ、それを金銭で補塡しようという考え方です。
現在の裁判実務では、差額説に労働能力喪失説を加味した考え方が大勢だといえます。
公務員の場合のように、後遺障害が出ても、定年まで給与の支払いが約束されている場合には、差額説によれば減収はないのだから、逸失利益はゼロだという見解に帰着しかねません。
そうはいっても、障害をかかえたために、同期の人に比べて昇給、昇任が遅れ、ひいては減収を招くということはあります。
労働能力喪失説を加味すれば、症状固定以後、仮に給与をもらっていたとしても、それなりに逸失利益が発生すると考えるのが通例です。
加茂隆康弁護士の著書『自動車保険金は出ないのがフツー』
第5章 もっともっと徹底的に出させる超絶訴訟戦略
弁護士の選択/自賠責保険金を先取りするかしないか/年五%の遅延損害金の付加/和解における「調整金」/被害者の経済状態が決定要因/自賠責への時効中断/加害者が悪質な場合の慰謝料の増額/兄弟姉妹の慰謝料/逸失利益の考え方/県立高校の教師のケース/主夫の逸失利益/女子年少者の逸失利益/顔の傷の男女差別/男は顔の傷の一つや二つでガタガタ言うな/顔の傷は減収をもたらすか/損保側医師による意見書/被害者のとる次への的確な一手/国税調査官並みの税理士の調査/ビデオ撮影の技術/同一の車を使っての実験映像/ナレーションを練る/夜の現場撮影/反論を封じるDVD/和解か判決か/和解決裂から判決へ/金額に差が出る和解と判決/和解するメリットは何か/注意すべき既払金の計算/損保の都合で和解を先送りする場合の「調整金」
『逸失利益の考え方』
死亡事故や重度障害の被害者にとって、損害の大きな割合を占めるのが、逸失利益です。
逸失利益は「将来の得べかりし利益」などと呼ばれています。死亡事故の場合には、
亡くなられた方がもし生存していたとしたなら、生涯に得られたと推定される所得を指します。
後遺障害が出た被害者の場合には、後遺障害のために労働能力が一〇〇%から数%喪失します。
喪失したことによって、症状固定日以降に招くであろう減収分が、逸失利益ということになります。
死亡事故の場合には、被害者が亡くなられているわけですから、逸失利益が発生することに議論の余地はありません。
むしろ争いになるのは、後遺障害に苦しんでいながら、給与が支払われているケースです。
公務員の場合には、民間の給与所得とちがい、原則として給与が支払われます。
「給与が支払われていれば、減収はないのだから、逸失利益は発生しないのではないか」こういう反論がよく加害者側の損保から出されます。
収入面に関する損害賠償は、基本的には差額説という考え方にたっています。
差額説というのは、事故によって現実にどれだけ収入に差が生じたか、その差額を損害として補塡しようという考え方です。特に、事故発生から症状固定までの休業損害については、この考え方で算定します。したがって、治療のために入院していても、給与が減らされなかった場合には、休業損害は発生していないことになります。もっとも、仕事を休んだために賞与が減額された場合には、それが休業損害として評価されますが。
第5章 もっともっと徹底的に出させる超絶訴訟戦略
弁護士の選択/自賠責保険金を先取りするかしないか/年五%の遅延損害金の付加/和解における「調整金」/被害者の経済状態が決定要因/自賠責への時効中断/加害者が悪質な場合の慰謝料の増額/兄弟姉妹の慰謝料/逸失利益の考え方/県立高校の教師のケース/主夫の逸失利益/女子年少者の逸失利益/顔の傷の男女差別/男は顔の傷の一つや二つでガタガタ言うな/顔の傷は減収をもたらすか/損保側医師による意見書/被害者のとる次への的確な一手/国税調査官並みの税理士の調査/ビデオ撮影の技術/同一の車を使っての実験映像/ナレーションを練る/夜の現場撮影/反論を封じるDVD/和解か判決か/和解決裂から判決へ/金額に差が出る和解と判決/和解するメリットは何か/注意すべき既払金の計算/損保の都合で和解を先送りする場合の「調整金」
『逸失利益の考え方』
死亡事故や重度障害の被害者にとって、損害の大きな割合を占めるのが、逸失利益です。
逸失利益は「将来の得べかりし利益」などと呼ばれています。死亡事故の場合には、
亡くなられた方がもし生存していたとしたなら、生涯に得られたと推定される所得を指します。
後遺障害が出た被害者の場合には、後遺障害のために労働能力が一〇〇%から数%喪失します。
喪失したことによって、症状固定日以降に招くであろう減収分が、逸失利益ということになります。
死亡事故の場合には、被害者が亡くなられているわけですから、逸失利益が発生することに議論の余地はありません。
むしろ争いになるのは、後遺障害に苦しんでいながら、給与が支払われているケースです。
公務員の場合には、民間の給与所得とちがい、原則として給与が支払われます。
「給与が支払われていれば、減収はないのだから、逸失利益は発生しないのではないか」こういう反論がよく加害者側の損保から出されます。
収入面に関する損害賠償は、基本的には差額説という考え方にたっています。
差額説というのは、事故によって現実にどれだけ収入に差が生じたか、その差額を損害として補塡しようという考え方です。特に、事故発生から症状固定までの休業損害については、この考え方で算定します。したがって、治療のために入院していても、給与が減らされなかった場合には、休業損害は発生していないことになります。もっとも、仕事を休んだために賞与が減額された場合には、それが休業損害として評価されますが。
加茂隆康弁護士の著書『自動車保険金は出ないのがフツー』
第5章 もっともっと徹底的に出させる超絶訴訟戦略
弁護士の選択/自賠責保険金を先取りするかしないか/年五%の遅延損害金の付加/和解における「調整金」/被害者の経済状態が決定要因/自賠責への時効中断/加害者が悪質な場合の慰謝料の増額/兄弟姉妹の慰謝料/逸失利益の考え方/県立高校の教師のケース/主夫の逸失利益/女子年少者の逸失利益/顔の傷の男女差別/男は顔の傷の一つや二つでガタガタ言うな/顔の傷は減収をもたらすか/損保側医師による意見書/被害者のとる次への的確な一手/国税調査官並みの税理士の調査/ビデオ撮影の技術/同一の車を使っての実験映像/ナレーションを練る/夜の現場撮影/反論を封じるDVD/和解か判決か/和解決裂から判決へ/金額に差が出る和解と判決/和解するメリットは何か/注意すべき既払金の計算/損保の都合で和解を先送りする場合の「調整金」
『兄弟姉妹の慰謝料』
民法によれば、死亡事故での慰謝料請求権は、被害者者の父母、配偶者、子供にあるとされています。
幼い子供が被害に遭ったとき、その兄弟姉妹には慰謝料請求権はないのか。
東京近郊の田園地帯に住む若いご夫婦の、七歳になるお嬢さんが、隣人のトラックに轢かれて死亡するという痛ましい事故が起きました。そこは通学路で、たまたま被害者より三つ下の息子さん(被害者の弟)が事故の直後、路上に倒れている被害者を目の当たりにしました。
それ以来、男の子はPTSD(心的外傷ストレス障害)にかかり、夜は悪夢にうなされ、精神科にも通うほどになりました。精神科に通ったのは、男の子だけでなく、奥様も同様です。
加害者である隣人は、事故のあとも平然と運転しつづけています。それを見るにつけ、
ご夫妻も息子さんも胸をしめつけられます。御一家はとうとうその場所にはいたたまれず、転居する事態となりました。
この事故で東京地裁は、ご夫妻への慰謝料とは別に、男の子の慰謝料として八〇万円を認めました。
男の子がうけた心の傷は、金銭では償いきれないほど深いものがあります。
それを考えますと、八〇万円では安すぎるきらいがあります。
このケースからも分かるように、判例では兄弟姉妹にも、事情に応じて慰謝料を認めています。
第5章 もっともっと徹底的に出させる超絶訴訟戦略
弁護士の選択/自賠責保険金を先取りするかしないか/年五%の遅延損害金の付加/和解における「調整金」/被害者の経済状態が決定要因/自賠責への時効中断/加害者が悪質な場合の慰謝料の増額/兄弟姉妹の慰謝料/逸失利益の考え方/県立高校の教師のケース/主夫の逸失利益/女子年少者の逸失利益/顔の傷の男女差別/男は顔の傷の一つや二つでガタガタ言うな/顔の傷は減収をもたらすか/損保側医師による意見書/被害者のとる次への的確な一手/国税調査官並みの税理士の調査/ビデオ撮影の技術/同一の車を使っての実験映像/ナレーションを練る/夜の現場撮影/反論を封じるDVD/和解か判決か/和解決裂から判決へ/金額に差が出る和解と判決/和解するメリットは何か/注意すべき既払金の計算/損保の都合で和解を先送りする場合の「調整金」
『兄弟姉妹の慰謝料』
民法によれば、死亡事故での慰謝料請求権は、被害者者の父母、配偶者、子供にあるとされています。
幼い子供が被害に遭ったとき、その兄弟姉妹には慰謝料請求権はないのか。
東京近郊の田園地帯に住む若いご夫婦の、七歳になるお嬢さんが、隣人のトラックに轢かれて死亡するという痛ましい事故が起きました。そこは通学路で、たまたま被害者より三つ下の息子さん(被害者の弟)が事故の直後、路上に倒れている被害者を目の当たりにしました。
それ以来、男の子はPTSD(心的外傷ストレス障害)にかかり、夜は悪夢にうなされ、精神科にも通うほどになりました。精神科に通ったのは、男の子だけでなく、奥様も同様です。
加害者である隣人は、事故のあとも平然と運転しつづけています。それを見るにつけ、
ご夫妻も息子さんも胸をしめつけられます。御一家はとうとうその場所にはいたたまれず、転居する事態となりました。
この事故で東京地裁は、ご夫妻への慰謝料とは別に、男の子の慰謝料として八〇万円を認めました。
男の子がうけた心の傷は、金銭では償いきれないほど深いものがあります。
それを考えますと、八〇万円では安すぎるきらいがあります。
このケースからも分かるように、判例では兄弟姉妹にも、事情に応じて慰謝料を認めています。
加茂隆康弁護士の著書『自動車保険金は出ないのがフツー』
第5章 もっともっと徹底的に出させる超絶訴訟戦略
弁護士の選択/自賠責保険金を先取りするかしないか/年五%の遅延損害金の付加/和解における「調整金」/被害者の経済状態が決定要因/自賠責への時効中断/加害者が悪質な場合の慰謝料の増額/兄弟姉妹の慰謝料/逸失利益の考え方/県立高校の教師のケース/主夫の逸失利益/女子年少者の逸失利益/顔の傷の男女差別/男は顔の傷の一つや二つでガタガタ言うな/顔の傷は減収をもたらすか/損保側医師による意見書/被害者のとる次への的確な一手/国税調査官並みの税理士の調査/ビデオ撮影の技術/同一の車を使っての実験映像/ナレーションを練る/夜の現場撮影/反論を封じるDVD/和解か判決か/和解決裂から判決へ/金額に差が出る和解と判決/和解するメリットは何か/注意すべき既払金の計算/損保の都合で和解を先送りする場合の「調整金」
『加害者が悪質な場合の慰謝料の増額』
死亡慰謝料は、東京地裁の基準(この基準は、日弁連交通事故相談センター東京支部が毎年刊行している、いわゆる「赤い本」の基準に準拠したもので、同地裁が公式に基準を発表しているわけではありません)では、次のようになっています。
一家の支柱 二八〇〇万円
母親、配偶者 二四〇〇万円
その他 二〇〇〇万円~二二〇〇万円
ここでいう「その他」とは、「独身の男女、子供、幼時等をいう」とされています。
金額に幅があるのは、高齢者の場合には低めに算定され、若年者ですと高めに評価されるからです。
この基準はあくまでも目安であって確定的なものではありません。
個別の事情を酌んで増減されます。
個別の事情の典型的な例として、加害者が特に悪質だというケースがあります。
飲酒、無免許、轢き逃げ、極端なスピード違反といったことがこれにあたります。
このような質性が加害者に認められる場合には、判例などでも、死亡慰謝料の増額が認められています。
どの程度、増額されるか。
概ね、前記基準額の一・二倍から一・三倍ぐらいですが、事故の発生を認識していながら、
故意に被害者を轢き殺したともいえるくらい悪質なケースでは、一・五倍に増額した判例もあります。
第5章 もっともっと徹底的に出させる超絶訴訟戦略
弁護士の選択/自賠責保険金を先取りするかしないか/年五%の遅延損害金の付加/和解における「調整金」/被害者の経済状態が決定要因/自賠責への時効中断/加害者が悪質な場合の慰謝料の増額/兄弟姉妹の慰謝料/逸失利益の考え方/県立高校の教師のケース/主夫の逸失利益/女子年少者の逸失利益/顔の傷の男女差別/男は顔の傷の一つや二つでガタガタ言うな/顔の傷は減収をもたらすか/損保側医師による意見書/被害者のとる次への的確な一手/国税調査官並みの税理士の調査/ビデオ撮影の技術/同一の車を使っての実験映像/ナレーションを練る/夜の現場撮影/反論を封じるDVD/和解か判決か/和解決裂から判決へ/金額に差が出る和解と判決/和解するメリットは何か/注意すべき既払金の計算/損保の都合で和解を先送りする場合の「調整金」
『加害者が悪質な場合の慰謝料の増額』
死亡慰謝料は、東京地裁の基準(この基準は、日弁連交通事故相談センター東京支部が毎年刊行している、いわゆる「赤い本」の基準に準拠したもので、同地裁が公式に基準を発表しているわけではありません)では、次のようになっています。
一家の支柱 二八〇〇万円
母親、配偶者 二四〇〇万円
その他 二〇〇〇万円~二二〇〇万円
ここでいう「その他」とは、「独身の男女、子供、幼時等をいう」とされています。
金額に幅があるのは、高齢者の場合には低めに算定され、若年者ですと高めに評価されるからです。
この基準はあくまでも目安であって確定的なものではありません。
個別の事情を酌んで増減されます。
個別の事情の典型的な例として、加害者が特に悪質だというケースがあります。
飲酒、無免許、轢き逃げ、極端なスピード違反といったことがこれにあたります。
このような質性が加害者に認められる場合には、判例などでも、死亡慰謝料の増額が認められています。
どの程度、増額されるか。
概ね、前記基準額の一・二倍から一・三倍ぐらいですが、事故の発生を認識していながら、
故意に被害者を轢き殺したともいえるくらい悪質なケースでは、一・五倍に増額した判例もあります。
加茂隆康弁護士の著書『自動車保険金は出ないのがフツー』
第5章 もっともっと徹底的に出させる超絶訴訟戦略
弁護士の選択/自賠責保険金を先取りするかしないか/年五%の遅延損害金の付加/和解における「調整金」/被害者の経済状態が決定要因/自賠責への時効中断/加害者が悪質な場合の慰謝料の増額/兄弟姉妹の慰謝料/逸失利益の考え方/県立高校の教師のケース/主夫の逸失利益/女子年少者の逸失利益/顔の傷の男女差別/男は顔の傷の一つや二つでガタガタ言うな/顔の傷は減収をもたらすか/損保側医師による意見書/被害者のとる次への的確な一手/国税調査官並みの税理士の調査/ビデオ撮影の技術/同一の車を使っての実験映像/ナレーションを練る/夜の現場撮影/反論を封じるDVD/和解か判決か/和解決裂から判決へ/金額に差が出る和解と判決/和解するメリットは何か/注意すべき既払金の計算/損保の都合で和解を先送りする場合の「調整金」
『自賠責への時効中断』
自賠責保険金を受け取れるのに、その請求(被害者請求)をあえてせず、訴訟での解決をめざす場合、
忘れてはならないことがあります。
それは自賠責保険金の請求権が時効にかからないように確保しておくために、自賠責に対し、
時効中断の申請をしておくということです。
自賠責保険金の請求権は、死亡分であれば被害者の死亡時から、後遺障害分であれば「症状固定」時から、それぞれ時効期間が進行していきます。期間は二年です。二年以内に請求後行為をしませんと、時効にかかります。少なくとも被害者から自賠責保険会社に対し、直接、被害者請求することができなくなります。被害者から加害者に対する損害賠償請求権は時効期間が三年ですから、自賠責が時効にかかったからといって、加害者側の任意保険会社から一銭もお金がもらえなくなるというわけではありません。
しかし、権利はいつまでも確保しておく方が賢明です。
訴訟をしている間に、気が付いたら自賠責が時効にかかっていたということを防止するためには、
「時効中断申請書」(用紙は自賠責保険会社へ連絡すれば、送ってもらえます)を二通、自賠責保険会社へ郵送し、承認印を押して一通を返却してもらっておく必要があります。
そうすれば、承認印の日付からさらに二年間、時効期間が延長されます。
訴訟を提起すれば、自賠責保険金請求権の時効も進行を止めることができると勘違いされがちですが、
そうではありません。訴訟と自賠責とは全く別問題です。
第5章 もっともっと徹底的に出させる超絶訴訟戦略
弁護士の選択/自賠責保険金を先取りするかしないか/年五%の遅延損害金の付加/和解における「調整金」/被害者の経済状態が決定要因/自賠責への時効中断/加害者が悪質な場合の慰謝料の増額/兄弟姉妹の慰謝料/逸失利益の考え方/県立高校の教師のケース/主夫の逸失利益/女子年少者の逸失利益/顔の傷の男女差別/男は顔の傷の一つや二つでガタガタ言うな/顔の傷は減収をもたらすか/損保側医師による意見書/被害者のとる次への的確な一手/国税調査官並みの税理士の調査/ビデオ撮影の技術/同一の車を使っての実験映像/ナレーションを練る/夜の現場撮影/反論を封じるDVD/和解か判決か/和解決裂から判決へ/金額に差が出る和解と判決/和解するメリットは何か/注意すべき既払金の計算/損保の都合で和解を先送りする場合の「調整金」
『自賠責への時効中断』
自賠責保険金を受け取れるのに、その請求(被害者請求)をあえてせず、訴訟での解決をめざす場合、
忘れてはならないことがあります。
それは自賠責保険金の請求権が時効にかからないように確保しておくために、自賠責に対し、
時効中断の申請をしておくということです。
自賠責保険金の請求権は、死亡分であれば被害者の死亡時から、後遺障害分であれば「症状固定」時から、それぞれ時効期間が進行していきます。期間は二年です。二年以内に請求後行為をしませんと、時効にかかります。少なくとも被害者から自賠責保険会社に対し、直接、被害者請求することができなくなります。被害者から加害者に対する損害賠償請求権は時効期間が三年ですから、自賠責が時効にかかったからといって、加害者側の任意保険会社から一銭もお金がもらえなくなるというわけではありません。
しかし、権利はいつまでも確保しておく方が賢明です。
訴訟をしている間に、気が付いたら自賠責が時効にかかっていたということを防止するためには、
「時効中断申請書」(用紙は自賠責保険会社へ連絡すれば、送ってもらえます)を二通、自賠責保険会社へ郵送し、承認印を押して一通を返却してもらっておく必要があります。
そうすれば、承認印の日付からさらに二年間、時効期間が延長されます。
訴訟を提起すれば、自賠責保険金請求権の時効も進行を止めることができると勘違いされがちですが、
そうではありません。訴訟と自賠責とは全く別問題です。