1週間くらい前、宏美さんのオフィシャルサイトで、ニューアルバム『Eternal Voices』のCD収録・初回配信曲が発表になった。「恋人よ」「ワインレッドの心」という、われわれ世代にはどストライクの邦楽カバーだ。2曲とも五郎さんとのデュエットかと思っていたら、五郎ファンのブログなどの情報によると前者が五郎さんソロ、後者が宏美さんのソロと判明。

 

 昨日NHKラジオ『らじる★らじる』の聴き逃し配信で4日放送の『ラジオ深夜便』をチェック、ようやく宏美さんの「ワインレッドの心」を聴くことができた❣️😍この曲については、しばらく聴き込んでから改めて書くことにしよう。皆様には、アルバム全体に五郎さんがディレクションをなさり、楽器の演奏にも加わるなど、新たな宏美さんの魅力が発掘されること間違いなし、乞うご期待!とだけお伝えしておく。

 

 

 さて、本日のお題「愛の生命」は、「銀河伝説」と両A面のカップリングとなった、アニメーション映画『ヤマトよ永遠に』の挿入歌である。「女優」「摩天楼」のローテーションの間に挟まれた形でリリースされた、宏美さんの21stシングルとなる。作詞:山口洋子、作曲:浜田金吾、編曲:戸塚修と、A面と全く違う作家陣による制作となった。

 

 私は、「銀河伝説」よりもこの「愛の生命」を先に聴いた。発売より前の7月14日、『夜のヒットスタジオ』である。画面を食い入るように見つめながら聴き入ったことが、ついこの間のように思い出される。神秘的なムードさえ漂うこの曲、語るような歌い出しと、高音が伸びやかなサビとの対比があざやかなバラードで、感動を覚えたものだ。これもClmnt59さんがアップしてくれているので、感謝して視聴しよう。

 

 

 両曲とも歌詞世界は類似している。永遠(とこしえ、とわ)の愛をテーマに、銀河・星・宇宙などのキーワードが散りばめられ、『ヤマト』の舞台を思い起こさせる。曲の方はと言うと、宮川泰さんの「銀河伝説」がシンプルなマイナーの哀愁メロディーであるのに対し、浜田さんの「愛の生命」は転調を繰り返し、宇宙空間を漂うような気配を纏っているのだ。具体的には、イントロからAメロ「♪ 両手で愛を 抱きしめたら〜」はE♭メジャーで始まる。Bメロ「♪ またたく星の 永遠のきらめき〜」からは平行調のCマイナーに転調、「♪ 愛が見える 愛が見える」で元のキーのドミナントが鳴るが、E♭メジャーには戻らない。続くサビの「♪ また逢いましょうね 闇夜の果てに〜」からは、一瞬G♭メジャーに傾くも概ねE♭マイナーで推移するのだが、最後の「♪ 空ゆく風と光のよう」の「に」の音だけはE♭メジャーに戻って着地する。極めつきは、アウトロである。E♭m - E♭ - E♭m - E♭ と1小節ごとに揺蕩うようにマイナーとメジャーを行ったり来たりする、不可思議な雰囲気に包まれて曲を閉じるのだ。

 

 両A面とは言え、テレビなどの露出は「銀河伝説」の方が多かったが、実際の『ヤマトよ永遠に』の映画で使用されたのは、こちらの「愛の生命」だった、という話は「銀河伝説」の折りにすでにした。この両曲の扱いについては、西﨑義展さんサイドの意向や、宏美さんの事務所の考え方もあったかも知れない。

 

 

 嬉しかったのは、私が足を運んだ1980年7月20日の『Summer Holiday in Hibiya』では、ゲストで作曲者の浜田金吾さんが登場し、デュエットでこの「愛の生命」と、浜田さんの曲「Hotel Surf-rider」を聴かせてくれたことである。浜田さんの歌う「Hotel Surf-rider」を聴いて、宏美さんがどのように歌われたのか想いを馳せて楽しんでいただきたい。

 

 

 

 このコンサートは、私が初めて体験した日比谷野音のステージでもあるので思い出深い。上に貼った2枚のチケットの画像をご覧いただきたい。上側が当日券の立ち見席。もぎっていないのは、実はこのチケットを使用しなかったからなのだ。当日券を握りしめて開場を待っている時に、よそのお兄さんに声をかけられた。チケットが余ってしまった(画像下側)ので、安く譲ってくれると言うのだ。一も二もなく応じ、そのお兄さんと隣の席でコンサートを楽しんだのも懐かしい思い出である。🥰

 

 当時日比谷野音は録音や撮影が自由だった。何十年も経ってから、仲間から私にこのコンサートのビデオテープが回って来たことがあった。何度もダビングを重ねたのであろう、映像はほとんど宏美さんと確認できないくらい酷いものだったが、音声は確認できた。その記憶を辿ると、ゲストの浜田さんは「目よりもカメラが多く向けられている」と驚かれ、「宏美ちゃんのように声援されたい」とリクエスト。当時の親衛隊が「金吾!」と声を揃えて呼んでくれたのが微笑ましかった。😉

 

 10分足らずであるが、この年の模様がYouTubeにアップされていたので、最後にご紹介しておこう。残念ながら「愛の生命」のデュエットシーンはなかったが、当時の雰囲気がよく分かる貴重な動画である。ぜひ皆さん、ご一緒に懐かしいあの頃に帰りましょう❣️😍

 

 

(1980.8.5 両A面シングル)