考えることと集中することはNG | IAMIミュージックアカデミー

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MICHIKO DATE ILIEVA
目醒め、気づき、変化の日々を綴っています。
IAMIミュージックアカデミー、オンラインレッスンも行っています!

『ちゃんと考えてから音を出しなさい。』

 

『もっと集中しなさい。』

 

多くの人がレッスンで、言われたことのある言葉ではないでしょうか?

 

 

私たちは子供の頃から、

 

よく考えなさい、集中しなさい。

 

これをずっと言われてきてるんですよね。

 

 

一方、私や夫のレッスンでは、

 

『考えずにやってごらん。』

 

『集中しちゃダメだよ。』

 

とよく言います。

 

レッスンだけでなく練習をするときでも、

 

『とにかく考えずにただやる!』

 

というのはいつも言っていることです。

 

 

夫は本番での演奏中においても、

 

考える過ぎることと、集中し過ぎることは危険でしかない。

 

とも言います。

 

 

もちろん人によっては集中した方が良い人もいるんですが、

 

良い集中というのは、いろんな条件が整った上で初めて成立するものなんです。

 

多くの人は、正しい集中の仕方についてを知りません。

 

 

 

そして特に、技術を学んでいるプロセスにおいては、

 

考えないこと、集中しないこと、というのはとても大切だったりします。

 

 

けれども、『何も考えるな。頭を空っぽにしろ。』

 

と言っているわけではないんですね。

 

 

どういうことかというと、

 

人は考える生き物だからです。

 

 

自然にしていれば、いつでも何かを考えているのが当たり前なんです。

 

だからその状態から、さらにもっと何かを考えなくてはならない、

 

というのは、それ自体がもう自然ではない、ということです。

 

ストレスのかかった状態ですね。

 

 

必要以上に考えようとすることで、

 

私たちの機能にはブロックがかかってしまいます。

 

その結果、上達や成長をスローダウンさせてしまうんです。

 

 

考えよう、とするのではなく、

 

どこか頭の中に少し余白を持つことで、

 

自分の中の自然な機能に身を任せることができます。

 

 

そしてその方が、人はスムーズに成長していけるんです。

 

 

夫のクラリネットの生徒さんが、

 

レッスンですごくうまくいった時、

 

私が、『今演奏しててどんな感じだった?』と尋ねると、

 

生徒さん:『なんかまぐれで出来てる気がします。』

 

と言ってました。

 

 

とても正直な反応だと思うのですが、

 

きっと今までは、

 

慎重に考えて、それを忠実にやり遂げることで、

 

何かを掴んだ、できるようになった、

 

という実感が得られていたんだと思います。

 

 

けれども、今できるようになっている事というのは、

 

あまりにも自然な流れの中で、

 

自分の自然な機能を使って導かれたものなので、

 

以前のような、やった感、頑張った感、

 

みたいなものが感じられないんだと思います。

 

 

でも、それこそが正しい方向で、

 

それをただ考え過ぎずにやっていくこと。

 

無理のない、無駄のない、

 

自然で滑らかなモーションの中からサウンドを生み出す、

 

ということに、ただ慣れていく、だけで良いんです。

 

 

慣れるまでは、考えすぎずに思い切りやること!

 

これがとにかく大事です。

 

 

慣れてしまえば、それについてを考える必要もなくなります。

 

だって、洗濯をするとき、食器を洗うとき、お風呂に入るとき、

 

その行動ひとつひとつに対して、考えたりはしないですよね?

 

同じことです。

 

 

そして慣れてくると、

 

テクニックをどのように曲の中で使おうかな、

 

という風に、表現方法について考えることができるようになります。

 

 

つまり、技術があって、表現したい音楽が自分の中にあって、

 

心や思考が健全に機能していて、

 

初めて本当の意味で、良い集中を持てるようになるということです。

 

 

サウンドを生み出す手前やその過程で、

 

そのためのアレコレを考えることとは違うのが分かりますよね。

 

 

もうひとつ、考えない方が良い理由としては、

 

技術を学んでいるプロセスにおいて、

 

あれこれと考え過ぎてしまうと、

 

恐れや不安の感情とリンクしやすくなるからです。

 

考えることで、慎重にもなります。

 

そのことが、体の機能にストップをかけてしまうんです。

 

 

練習していて、煮詰まったり、モヤモヤしてしまう理由がなんとなく分かりますよね。

 

 

 

技術が身について、思考から解放されて、

 

サウンドや音楽を感じながら練習できるようになると、

 

練習はうんと楽しくなります。

 

 

『考え過ぎず、音楽を感じて楽しんで練習しなさい。』

 

これは夫がよく言うことです。

 

 

そういう練習ができるようになってくると、

 

練習しながら、自分でいろんなことに気づけるようになっていくはずです。

 

そして、自分自身が自分を導ける先生でいられるようになります。

 

それこそが音楽家としての自立と言えるんだと思います。ウインク

 

 

 

 

音楽って自然体じゃないと出来ないんですよね。

もっと我がままになっても良い、と思う。