こんばんは。


シベリウスとアイノは
新婚旅行としてカレリア地方を
訪れます。

(現在は大部分がロシア領内の

カレリア共和国になっています)



そこで現地の祭を観たり、
吟遊詩人の歌や物語を聞いたり
したことが、シベリウスの
今後の創作の大きな刺激に
なりました。



二人は新婚生活を始めますが
シベリウスには
深刻な欠点がありました。

浪費癖です。
留学したときから
わかってはいたのですが
有り金をぜんぶ遊興で
使ってしまい
借金を繰り返す癖があり、
結婚しても治りませんでした。

 



アイノは忍耐強い性格で、
夫の浪費に無言でした。

アイノの無言はシベリウスには
自責の念をかき立てられ
ますます遊興にハマるという
悪循環だったようです。


シベリウスはヘルシンキ音楽院で
教育や演奏などをして
生計を立てますが、

資料に教育は「週30時間」と
書かれているところから見ても
実質的には非常勤教師のような
扱いだったようです。

シベリウス自身、人に教えるのが
苦手でした。


シベリウスは苦しみ、
どこかの工場で肉体労働でも
しようかとアイノに相談しますが
それはやめにしました。





1892年、指揮者カヤヌスの依頼で
交響詩「エン・サガ(伝説)」
という曲を作曲します。
この曲は成功し、
初めてシベリウスの名声が
海外まで届くことになります。

資料には書いていませんが、
経済的にも助かったのでは
ないでしょうか。


翌1893年には、
娘エヴァが誕生します。

このことはシベリウスに
父親らしくあらねば、という
自覚を促したようです。


作曲によって生計を立てると
決心したかのように、
シベリウスは作曲に没頭します。

そして誕生したのが
「レンミンカイネン組曲」です。

この曲は4つの曲からなり、
実質的には交響曲と言ってもいい
外見をしています。


ちなみにレンミンカイネンも
「カレワラ」の登場人物の
一人です。
歌はありませんが、物語に沿って
曲が作られています。
 


現在では3曲目の
「トゥオネラの白鳥」が
単独で非常に有名です。

繊細で透明で、
はかなく美しいこの曲は
シベリウスの傑作の一つです。


4曲目の
「レンミンカイネンの帰還」も
カッコいい曲でよく演奏されます。


このレンミンカイネン組曲の
成功によって、シベリウスは
作曲家の地位を不動のものにします。

 


この成功によってロシア皇帝から
芸術家年金をもらえることに
なりました。
浪費家のシベリウスにとっては
十分な額ではなかったようですが(笑)

 



以後シベリウスは教育の仕事を減らし
専業作曲家へとシフトしていく
ことになります。
 

 
 

ちなみにレンミンカイネン組曲は
1曲目、2曲目もいい曲ですが
他のシベリウスの作品をいろいろ
聴いてからのほうが
わかりやすいと思います。



あと、明日は私用で泊まりに行くため
ブログの更新はお休みします。
ご了承ください。


それではまた。