こんばんは。


前回から大変ブランクを開けてしまい
申し訳ありません。


忙しかったというのもあるんですが、
キャラクターがいないのも
書きづらいですね。

 

 

今日は交響曲第9番です。


第二次世界大戦末期、
戦争の勝利が見えたころに書き始められ
戦争の終了後に発表された交響曲です。

 

 

 

ベートーヴェンが交響曲を
9曲まで作って死んで以来、


当時作曲家は交響曲を9曲作ると死ぬ、
というジンクスがありました。


このブログで取り上げた作曲家は
ブルックナー9曲、ブラームス4曲、
チャイコフスキー6曲、マーラー9曲、
シベリウス7曲、


そのほかにも
シューベルト9曲(古い数え方をすれば)、
ドヴォルザーク9曲
など9曲の壁を超えられないのです。

 

人々がショスタコーヴィチに
第9番に大曲を期待するのは
当然のことでした。

 


しかしショスタコーヴィチが
作ったのは、
ごく短い25分くらいの小曲でした。
シンフォニエッタと呼ばれます。


楽器の数も第7番、第8番に比べて
大幅に少ないです。


そして、かなり皮肉めいた
メロディーの多い曲でした。


大曲を期待していた
政府当局は怒りました。


第8番に続いて第9番でも
当局を怒らせたショスタコーヴィチは


やがてジダーノフ批判という
激しい批判にさらされます。


ジダーノフ批判については
また後日。

 


この交響曲はよく「軽妙」という
言葉で表現されます。


でも、軽妙と言えるのは
第1楽章、第5楽章と
第3楽章の前半だけで、
あとは陰気な音楽です。


第2楽章は怪談のBGMに使えそうだし
第4楽章は威圧的な金管で始まり
暗い闇をさまよいます。


この皮肉っぽい音楽を
当局が喜ぶはずもなく、
ショスタコーヴィチの立場は
悪くなる一方なのですが


当のショスタコーヴィチは
覚悟していたんでしょうか。
謎の一つです。

 


先に書いた「第九のジンクス」を
逃れるために、シンフォニエッタで
死神を欺いたという説もありますが。

 


それではまた。