一部上場のメーカー系の企業であったことは、
前に書いた。
参考「リーダーシップについて思うこと ~ 優秀な人達のはずなのに」
そこでの僕は基本的にエンジニアであった。
いろいろの仕事をしたが、長くやったのは、
社内ユーザー向けのCADソフトウェアのプログラム開発
であった。
で、僕は基本的に芸術家タイプのエンジニアで、
自分のアイデアを現実の物にするのが楽しくて、
遮二無二それをしょうとする、エンジニアであった。
もちろん、使ってくれるユーザーが増えるのは嬉しいので、
「ユーザーの方からこんな機能が欲しい。」
と言ってきた時には、最優先でその開発をした。
だけど、僕の頭の中には、
「こんな機能を加えれば、より便利になる。」
あるいは、
「こんな機能を試してみたい。」
というのが、それこそ一杯あって、
開発したいアイテムがつきたことはなかった。
だから、
僕はそれを開発するのに忙しかったし、
開発計画書の作成とか、使用説明書の作成とか
余計なことは、極力しないようにしていた。
参考「計画の計画をする人々」
大体、優秀なエンジニアなら、
作り手が何を考えているか、
自分ならどんな解決方法を考えるか
を推測すれば、そんなドキュメントなんかなくたって、
それがどういう機能かなんて分かるはずだ。
僕もユーザーの立場の経験もあり、その時そうだったから分かる。
大体、何んにも考えず、そこで待っていれは、
誰かが教えてくれるなんて考えは、
そもそも学生のもので、
社会人としてすでにおかしい。
「マニュアルがないから分かりません。」
なんて答えは、
そもそも、エンジニアとして無能な証拠だし、
分からなければ積極的に自分から聞きに行けなければならない。
僕のいた業界では、
昔は大型コンピューターに乗せた、
自社開発のソフトウェアを使って設計するのが常識だった。
それが、ハードウェアの能力の向上も相まって、
ワークステーションという,
パソコンよりは一回り速くて大きなコンピュータ上に乗せる
汎用化したツールを販売する米国系の、
ソフトウェア専業会社が台頭してきて、
そことの性能競争が激しくなっていた。
僕の開発していたソフトウェアは、
最新の製造技術への適合を図ったニッチな分野を狙ったもので、
各メーカー毎の製造技術に負うところが多く、
専業ソフトウェア会社が作る汎用ソフトウェアでは、
なかなか対応しきれない部分を狙って開発された物だった。
だから、
汎用製品との性能競争で敗れていく社内ツールが相次ぐ中で、
それらの汎用ツールと、最新の製造技術との間を繋ぐための、
無くてはならないツールとして、
その利用者は、むしろ拡大し、ほとんど社内全体に及んでいた。
で、CADソフトウェアと言う物は、
設計をするエンジニアが使うもので、
管理職が使うものではない。
管理職とは、開発計画書だとか、機能仕様書だとか、
いわゆる絵にかいた餅で判断する人達だ。
従って、僕の年齢が上がって、管理職が近づいた頃には、
目下のエンジニアには、
良い意味でも悪い意味でも、
知らない者のいない、超有名人だった。
一方管理職からは、
ドキュメントを書かず計画もしない、
何をやっているのか分からん奴
ってことだったと思う。
そんな行動を取れば、
出世しないのは、目に見えている。
それでも僕は構わなかった。
僕の行動の目的は、出世ではない。
「僕か立てた計画に従って、僕自信がそれを実現すること!」
これに尽きた。
つまり、それを達成する能力が僕にあることを、
僕が僕自身に証明することだ。
それに、
下手に出世したら、人の管理ばかりやらされて、
僕の作品としての
プログラムが作れなくなるではないか?
そして、僕が退職する直前には、
その達成はほとんど出来ていた。
すなわち、
僕の作ったCADツールと
汎用のCADツールを組み合わせて使えば、
設計ができる環境がだ。
そして、
社内のほぼすべての現場で、それを使って設計している状況も。
そういう状況で、会社が下した決断は、
なんと、
「今後、CADは全部外部から調達する、ついては開発は、全部やめる。」
だった。
その結論に従い、
「お前の仕事は今まで開発してきたノウハウを
ベンダーに伝え、開発させることだ。」
となった。
それが、
上司の命令と言うことであれば、
その会社にいる以上、それに従うしかない。
全く、本能寺の変が起こったようなものである。
結論は、「是非にあらず。」だ。
多分、いきなり梯子を外されたユーザーも多かったはずだ。
これが、僕が会社をやめた、根本的な理由だ。
その後、内部で何が起こったかは、分からない。
天国から、遠目で眺めていただけだから。
だけど、多分豊臣秀吉は現れず、混沌とした戦国時代に、
また戻ってしまったのだろう。
割り増し退職金をもらうことで、
自らこちら側にやって来る、
希望退職者という名の死者が続々といたからだ。
この失敗から得た経験を元にした、僕なりの解決策が、
このブログである。
その回答は、
「開発する前に、きちんと開発計画書を作り、
開発が終わったら報告書を作りましょう。」
みたいな、陳腐なものではない。
というか、
開発とは、試みで作ってみたからこそ、その問題点が分かり、
更なる開発案件があがってくるという
ダイナミックなものである。
思考と行動が相互作用することで、
当初思ってもいなかった発明をすることである。
それを、何も作らないうちから、
完璧な開発計画書を作り、
それに従って開発しようとするから、
陳腐なものしか出来ないし、
誰かが作った物の物真似になってしまうのだ。
で、その回答はこうだ。
・今回の作品は、プログラミング言語ではなく、
日本語で作る。
だから、その作品を構築するのに
コンパイルは必要ない。
特別な勉強をしなくても、
日本人なら誰でも見ることが出来る。
・それを開発することから、直接的にお金を貰うことは、
あきらめる。
だから、余計なちょっかいを出してくる
無能な上司はいないし、
何もできないくせに、文句ばかり言ってくる、
面倒臭い部下もいない。
「それをするな。」という権限をもつ第三者はいない。
だから、なんの制約なしに、僕は僕の作りたい物を
作ることが出来る。
・今回も、開発計画書や使用説明書の類いの、
ドキュメントは一切作る気はない。
そんなことは時間の無駄だ。
ユーザー(読者)に与える情報は、結果としてある僕の作品のみ。
それを見て、僕が何をしたいかが分からない奴は、
そもそも対象想定読者ではない。
もちろん、
個別に問い合わせてくる熱意を持っている奴を
拒むつもりはない。
だが、分からないまま放置している奴は、
以前と同じように、こっちもそのまま放置だ。
それで困った状況になったのがどちらであったかは、
前回の結果でも明らかだ。
だから現在の僕は、
僕が開発したいものを開発することが、
完璧に出来ているし、
それをさせてもらうためにやらなければならない
余計な仕事は
一切ない!
そんなわけで、今現在の僕は、
今までの社会人生活の中で、
一番幸福な状態にある
と確信を持って言えるのである。
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