律令国家の成れの果て | 本当の日本の歴史と、日本人を知って、自信を持つ日本人になるためのブログ

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日本の若者に、我々の先祖は、今を築いた立派な人達であることを理解してもらい、未来を切り開く自信を持ってもらうためのブログです。

閉塞した現代日本社会を打開するためにも、日本人としての自信を取り戻す必要があると考えており、そのための分析も試みています。

この教科書



だと中国の歴史を、清朝までの国家体制を封建主義とし、一瞬あ

った中華民国を資本主義、中華人民共和国を社会主義、共産主義

とすることで、無理矢理マルクス主義的唯物論を適応して、発展

する国の歴史を描いているけど、中国の歴史って、全然そういう

ことではないと思う。


こんな分析を中国人が本気でしているのか、言論の自由が無いか

ら、独裁者の言い分に従って口先だけ言っているのか、定かには

分からないけれども。これじゃあ、端から見ている日本人の方が

よっぽど彼らのことが分かっているや。


大体、封建主義というのは、土地(歴史的には農地と考えて良い

けど)の所有権を保証してくれる人の家来になるという政治体制

だ。だから、基本的に資産(農地)は個人の持ち物(私有財産)で、

その権利を保証してもらうために払う用心棒代が年貢だ。だか

ら、政府と言うものは軍隊で、力を背景に人々に強制するわけ

で、言い方は悪いけどやくざと同じ。


日本の幕府でも、中世ヨーロッパの騎士団でも、カリブの海賊で

も、好きに想像してもらえば良いけど、要するに強い奴が勝ちの

世界だ。


でも、中国の歴史はこれとは全然違う。どういう国家であるかを

学びたければ、遣隋使、遣唐使に聞けば良い。律令国家で、その

根幹は公地公民、つまり科挙で選ばれた官僚が法律で人民を支配

し、農地は国有地。確かに戦乱の時代は武力によって統一される

わけだけど、いったんそれが確立されれば、見事に皇帝のもと、

専制独裁の官僚制。


つまり農地は国家のもので、それを農民に貸し出し賃貸料をとる

形になる。つまり、中国の歴史は、農民が支配し、貧乏を分かち

合う世界と、外国勢力と結託した軍閥が暴利をむさぼる時代を見

事に繰り返しているわけだ。


で中国では、というか朱子学に染まっていた江戸時代までは日本

も、商売は卑しいものだと考えたから、前者の政治を清廉潔白、

後者の政治を腐敗乱脈と評価することが多い。時代で言えば前者

は宋とか明、そして初期の中華人民共和国、後者の例は、元、

清、中華民国という感じになるんだと思う。


中国では、1980年代くらいから市場経済を導入し始めてから発

展し始めるわけだけど、そうすると今度は貧富の差が大きくなっ

ちゃって、「こんなに不平等では、本当に共産主義革命が起きち

ゃうよ。」というような国になっちゃっており、「本当の共産主

義は日本のほうではないのか?」という状態になっているわけだ。


参考: 世界・収入不平等指数ランキング


本当は、全員が豊かさを分かち合う社会を目指さなきゃならない

と思うけど、中国でこれが出来た例はない。この教科書では、中

華民国を一部の軍閥だけが暴利をむさぼる腐敗した政治と非難し

てるけど、現在の中国も共産党幹部という名前の軍閥と一部の資

本家が外国資本と結託し、貧者を低賃金で酷使して、暴利をむさ

ぼる体制にあるわけで、たいした違いはない。


いずれにしても、中国は独裁制専制君主のもと、公地公民制、つ

まり全ての資産を国家が独占し、それを分配する仕組みで2000

年間国家を運営してきた国で、日本とヨーロッパは、その仕組み

が上手く回らなくて私有財産制になった国で、見方によれば、と

いうか1000年くらい前の時点で言えば、進んだ国家の運営体制

は中国だったと見ることも出来る。


ところが、ここ(参考 「ヨーロッパと日本が近代化に成功した

由」 )のような予想外の逆転現象が起きちゃって、現在に至

るわけである。


従って、アメリカ、あるいはオーストラリアと協調して対峙する

という話であれば、「あそこの共産主義国がわがまま言っていま

す。」といえば良いけど、日本人としての中国分析としてはそれ

では浅くて、律令国家の成れの果てが今もそこにあり、中大兄皇

子や聖徳太子が頭を悩ました2000年来の問題であるという認識

も必要であると僕は思うわけである。


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