異次元猫:ゴルド(Gordo)から
ゴルドです。
懐かしい台詞、と想ってくれる人がいたら嬉しいネ。
まだまだ旅は続くデスヨ。
その前にBrujaノコトネ。
いろんな文章書いているクセに、コメントやお返事がスゴク下手ナンダヨ。
デモ考えたみたい。
メッセージで「やめないでください」「楽しみにしています」「読みながら興奮します」そういったお言葉ヲ戴いて、お前は逃げ続けてキタんだゾ、て言ってやった。
いちばん大きなものは、お仕事で疲れたり、仕事に行く朝、憂鬱な人が、それでもこれを読んで勇気づけられた。そんなメッセージもタクサンもらって驚いてるノハBrujaです。
それが原動力(難しいコトバだね)。
都合が悪くナルと逃げるノハ最低だ。だからもう逃げない。
まだまだ走れヨ。
お礼にかえて:”真説ミリアムの魔術書”へ進む前に
今回はわたしが最も書きたかった「勝負」を最後まで書くことができました。
メッセージを下さった方々、GOODを押して下さった方、すべての読んでくださった皆様に感謝致します。
書いている途中、プライベートで様々なことがあり、文章にもブレのようなものが生じたと自覚しております。
そのためか、繋げて読むとわかりづらくなる部分もできてしまいました。そこは少しずつ修正作業をしようと考えています。
後日談のあと、スローペースになると思いますが、”真説ミリアムの魔術書”がこのまま続きます。
よろしかったらまたお付き合い下さい。
まずはここまでのお礼として。
Bruja(Miriam-magic-The-Witch)
BE YOURSELF NO MATTER WHAT THEY SAY.
PLEASE DON'T FORGET.
NO ONE IS PERFECT.
SANA VS SAMSON:12 勝者
「そうか、”氣”同士ではぶつかり合いになる。あえてサナは”魔法”を選んだのか」
ウィルソンが呟く。なんの感情もそこにはない。
ただあるがままを受け入れるだけ。最早ジャッジは必要なかった。
TU FUI, EGO ERIS,
それは破滅の呪文。
魔法なのだ。
サムソンは”氣”を練っている。サナが呪文の力を発動させるまで、おそらくあと数秒だ。
闘いに身を置くと、ほんの一分の時間でさえも長く感じるものだ。
サナの装束、黒地に蝶の模様。その蝶たちはそのまま生を受け、舞い上がった。
地鳴りがする。空はまだ薄暗い。
地震のように、揺れている。大きく。
リースロット大陸が、サナが心に作り出した世界そのものが終わろうとしている。
ケイティはサムソンの声を聴いた。
「そこを動くな! 必ず守る、もうひとりにはしない。あいつが何をしようと俺は絶対に抑えてみせる」
ケイティは黙って何度も頷いた。
そしてサムソンという男がはじめて人を想う心を言葉にしたことに涙がでた。
だから、もし、サナの術に敵わなくても、何も後悔はしない。
「ウィルソン様!」
ジュノーはウィルソンを振り返った。同時にゴルドが彼女の胸を蹴って飛び出す。
サナの許へと。
ウィルソンは叫ぶ、
「何があってもお前はわたしの最高の弟子だ、この馬鹿めが!」
意識が飛んだ、サナとサムソンだけが。
目には見えないドームに包まれている。無音の中、崩れ行くコロッセオ、震える大地を客観視するのは不思議な気持ちになる。
(わたしたち、武術家よ)
(そうだ)
(わたしは魔法を使った。あなたは氣を練った。でも・・・)
(俺たちは武術家だ)
(わかったみたいね)
(ああ)
二人は同時にドームから解放された。
土煙がウィルソンやケイティたちの視界を遮っている。
そのとき。
「勢威(せい)!!」
サナとサムソンの気合の声が重なった。
「サムソン!」
ケイティが叫ぶ。
サムソン! サムソン! サムソン!
(大丈夫だ)
え?
(勝ったよ。俺が。振動もすぐにおさまる)
少しずつ視界が蘇る頃。
そこに居合わせた者たちは見た。
サムソンの手刀がサナの胸を貫いているのを。
同じくサナも、サムソンの心臓を狙ったが、その手はサムソンのもう片方の手に摑まれ、寸でのところで押さえられていた。
「あなたの勝ちよ」
サナは汗まみれの顔で必死に笑顔を作った。
「ああ。俺の勝ちだよ・・・」
サムソンの腕から解放されると同時に、サナはあっさりと地面に倒れた。
ゴルドが駆け寄る。
「師匠!」
サムソンの声にウィルソンは我に返る。そして告げた。
「勝者、サムソン!」
倒れたサナの装束に刺繍されていたはずの蝶たちはもういない。
見上げると、空のずっとずっと高いところに蝶たちが舞っていた。そしてゆっくりと消えてゆく。
「サムソン、サムソン!」
ケイティがサムソンに抱きついて泣いた。
サムソンはしっかりとケイティを抱きしめながら教えてやった。
「朝だよ・・・・・」
SANA VS SAMSON:11
東の空が明るくなってきた。
夜明けは近い。雷が最後の雄叫びをあげて、静まろうとしている。
自ら身を引くように。
「泣いてもいいかしら?」
「なんだと?」
「勝負は次で決まるわね」
「ああ」
「お互いに何をするかなんてわからない。だけど次で決まるわね」
「そうだ。そしてお前は困惑している。最初からそうだったのか?」
「途中からだけどね、最後にわたし泣くと思うわよ・・・・・」
篝火はすでに消え、まだ太陽が姿を見せない今、青みがかった暗がりの中にサナがサムソンが、ウィルソン、ジュノー、そして猫のゴルドがいる。
ジュノーは胸に抱いた猫が”怒り”に包まれていることを知り困惑する。
それが誰に向けての怒りかすらわからないから。
サムソンは”氣”を溜めている。わかっている。そこにいる。
コロッセオの中に入るか迷って泣きそうになっている金髪の娘がいる。
”ケイティ”だ。
(心配で怖くてそれでもよくひとりできたな)
サナがどんな攻撃をしてくるのかわからない。だから”氣”を練る。
一体どんなことで泣きたいのか。それも気にはなる。
だが今は。
どんな攻撃がきても周囲の者・・・師匠、その恋人ジュノー、そしてケイティだけは巻き込まれないように巨大なシールドを張るのだ。
サムソンはもう攻撃を考えていない。
思うことは”守る”こと。それだけ。
気付いたのはジュノー、慌ててウィルソンに目をやる。ウィルソンもまた同時に。
同じことに気付いた。
「ウィルソン様、サナは・・・・・・」
「ああ・・・・・・あれは”魔力”だ。サナは呪文を唱える準備をしていたのだな。”氣を練る振り”をして・・・・」
「止めるべきでは?」
「ムリだよ。モウ遅い」
ゴルドが呆れた口調で言った。
「失念だった。これで、終わりだな」
ウィルソンが見るのはジュノー。この二人にはわかる。
すべてを終わらせる魔法。エヴァンが命がけで書き残した。
本当の言葉。魔術書、古文書が意味するそれ。
TU FUI, EGO ERIS.
唱えればすべてが終わる。
そのことをサナはエヴァンの記憶で知ったのだ。
「そうか・・・魔力さえもっていれば。サナを”武術家”としか見ていなかったからな」
ウィルソンの呟きには諦めと少しの安堵が含まれていた。
なぜなら半永久的な命からジュノーと共に解放されるときがきたのだから。
そのとき。
「ばーか、サナはな、イマは魔法をツカウけど、”武術家”であることに誇りヲもってイルンダ。忘れるなヨ」
心の底から人間を馬鹿にしてやった。
結局自分に都合良く考えることしかできない生物、それが人間だとゴルドは思っている。
こんなときに謎かけをされたようで、ウィルソンとジュノーは戸惑うばかりだ。
突然、意を決したように、闘技場に金髪の娘が飛び込んできた。
ケイティだった。
勝負はもう終わる。








