真説ミリアムの魔術書・武術家たちの誇り (THE REAL FIGHTERS)  -4ページ目

最後の入口


真説ミリアムの魔術書・武術家たちの誇り (THE REAL FIGHTERS) 

ここから飛び込む120年後の世界。



ちょっと肩慣らしをするかい?

時間は?

『時間はあるの?』

『あるはずよ』

『できるのぉ? ほんとに』

『できると信じるしかないわね』

『理想論よ』

『あなたあちらの世界に行きなさい、早く』

『あのこ取り扱いがたいへんそうなんだもの』

『昔のあなたでもあるのよ』

『そうでした』

『だからサナ。早く昔のサナに会いに行きなさい。いいこと、死人はださない約束よ』

『もうでてたらどうするの?』

『…揚げ足とらないで。あなたならなんとかできるんでしょ』

『わかってるってさ。あのねえ。あなた誰なのよ?』

『このミッションを終わらせたら教えてもいい』

『教えてもいいってか。確定じゃないのね』

『いいから!』

『はいはい。行きますから』

ねえサナ

笑っていればいいのに。
気難しい顔ばかりするもんじゃないわ。

これからそっちへ行くから待ってなさいな。
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SANA VS SAMSON "LAST EXIT" 16

ミリアムは本名をエリザベスという。


どこにでもいる平凡な娘で、19歳で結婚していた。やがて娘が生まれ、女性として、母としての幸せを実感する生活が始まると思っていた。


天が荒れ、数日に渡る嵐のあと、娘を見失うまでは。


エリザベスは夫に家を任せ、周囲が引きとめるのも振りほどき、石の遺跡”ロカス”へ旅立った。


岩と砂だけの土地。


そこにリースロットの神がいると信じられていたから。エリザベスは神に娘を返してもらえるよう、懇願するつもりでいた。


そして神に会った。


娘もその手に戻ってきた。


その代償として、終生、リースロトの統治者として生きる運命を課せられた。



そして娘は妖魔として甦っていた。


嵐の折、娘はすでに絶命していたのだ。”リリス”という、同じくリースロットの天災によって瀕死の重傷を負っていた妖魔と魂を分け合ったのである。


それでもよかった。娘が生きてくれるのならば。


本当によかった。


それなのに娘はあっさりと毒殺された。


エリザベスは”ミリアム”として娘の敵を追う決意をした。神から罰が下ろうと、そんなことは怖くもなかった。

復讐のために統治者としての力を使うことに、何の迷いも罪悪感もない。



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宝石の柩

生きてるってことは。それそのものには、意味はあんまりないのかもしれない。

最期のときがきてあれこれと思いを巡らせるときに、そこに誰が何が見えるかが関心事なのよ。


生きていればいいことがあることは間違いないわ。でも悪いこともオマケのようについてくる。

悪いことのほうがインパクトが強いから、すべてが終わってしまったと錯覚するときもあるかもしれない。

実際には半々なのだわ。
辛いことにも慣れたほうがいい、強いショックを受けたときの耐性ができるから。

ただ明るいだけだと、ただ一回の失敗で自決する人間になる。

そんな人を昔見た。

ただ生きるのね。屋根があって着るものがあって食事ができればそれは満たされていること。


宝石に囲まれた生活があったとする。

それは金銭的にあなたの人生を寿命まで保障してくれるだろうね。が、あなたやわたしを抱きしめてはくれない。

語りかけても、なにも答えてはくれないのよ。

そんな生活で満たされる人は、もう違う次元に心を持っていかれているのと同じ。

笑って生きてるほうがいい。誰がどう言おうが。