真説ミリアムの魔術書・武術家たちの誇り (THE REAL FIGHTERS)  -36ページ目

サナを制止する男 ケヴィン・ナッシュ


「やべえ! うあああああーーーー!!!」


男がまだ雪の残る斜面から見事に頭から滑り落ちてきた。


わずかな雪で遊んでいた”水の王国:コルシオン”の子供たちは、一斉に声のした場所に集まった。


そこにいたのは、見たこともない顔立ちの大人の男。


誰もみてはいなかったが、突然、宙に亀裂が走り、その隙間からこの男は落ちてきた。そして落下地点は幸いにも雪の上だったのだが、坂道の真ん中だったのである。


「いやいや・・・・」


”お兄ちゃん、大丈夫?”

子供たちはこれといって警戒心を抱くでもなく、男に視線を集める。

この人怪我してないかな? まともな家庭であれば、”困っている人は助けましょう”と教えるであろう、それを実践している真っ最中といえた。


「お怪我は?」

女の子のひとり、特に心の優しいマグノリアが尋ねた。


「んーーーとね、うん、平気。大丈夫、うんうん」


男はことのほか照れ屋なのだ。

体中についた雪を払い落としてから、改めて口を開いた。


「ここは・・・・どこかな? たとえば、なんていう名前の国?」


「コルシオンだよ」

ひとりの少年が教えてやった。


「ありがとう。そうか・・・じゃあバコスタ島には遠いね・・・・」


失敗した。そんな顔をする男にマグノリアはきょとんとしていた。


「お兄さん、そこはここからいちばん遠いお国よ。それにとっても危ないみたい。サナって女の人が何かしようとしてるって噂だけどね」


「だからさ、俺たち夕暮れより早く家に帰れって言われるようになったんだよ。迷惑なことするね。大人って」

少年は少し大人びた口調で言ったが、遊び盛りの子供たちの本音を代表して言ったようなものだ。


男は「あ!」という顔をしてしばらく口をパクパクさせていた。

どうにも嘘をつけないタイプだ。

・・・・・・いいことなのだが。



「あーーえーとね。俺はその女に会うためにきましたよ、まさしく。ごめんね、かわりに君たちに謝るね」


「なんでお兄さんが謝るの?」

マグノリアが尋ねる。


他の子供たちも同様に「訳がわからない」という顔をしている。


「あのね、俺はケヴィン・ナッシュといいます。うーんこの世界じゃそんな名前か? 俺? ま、いいとしてね。そのサナという女と同じ世界で生まれてここにきました」


「サナって人の・・・世界? 世界はここでしょう?」


「まだ難しいかな? 君はなんていうお名前ですか?」


「マグノリアよ」


「ありがとうマグノリア。他のみんなもね。えーと、みんな怒るかもしれません、先に言っておくよ」


「お兄さん悪い人なの?」


少年が誰よりも前に出た。おそらく遊び仲間の中で、一番年上なのだろう。体も大きいほうだ。


「悪いかどうかはわかりません。でももしかしたら謝らないといけないかもしれないんだね。ここはまだ無事なのかな?」




「不思議な魔法で大陸が大きく揺れた。コルシオンは、リースロットの中でも神様のご加護が強いから、大きな被害はなかったとお父さんから聴いたわ」


「そういう国があってよかったよ」


「お兄さん・・・誰ですか?」


「そうそう謝らないといけないのはそこです。俺はサナのお兄さんです。彼女を止めにきました





レグレサス島を生きた者たちへ


1,500年前に命を懸けた、あなたたちが本来の主役。


語り手のわたし共々。


これは命令。サムソンたちを倒しなさい。

ミリアムも含めた我が物顔でこの世界に生きる輩を。


そこから本当のリースロット王国が蘇る。


魂になったあなたたちを現在のリースロットに生まれ変わらせる。

そこからが本当の物語。






フェイント

いまの年齢になってからこそ、これをやりたいあれになりたい、なんてものが多すぎて迷う。


楽しい迷いでいいことだ。


昔感動した音楽を爆音みたいに聴きながら過ごすのは最高。



最近では子供の頃から書いていたものが頭の中で爆発しそうで書きたいことが多すぎて

ブログでは足らなくなる。


不器用だからいまさらブログをもうひとつ創るようなこともしない。


今何を書いているのかよくわからない。


音楽に精神は集中している。


あとで読み返して 滅茶苦茶ねえ とか思ってもかまわない。


いまはそんな感じだね。


せめて本編に近いこと書くなら、”リースロット大陸”はもともと”リースロット王国”って国だったのね。


いまは幻の王国。


これから出てくる。


サナとカーラが呪文を唱えて復活させてくれるはず。



・・・・・・・それとも、ここでいう”その他”に該当することだけ書く。「独り言ブログ」創るか? 読みたい人いらっしゃいますか?

話を進めながらいきなり”その他”が入ると読みにくいし、自分でもますますなんだかな、になるもんね。


んー? ふふふ♪

こりゃ本格的に頭おかしくなったねわたし。でもよく見なさい、自分、これがあなたよ。



新世界リースロット その答えを求めて



バコスタ島。


サムソンとリリスはリースロット大陸が半壊滅状態にあることを知った。


「俺はあの女を倒した。なんでいまさらこんなことになる?」

怒りは行き場もなく、半ばリリスに当たってしまっている。


リリスは母親であるリースロットの統治者・ミリアムの身を案じながらも信じている。


母様ならこの苦境を打破できる。サムソンは一時の感情で行動する男だ。

そんなことはもうわかっている。


ならば恋人である自分がその何倍も冷静である必要がある。



冷静に考える。そうよ。


サナ、ね。わたしは会ったことがない。


この世界を本当に創り出し、操っていること、またそれができるのは”魔女・Bruja”。

サナがそのまま魔女の分身であるなら、案外答えは簡単。


”Bruja”自身に聴けばいい。


リリスはそう考える。


自分のまだ知らないところで闘っている誰か、何かが存在する。


サナは? その魂を分けたカーラという女は?


もっと単純に思考を巡らせるの。



わたしたちは言葉を持っている。



まずは話すこと。


できないと決め付ける前に、やってみること。


興奮を抑えられないサムソンの隣で、リリスは冷静に考える。



世界を新しくする必要があるのなら、その理由を追究する。

敵対する必要はどこにあるのかを明らかにする。


リリスは”Bruja”に語りかける。


新世界を創造する理由は何ですか? そこでわたしたちは何をすべきですか?


ロバートという青年だったアダムはこの地にいるはずです。


1,500年の歴史。様々な魂。


その答えをあなたは知っているのでしょう?







カーラの願い



カーラはサナの意識下で、それでも自我を守っていた。


声は魂となったミザリーという少女に向けて発する。


「サナには弱点がある」


「・・・・・・・わたしに言って・・・・どうする?・・・・わたしの命? 体? どこ? あなたはいつの時代の存在?」

ミザリーの魂が答える。


「この女は常に闘っていた。わたしでもあるのに、わたしでもわからない闇の部分がある」


「いつの? 誰の?・・・・・・・あなた誰?」

ミザリーは現実として死んでいる。この会話はかなり困難だった。


「知っておいて。必ずサナはあなたの”膂力”を求めてここへきます。

彼女の最大の弱点は”自決できない”ことです。

だから、常に闘いで物事をすませ、またその中で消滅を願う」


「・・・・わたしに・・・・何が?」


「・・・・知っておいていただければいいの。わたしもなんとか、サナと分裂するよう試みているところですから」


魂との会話はそこまでがやっとだった。


それでも急がなければ、サナは愛猫のゴルドまで殺してしまう

しかし、奇妙。





本来サムソンにも勝てるだけの実力をもったサナが、また闘おうとしている。


カーラは意識をそのことに集中させた。


しばらく沈黙し、カッと目を見開いた。



サナは”自決ができない”。だからといって何かと危険を冒す理由などあるのか? 

それは、今ならばある。


誰かに殺されれば、サナの魂は冥界へいく。


そして今、冥界の入り口では、”審判の剣(SWORD OF JUDGEMENT)”をもったケイティが番をしている。


サナはその剣を欲していた。


いま闘う理由はそこ、それ。

どうせ殺されるのなら愛猫に、とでもいうの?


サナ、あなたは本当は何がしたい。わたしはあなたでもある。

わたしにも、そう、カーラというもうひとりのあなたにも教えてはくれないの?