生き残りゲーム:Cyber Commander
プライベートルームも、ロッカールームも化粧室も、とにかく女性用はガラガラ。
誰が好んでこんなところに、ってかとわたしは思ってたけど、なんか違うみたい。
みんな戦死してるの。
それで万年人員不足なのね、て感心してる場合でもない。
「次はわたしですかー?」
とか声に出して言ってみる。
やってることは相変わらずデスクワークだけど、ボスは「週に最低でも三回はトレーニング施設でエクササイズをすること」と言ってたか。
言われなくてもやるし、「わたしはほとんどのエクササイズマシーンを使いこなせますわ」と答え、少しでも過去を取り戻そうとする自分も意識せずにはいられない。
ここに拾われて一ヶ月? そのくらい。
わたしはまだ「MARIS.?」のネームプレートのまま。
男性とも会うことは会う。
みんないかにも戦士って感じね。しかし、この一ヶ月で何人死んだ?
コンピューターに生存記録を入力するのもわたしの仕事。
ぼんやり考えていた。
ボスが言っていることは、要は体を鍛えておけ。ってことで、やっぱりわたしも利用されている。
・・・・・・・生き残ってやるけどさ。
そういや、負傷者リストに”セッシュウ”っていうどうやらわたしと同じアジアンらしいのをみつけた。
ちょっと会ってみるか。
国境のない世界:Cyber Commander
生まれつき勘がいい人がいる。
わたしもそれに入る。
ここ、どうも軍隊らしい。正直、わたしはここに拾われるまでの記憶がない。
どうなってるのさ? たぶん、誰にもどうにもできないんでしょう。
わたしの役割はなんだか事務仕事みたいなもの。昔やった記憶があるような気がする。
きっとそんな仕事をするごく普通の女の人だったのねえ・・・。
自分でそんなこと言ってたら思いやられる、先が。
わかるかって。ここは戦地みたい。
そうじゃなくても、命令ひとつでいま生きてる人が死体になりに行くってものだわ。
わたしはアジアンで、金髪とか緑、青い目なんて人、色の黒い人たちが混ざってるここでも変わり者に見られる。
外見と言葉でアジアンだとしかわからない。
しょうがないから、上官はわたしに「マリス」という名前をつけた。
胸のネームプレートには「MARIS.?」と刻まれてる。
「?」は何かって、姓がわからないってこと。
わたしにも、わからない。
わかる? あのね、戦争でドンパチやってかっこいい! なんて思えるのはお気楽な証拠。
めでたいわね。
ここにいたらほんと、何時死ぬかわからないわ。そこに拾われた、てことは
「何時何処に誰の命令で出撃せよ」
つまりは死んでこい、てことね。
笑わせないで。
わたしは生き残ってやる。
喧嘩の最上級が戦争なんだとわたしは思ってる。
さて・・・・・。
書くことで
一時的なものだろうけど、精神面に限界きてるから、下手でも滅茶苦茶でもいいから書くだけよ。
認められるとかそんなことは関係なく、満足したらパソコンじゃなくて原稿用紙に書くわ。
すべては「手」が知ってるのよ。
”REAL FIGHTERS”がいちばん気に入っている。
基本はそのままでもう一度書き直したい。
最期の告白
・・・・・・・・・・・。
”失礼は承知で発言いたします、隊長殿”
・・・・・・・・・・・。
”そんなに怒ってばかりいられてはお疲れになります。部下とはいえ上官とはいえ仲間ともなれば、目的の為にもあえて心を・・・・”
黙れ。
殴り倒された。
”失礼致しました・・・・・・・”
馬鹿者が。
怒鳴ってばかりで寂しいに決まってるだろう。
そうしなければ、己にも他者にも厳しくなければ死ぬ。戦地に行くとはそういうことだ。
違うか?
・・・・・・・そうかそんなところに身を置いているからこそ、笑顔も必要だったのだな。
その回想の数分後、ウィルソンは冥界に送られた。
「冥界すら危険ないま、あなたが償いの意味をもってしても、守ってくださいね・・・・・」
願いと復讐。
入り混じる感情。
ジュノーは短刀をもって洞窟を出た。
人魚はやはり何も言わない。