10月のこと、ちぃさんと築地で待ち合わせ。
築地の空はどんよりと鉛色、細かい雨が降っている。
今日のランチのお店は、細い路地の奥に佇む古民家。
ここは鉄板焼きの名店、『黒澤』。
看板も何も無いので、知らないと通り過ぎてしまう。

ここが『黒澤』だとわかるのは、”黒澤”と書かれた表札のみ。
日本家屋だが、靴を脱がずにそのまま玄関から上がることが出来る。
壁には今日の肉の産地が書かれた黒板。
ここはなかなか予約が取れない人気店。
今回も二ヶ月以上前に予約を取得。
私たちの席は、埜瀬料理長の前の特等席。
紙のプレースマットの絵は、季節感があるキノコ。
ちぃさんと「お誕生日おめでとう」、「ありがとう」の乾杯。
月を跨いでしまったが、一応今日も誕生日のお祝い。
泡がクリーミーで美味い。
今日は”明(あきら)コース”をお願いしている。
黒澤明監督の名を冠したコース。
ここは監督の息子さん、黒澤久雄氏が運営するお店。
前菜三種盛りが届く。
珍しい、コチの刺身。
ちぃさんがコチを知らないと言うので、どんな魚か説明。
鴨の赤ワイン煮。
ローストビーフに見えるが、白ネギの下には皮の部分があり、鴨だとわかる。
洋風冷製茶碗蒸し。
冷たい濃厚な茶碗蒸しが美味い。
埜瀬料理長が鮮魚のソテーの準備を始められた。
今日の鮮魚は外房産の鱸。
ヘラで皮を剝ぎ、皮煎餅を作る。
生ビールを飲み干すと、選んでおいた赤ワインを抜栓。
ここに来たら必ず選ぶ、好きな造り手のワイン。
ジョエル・ゴット、ジンファンデル、カリフォルニア、2022年。
ジョエル・ゴットは、ナパを始めカリフォルニアで数店舗の人気レストランを経営すると共に、このワイナリーを運営。
ナパにある彼のレストラン、『Taylor’s Refresher』は何時も行列の店で、私も食事をしたことがある。
ワインメーカーは著名な醸造家のサラ・ゴットで、ジョエル・ゴットの奥様。
ちぃさんと乾杯。
ラズベリー、ブルーベリーの豊かな果実味。
カカオ、ストロベリーのコンフィチュールのニュアンスに、スパイスのヒント。
樽由来のバニラ香も心地よい。
セパージュは、ジンファンデル90%、プティ・シラー、シラー、アリカンテが合わせて10%。
熟成はアメリカンオークの樽(新樽比率25%)で8ヶ月、アルコール度数は14.4%と高い。
鱸のソテーの出来上がり。
身のソテーの上に乗っているのは、皮煎餅。
これがパリパリで美味い。
添えられている野菜は、ブロッコリー、ほうれん草、プチトマト、そして秋の山菜、みずの実。
みずの実は一本のみずから4~5個しか取れない貴重な山菜。
ちぃさんと過ごす、築地の素敵な午後は続きます。



















