9月のこと、彼女と日本橋のリストランテ、『代官山ASO チェレステ日本橋』で過ごす、楽しい夜の続き。
今夜はシェフの特別コース料理とワインのペアリングを楽しんでいる。
白は、私が好きな造り手のワイン。
ヴェネト州のピエロパンが造る、ソアヴェ、クラッシコ、2023年。
ピエロパンはソアヴェ最高の造り手。
平地で栽培されるぶどうで造られるソアヴェはフレッシュ&フルーティ。
それに対し丘陵で栽培されるぶどうで造られるソアヴェ・クラッシコは厚みのある果実味とミネラルが特徴。
熟したパイナップルやパッションフルーツの香り。
豊かな果実味を活き活きとしたミネラルと酸が包み込み、リッチで複層的なボディを形作っている。
セパージュは、ガルガーネガ85%、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ15%。
アンティパストミストが届く。
桜えびのゼッポリーニ。
ゼッポリーニと言えば中に練り込まれているのは海藻だが、これは桜えびを使った進化系。
下に敷かれているのは、シラス。
戻り鰹の土佐酢マリネ。
鰹に土佐酢を合わせるとは、高知県人が喜びそう。
今年は戻り鰹が北上せず、気仙沼港ではなく銚子港に大量に水揚げされている。
チーズの茄子巻き、トマトソース。
茄子、トマト、チーズはとても相性が良い。
この三つの食材を合わせるとは、まるでギリシャ料理。
信州サーモンの燻製、イクラとオレンジ添え。
ねっとりと脂がのった信州サーモンが美味い。
生ハムとモッツアレラチーズと無花果。
これは定番の美味しさ。
このアンティパストでソアヴェが進む。
今夜はペアリングでお願いしているが、二杯目を追加。
パンが届く。
お供はホイップバター。
新たにスタッフに加わったソムリエの苅部さんが大きなボウルからスプーンで取り分けてくれたが、まだ練習不足。
綺麗な卵型にはなっていない。
二種類目の白は、北イタリアのヴァイスブルグンダー=ピノ・ブラン。
トレンティーノ・アルト・アディジェ州のアルト・アディジェ=スッドチロルのサン・ミケーレ・アッピアーノが造る、シュルトハウス、ヴァイスブルグンダー、2022年。
アルト・アディジェはイタリア領でありながらドイツ語圏。
そこでワインの表記もドイツ語とイタリア語の両方の表記。
サン・ミケーレ・アッピアーノもザンクト・ミヒャエル・エッパンとドイツ名で記した方が良いかもしれない。
シュルトハウスは、エッパン(アッピアーノ)村の近くにあるモース・シュルトハウス城に因んだ名前なのだろう。
オレンジやレモンの香りに続き、パイナップルや熟した洋梨のニュアンスも。
濃厚な果実味とミネラルを持つ、力強いボディ。
アルコール度数も14%と高い。
プリモピアットが届く。
気仙沼産秋刀魚のアーリオオーリオ、北海道小麦のタリオリーニ。
今年の秋刀魚は大振りで脂ものってうまい。
皿の縁には、ヒラタケと秋刀魚。
こちらはハナビラダケと秋刀魚。
パスタの上には秋刀魚の肝。
パスタに和えていただく。
果実味もミネラルも強いヴァイスブルグンダーが秋刀魚の脂を優しく包み込んでくれる。
秋刀魚に合わせるワインと聞くと海に面した畑のワインを予想したが、海のない山岳部のワインを選ばれたのは想定外。
アルプスを中心とした山岳地方はミネラルが豊富なので、秋刀魚にも良く合うのだろう。
彼女と過ごす、日本橋の素敵な夜は続きます。





















