9月のこと、ちぃさんと丸のフレンチ、『エリックス バイ エリック・トロション』で過ごす私の誕生日のお祝いの続き。
ここは、フランスの人間国宝と称されるM.O.F.(国家最優秀職人賞)に輝くエリック・トロション氏の名を冠するお店。
アミューズブッシュが届く。
何故か写真はボケボケ。
真鯛のブランダードのクロケット、オマール海老とマヨネーズのソース。
一口で頬張る。
美味い。
今夜の料理への期待が一挙に高まる。
今日は私の誕生日のお祝いに、大塚店長がスペシャルなシャンパーニュを用意してくれた。
ルグラ・エ・アス、ブラン・ド・ブラン、グラン・クリュ、ブリュット。
シュイイ村のシャルドネ100%で、瓶内熟成期間は52ヶ月と驚くほど長い。
第一のアントレは、地だこ、バジル、ガスパチョ。
メニューにはこの三つの単語しか記載されていない。
三つの単語から料理を想像するのだが、何時も想像を超える料理が出されるのが素晴らしい。
バジル入りのクスクスの上に、山形県産の真蛸。
でもガスパチョが無い。
大塚店長が現れ、ガスパチョを皿に流し込んでくれる。
光の加減でガスパチョの色が綺麗に出ていない。
料理がぱっと美しくなった。
蛸はライムでセビーチェにされている。
一番上にはバジルの新芽。
ここのカトラリーは、ミズサワオリジナルのSolシリーズ。
バゲットは美味しいが、食べ過ぎ注意。
料理の品数が多いので、パンを食べ過ぎるとお腹がいっぱいでヴィアンドを食べられなくなってしまう。
第二のアントレは、山形豚、メロン、パセリ。
コンソメのゼリーの中には、山形豚のジャンボン・クリュ、シェリーヴィネガーでマリネしたエシャロット。
薬味はパセリと粗挽き胡椒。
添えられているのは、ズッキーニとアンデスメロンとフェンネル。
美味しいアントレでシャンパーニュがどんどん進み、早くもボトルを飲み干してしまった。
二本目のシャンパーニュを抜栓。
二本目にはロゼを選んだ。
フランシス・オルバン、ブリュット・ロゼ、ムニエ。
名前どおり、ピノ・ムニエ100%のシャンパーニュ。
メゾン・オルバンの四代目、フランシス・オルバンがヴェレ・ド・ラ・マルヌ地区のルヴリニー村で2007年に新たに立ち上げたメゾン。
ピノ・ムニエの栽培で高評価を得ているメゾンだ。
ちぃさんとロゼのシャンパーニュでも、「おめでとう」、「ありがとう」の乾杯。
フランボワーズ、ストロベリー、レッドチェリーなどの赤系果実の香り。
豊かな果実味の中に赤ワインを感じ、バラやスミレのニュアンスも。
以前はムニエのシャンパーニュには苦手意識があったが、ドミニク・ブシェのお店で彼の名前を冠したムニエのシャンパーニュを飲み、その美味しさに目覚めた。
このミュズレもコレクションに追加。
第三のアントレは、鰹、茄子、大蒜。
千葉県産鰹のクロケット。
昨年までは戻り鰹の水揚げは気仙沼港が中心だったが、今年は鰹が北上せず、銚子港での水揚げが増えている。
鰹のクロケットの下には、茄子のピュレ。
上には、トマトソース、江戸前ハーブ、大蒜のチップ。
鰹のクロケットとロゼのシャンパーニュが良く合って美味い。
鰹はレア。
謂わば鰹のレアカツ。
入店した時はまだ明るかったが、秋の日は釣瓶落とし、もうすっかり暗くなり東京駅丸の内駅舎が明るく輝く。
ちぃさんと過ごす、丸の内の素敵な夜は続きます。