今月のこと、彼女と銀座の馴染みのフレンチ、『ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座』で過ごす楽しい夜の続き。
パンが届く。
星野シェフの時はバゲットだったが、鈴木シェフに交代し、プティブールになった。
ポワソンは、高知県産イトヨリのバプール、白ワインソース。
イトヨリダイの特徴である黄色い線が綺麗に見えている。
鯛の名が付いているが、鯛ではなく鱸の仲間。
ふわっと柔らかな白身にブールブランソースが良く合う。
緑はプティポワのピューレ、赤い野菜は赤キャベツのスプラウト。
アンチョビソースとトマトのタルト。
手で摘まんでいただく。
白ワイン二種の並行飲みも楽しい。
右は、シャトー・ロスピタレ、ラ・クラープ、グラン・ヴァン・ブラン、2020年。
左は、ドメーヌ・ド・シャトノワ、クレマン、ムヌトゥー・サロン・ブラン、2021年。
ぶどうは、ソーヴィニヨン・ブラン。
ヴィアンドに合わせ、赤ワインが出される。
今日の肉料理に合わせて竹内支配人が熟慮の末に選んだワインは、ドメーヌ・アルロー、ブルゴーニュ・パストゥグラン、2020年。
ドメーヌ・アルローは、モレ・サン・ドニのトップ生産者の一人で、三代目の現当主、シプリアン・アルローは100年に一人の逸材と評される醸造家。
華やかな赤系果実の香り。
パストゥグランとは思えないほどの果実の凝縮感と熟成感を持ち、しっかりとした酸とタンニンも心地よい。
これは今まで飲んだ中で最高のパストゥグランだ。
セパージュは、ピノ・ノワール50%、ガメイ50%、熟成は樽で14ヶ月。
モレ・サン・ドニとシャンボール・ミュジニィの樹齢30年のぶどうを使用。
ぶどう栽培はビオディナミで、バックラベルにはビオディナミ認証のビオディヴァンとオーガニック認証のユーロリーフが付いている。
ヴィアンド用に、二個目のプティブール。
ハンガリー産マグレ・ド・カナールのロティ、アピシウスソース。
何時もはフランス産なのだが、今夜は何故かハンガリー産。
鴨の焼き色が素晴らしい。
鴨のアピシウスソースは、17世紀ローマの美食家アピシウスが愛したと言われる料理。
オレンジはニンジンのピューレ。
『ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座』の先代シェフ、現在の『ジャルダン ポール・ボキューズ』のシェフ、星野さんの鴨肉のソース・アピシウスのYouTubeがあるので貼り付けておく。
付け合わせは、ジャガイモのガレット、スティックセニョール。
マグレ・ド・カナールのソース・アピシウスは最高に美味しく、ドメーヌ・アルローの濃厚なパストゥグランが良く合う。
今夜のデセールは、フォンダンショコラとキャラメルのアイスクリーム。
熱々のフォンダンショコラは大好物。
切り分けると、チョコレートソースがとろけ出てくる。
熱いフォンダンショコラに冷たいキャラメルのアイスクリームは素晴らしい組み合わせ。
濃いコーヒーで今夜を締めくくる。
気が付くと、広い店内はほぼ満席。
やはりレストランは活気がある方が楽しい。
竹内支配人に見送られ、満腹満足で店をあとにする。
外堀通りを数寄屋橋交差点に向かって歩く。
振り向くと、「マロニエゲート銀座1」はひと際背が高いので、先ほどまで食事をしていたレストランの窓が見える。
ここまで歩いてきた訳は、数寄屋橋公園の桜を見るため。
公園と呼ぶには狭すぎて、歩道の植え込みと言った方が良い場所だが、何本かある桜の樹は満開となっている。
彼女と過ごす、日本橋でのお花見と銀座の馴染みのフレンチでのディナーの楽しい夜でした。