寒い冬にはジビエ料理、ニコ・チェルシー、神楽坂 3 | ワインは素敵な恋の道しるべ

ワインは素敵な恋の道しるべ

白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

2月のこと、神楽坂のジビエ・フレンチのお店、『ニコ・チェルシー』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。

 

スパークリングワイン、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネを飲んだあとは、赤ワイン。

シャルドネと同じく、ラングドックのドメーヌ・ポール・マスが造る、レ・タンヌ・オクシタン、ピノ・ノワール、2023年。

 

ラズベリーやブラックベリーなどのベリー系の香り、果実味とタンニンのバランスが良いミディアム・ボディで、樽のニュアンスも心地よい。

アルコール度数は13.5%と強め。

彼女は南仏のピノ・ノワールは美味しくないのではと心配していたが、これはOKとのこと。

やはりジャン・クロード・マスのワインに外れは無い。

 

彩り野菜のトマトJusピクルス。

これは良い口直し。

 

雉のパルマンティエ。

雉肉がたっぷり入った熱々のポテトが美味い。

 

五種類目のワインは、ラングドック・ルーションのヴァンプレッショニストが造る、ピュール・サン、シラー・マルスラン、2022年。

 

ヴァンプレッショニストは印象派の絵画にインスピレーションを得てワイン造りを行っている。

ヴァンプレッショニストは、ヴァン(ワイン)とアンプレッショニスト(印象派)を組み合わせた造語。

この絵は、エルネスト・メッソニエが描いたナポレオン戦争を題材とした「フリートラントの戦い」の斑毛の馬の習作。

 

ワインの説明はフランス語に加え、英語でも書かれている。

黒果実の凝縮感、強くこなれたタンニンを持つ、フルボディ。

これはジビエ料理に良く合う。

ぶどう品種のマルスランは、カベルネ・ソーヴィニヨンとグルナッシュの交配種。

 

目の前では、私たちの肉が焼かれている。

 

ジビエ五種盛りの完成。

産地などを詳しく説明してくれたが、既に酔いが回り始めた頭には入らない。

以下のジビエの種類も自信が無い。

 

兎。

 

鶉は間違いない。

 

鹿だったような。

 

これは猪・・・と思う。

 

これは蝦夷鹿。

 

二人に取り分け。

ガッツリ食べるジビエが美味い。

 

ジビエに合わせた六種類目のワインは、強い赤。

 

スッド・ウエスト、コート・カタランのドメーヌ・ナダル・エノーが造る、ラ・サントネール、カリニャン、2019年。

 

溢れ出る豊かな果実味、しっかりとしたタンニンと酸。

複雑なストラクチャーを持ち、余韻は長い。

高樹齢のカリニャンを使い、ぶどう栽培はオーガニック。

 

もうお腹がいっぱいと思ったら、〆のパスタが届く。

鹿のラグーソース。

 

二人に取り分けてもたっぷりの量。

濃厚なラグーソースと太麺は相性ばっちり。

 

今夜も、カウンター席も奥の個室も満席。

二階にも次々と客が上がって行った。

今やジビエはすっかり定着している。

 

このお店とは、店が八丁堀にあった頃からの長い付き合い。

シェフに今夜の礼を述べ、満腹満足で店をあとにする。

彼女と過ごす、神楽坂の楽しい夜でした。